『ムーミン』に『せんぱいクラブ』、『レゴ・ムービー』…日本への”逆輸入”も盛んな北欧サブカルチャー

 家具のイケア、衣料のH&M、雑貨のフライングタイガーコペンハーゲンと、日々の生活の中でも「北欧」が身近になった。北欧由来の玩具としても、古くからデンマーク発のレゴブロックが親しまれてきた。昨年は映画『レゴ・ムービー』やショートシリーズ『レゴ ニンジャゴー』といったアニメ化でも話題になっている。

 同じく北欧発のアニメでは、2月13日より『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』の公開が始まった。昨年は『ムーミン』の原作者トーベ・ヤンソンの生誕100周年であったことから『MOOMIN!ムーミン展』が全国11都市を巡回、さらに今年10月には『トーベ・ヤンソン展』も控えている。

『ムーミン』については、日本で制作・放送されたテレビシリーズが現地フィンランドでも放送された。今回の『劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス』はフィンランドでの制作で、さながら“逆輸入”されたかのようでもある。

 また、昨年、YouTubeで話題となったショートアニメ『せんぱいクラブ』も北欧発だ。『せんぱいクラブ』は、スウェーデン在住のエリックさんとオリビアさんによるユニット「makebabi.es」が制作、日本のアニメでよく見られる“お約束”が盛り込まれている。セリフもカタコトの日本語で、日本のアニメを研究し、愛情を込めて制作しているのが伝わってくる。

 この『せんぱいクラブ』は、3月18日にポニーキャニオンからDVDが発売になる。内容は本編エピソード1のほか、特典には「キャラクター設定資料」「絵コンテ」「ビデオコンテ」から、本編の英語字幕版やオープニング曲「ライトチョコレイトライフラブ」とエンディング曲「思い出を返します」のアニメバージョンとライブバージョン、短編アニメ『Happy End』が収録と、盛りだくさんだ。

1502_hokuouzyosi.jpg北欧女子オーサが見つけた日本の不思議(KADOKAWA/メディアファクトリー)

 アニメにとどまらず、マンガ『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(KADOKAWA/メディアファクトリー)も話題だ。作者のオーサ・イェークストロムさんは、11年に日本でマンガ家となるべく移住した。スウェーデン出身のオーサさんは母国でもマンガ家として活動、『さよならセプテンバー』を刊行している。在籍する専門学校ではグラフィックデザインを学んできた。本作は4コママンガの体裁で、日本での生活で気になったことを綴っている。昨年の8月から自身のブログ『北欧女子が見つけた日本の不思議』で掲載し、ジワジワと人気を広げ、3月6日に出版されることになった。

 ここ数年、80年代や90年代にヒットした日本のアニメ作品の「新作」が立て続けに制作・放送されている。国内から見ると「今は何の時代なのか?」といった声も、ファンからよく聞かれる。しかし、ビジネスの視点でみると“海外向け”も重要なキーワード。80年代や90年代の作品を楽しんだのは、日本のファンだけではなく、こうした「新作」は海外需要を見込んでのことだろう。 そんな中、『レゴ』や『ムーミン』が日本に影響を与えたように、日本の影響を受けて北欧発で制作される作品たち。偶然にも「北欧」で異文化交流の一端を垣間見られる出来事が重なっているのは、興味深い。
(文/真狩祐志)

Pen (ペン) 2015年 2/15号 [ムーミン完全読本。]

Pen (ペン) 2015年 2/15号 [ムーミン完全読本。]

そういえば、もう岸田今日子さんじゃないんですねぇ…。

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