ただのコラボには興味ありません!! 飽和する“アニメ×企業”プロモーション成否のカギとは?

1503_ned1.jpg2月13日に行われた「第10回NED」の様子。

 コンビニチェーン「LAWSON」と『アイドルマスターシンデレラガールズ』、「ファミリーマート」と初音ミク、はたまた「ピザハット」と『艦隊これくしょん』など、今、大手一般企業とアニメ・サブカルコンテンツのコラボレーションが相次いでいる。その理由は、アニメやキャラクターとコラボすることによって一定数以上の売上やプロモーション効果が見込めるからだ。

 上記のような企業は作品の盛り上がりがピークのタイミング、または先駆け的な動きによってプロモーション効果を得られてきたかもしれない。しかし、後追いする企業のコラボ対象となる作品は一部のビッグタイトルに偏っている上、今では似たようなコラボ事例が乱立しているのが現状。もはや、“ただコラボしただけ”では話題性もプロモーション効果も薄れてきている。

 一方、企業側の意識としては、「アニメの絵をつければ売れるらしい」「なんとなく流行っているからアニメとコラボしたほうがいいのでは」など、まだまだアニメコンテンツを使ったプロモーションに対する知識が浅い。「どんなコンテンツとどのようなコラボを行えば、成功するのか?」をわかっているプロモーション担当者はごく少数だろう。このままでは、多くの企業がただ商品のパッケージにキャラクターイラストを貼りつけただけの表面的なコラボに安易に手を出し、期待した効果を得られないままアニメとのコラボをやめていく、といった状況になるかもしれない。

 そんな中、アニメと一般企業のコラボ事例など、サブカルチャーを体系的なマーケティングとして確立するために行われているセミナー「NED」が注目を浴びている。仕掛けるのは、アニメコンテンツマーケティングプランナーの武者慶佑氏だ。2月13日に行われた「第10回NED」では、「pixiv」、「SuperGroupies」、「COSPLAYERS ARCHIVE」の3社を招き、さまざまなデータからアニメプロモーションの未来予測を行った。本稿では、その様子をお届けしよう。

■アニメファンの動向はサービスによってそれぞれ

 今回NEDに登壇した「SuperGroupies」は、アニメイトグループの運営する新ブランド。「アニメ≒ファッション」というコンセプトのもと数々のグッズを制作・販売している。2014年6月に生まれたばかりのブランドではあるものの、日常使いができる服や雑貨がアニメファンの間で話題に。現在女性を中心に会員数4万人以上を集め、大手百貨店・伊勢丹でも期間限定店を出店、大成功を収めた。

 人気の理由は“一見アニメグッズとはわからない見た目”の普段使いできるグッズを販売していること。キャラクターのイメージカラーや外見の特徴を捉えてそれを表現しつつも、知らない人が見れば普通の洋服、普通の雑貨に見える商品ばかりなのだ。

 登壇した稲田氏は、「SuperGroupies」内で商品の企画やデザイン、広報などさまざまな部門に関わっている。「まだたった7人の小さなチームなんですよ」と語る稲田氏は、企画を考えるときはアニメイトの売上げデータはもちろんのこと、「pixiv」でのイラスト投稿数も随時チェックしているという。

 その理由は、アニメや漫画のファンたちが自ら作り出す「UGC(User Generated Contents、ユーザー生成コンテンツ)」が、アニメ業界全体の景況感の指標となりえるからだ。

「pixiv」は会員数1300万人、月間32億PVの巨大イラストコミュニケーションサービス。登壇した「pixiv」の笠原氏は「pixivへのイラスト投稿数やPV数へのファンの反応は早く、人気作品は流行り始めでぐっと数字が伸びる」と語る。つまりpixivでの動向を常にチェックしていれば、早い段階で次に人気となる作品がわかる可能性が高い。また、「イラスト投稿数はその作品への期待値とも比例する」とのこと。アニメ放送開始直前にイラスト投稿数が増えるのはそのためだ。

 一方、コスプレイヤー向けソーシャルネットワークの最大手「COSPLAYERS ARCHIVE」の吉田氏は、「(人気作品は)話題になってしばらくしてから、コスプレ写真投稿数が増加する」と話す。コスプレイヤーの動きは、作品を好きになってから衣装を作成、仲間を集め、日程と場所を決めて撮影する、という手順を踏むため、ややタイムラグが生じる。コミックマーケットでの各作品のサークル数と同じく、作品の人気が定着してから勢いを増していくようだ。

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パッケージにつければいいというものでもない、という。

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