カッコよさとキュートさ、影と光…黒崎真音の多彩な表情に魅了されるライブ

1503_maonlive_main.jpg(写真/松本孝之)

 アニメ『グリザイアの果実』のオープニングテーマとして去年10月に「楽園の翼」をリリースした黒崎真音のツアー・ファイナル公演「LIVE TOUR 2014~2015 MAON KUROSAKI “WINGS OF EDEN -GARNET!!-”」が1月11日、東京・赤坂BLITZにて開催された。カッコよさとキュートさ、影と光……彼女の多彩な表情に魅了されっ放しだったワンマンライブの一部始終をレポートする!

■静と動が交差する前半戦——「このツアーの存在が光だった」

1502_kurosaki_3(写真/松本孝之)

 ライブは『薄桜鬼 黎明録』主題歌の「黎鳴 -reimei-」でスタート。真っ白の光に包まれてステージに登場した黒崎は、そのたおやかな佇まいからは想像し得ないほどの力強い歌声で「Lisianthus.」を披露し、会場を一気に盛り立たせる。トルコキキョウとも呼ばれる花の名を冠したこの曲の歌詞にある「希望」とは、トルコキキョウの花言葉でもあり、ライブに臨む黒崎の想いそのものだ。同じく胸いっぱいの希望を抱えてこの日集ったファンたちを「ようこそ! やっと会えたね」と迎え入れ、笑顔を見せた彼女。ゴシックなフリルドレスに身を包み、無数のライトに照らされた麗らかな姿は、一輪の花のようにファンの目には映っていたかもしれない。

「今日は音楽に乗せて、今思っている私の気持ちをみんなに届けたい。一緒にすてきな時間を作っていこうね!」とMCを行った後、「赤坂、ついて来れますか!」とオーディエンスを煽った黒崎は、『ヨルムンガンド PERFECT ORDER』オープニングテーマの「UNDER/SHAFT」や『HELLSING IX』エンディングテーマの「SCARS」など、ハードなロックチューンを連続で叩き込んでいく。アグレッシブなパフォーマンスに熱気が渦巻き、フロアではヘッドバンギングの波が起こる。まさに疾風怒濤の幕開けとなった。

 中盤、アコースティックなスタイルへと一変し演奏されたのは、アニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』にてエンディングに起用された楽曲の中のひとつ、「color me dark」だった。「11月からツアーをやって来て、今日まであっという間でした」と感慨深そうに呟いた黒崎は、「ここから見えるみんなの笑顔、超最高です。このツアーの存在が、いつも光となって背中を押してくれていました」と目を細めて語り、「光 -I Promise you-」へと繋げる。対照的なテーマを持つ2曲だったが、今回のセットリストはダークな所からライトな所へ進んで行くように組まれているとのこと。「どんなことがあっても最後は笑っていられるように」と、このライブへ懸ける想いを伝えた黒崎は、語りかけるような声色で「hear..」を客席へ届ける。息を呑むような静寂に包まれたブレイクから「昨日より今日が美しいから」と続く歌に、観客たちもじっと立ち尽くして耳を傾けていた。

■新曲と共に贈る感謝の想い——「私にとっての楽園はライブ」

1503_maonlive_2.jpg(写真/松本孝之)

 後半戦は「X-encounter」を皮切りに、ハイテンションな楽曲が続く。二度も三度もガラッと雰囲気を変えさせる、“ヲ嬢”こと黒崎真音の様々な表情に出会えるのは、ライブだからこそなのだろう。「-Autonomy-」や「fixxx and lie」でのコールアンドレスポンスで一体となった会場は、熱を帯びたまま「VANISHING POINT」へとなだれ込む。「今日だけの特別な景色見せてよ赤坂!」と煽られた観客たちは、振り切ったボルテージでそれに応え、エナジーを漲らせてシャウトする黒崎もステップを踏みながら、時にはステージ端の台に飛び乗りダイナミックなアクトを見せる。「メモリーズ・ラスト」のイントロが流れた瞬間フロアから上がったほとんど絶叫のような歓声は、その場の興奮度合いが尋常ではなかったことの証しだ。「今回のライブで気づいたことがいっぱいあったんだけど、その中でも強く実感したのは、私はライブが一番好き! 私にとっての楽園はライブでした。みんなが気づかせてくれました!」と叫び、スポットライトの下「楽園の翼」を歌う彼女の姿は、眩しいほどに輝いて見えた。

「みんなの眼差しひとつひとつが勇気に、元気になる。何があっても負けないぞって気持ちにさせてくれる。そんな幸せを感じながら、赤坂に辿りつくまでの日々を過ごしているうちに、新しい曲が生まれていました。このツアーを通じて私が感じた気持ちをテーマに作った曲です」と、ここで新曲「Garnet ~この夕陽の下で~」が披露される。思い出で繋がる絆を歌った、秋の夕空を彷彿とさせる心温かなバラードだ。「いつの間にか時は過ぎていくかもしれないけど、今日の思い出は一生変わらないものだから」そう語った黒崎は「素敵な楽園を見せてくれて、今日はありがとう」と感謝の言葉を残し、最後に「REINCARNATION」を歌い上げ、本編を締め括る。去り際、折り目正しくお辞儀をする姿に、客席からは惜しみない喝采が送られていた。

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