『ベイマックス』に萌える腐女子が続出!? 腐女子ライターが見た『ベイマックス』の“BL的萌えポイント”

 昨年の12月20日に公開され、6週連続で興行収入1位を獲得したディズニー映画『ベイマックス』。ロボットと人間の感動ストーリーかと思いきや、アツいバトルも展開するという評判は聞いていましたが、その中で腐女子から密かな人気を得ているとの噂が。それを検証すべく、イラスト投稿サイトを見てみると、『ベイマックス』の“腐向け”イラスト・マンガが結構ある……! 正直なところ、腐女子は消しゴムと鉛筆ですらホモ妄想ができてしまうというなんとも業が深い生き物なので、『ベイマックス』でホモ妄想する腐女子が出てくることはありえない話ではありません。しかし、そこにおいしいBLがあるのならチェックしなければ!! と、遅まきながら一介の腐女子が『ベイマックス』を見てきました。今回は、兄弟にロボットに、あらゆる妄想をカバーする『ベイマックス』のBL的萌えポイントをレクチャー!【※ネタバレ、BLの表現がありますのでご注意ください。】

 まずは、本稿に登場するキャラクターたちを紹介していきましょう。

『ベイマックス』に萌える腐女子が続出!? 腐女子ライターが見た『ベイマックス』のBL的萌えポイントの画像2『ベイマックス』に萌える腐女子が続出!? 腐女子ライターが見た『ベイマックス』のBL的萌えポイントの画像3『ベイマックス』に萌える腐女子が続出!? 腐女子ライターが見た『ベイマックス』のBL的萌えポイントの画像4ディズニーの『ベイマックス』公式サイトより。

ヒロ
【属性:弟、ショタ、未亡人、ロボサーの姫】
本作の主人公。天才的な頭脳を持つ14歳の少年。自分にとって唯一の味方で理解者である兄・タダシを事故で亡くし、心を閉ざしてしまう。ベイマックスによって元気を取り戻すものの、愛する兄の仇討ちに奔走し、血迷ってしまうところも(!?)。

ベイマックス
【属性:ロボット、執事、親友、聖母】
タダシがヒロのために作ったケア・ロボット。何があってもヒロを守りぬこうとする。ヒロの敵を倒すため、ヒロによって戦闘ロボットに“調教”されてしまう。

タダシ
【属性:兄、死にキャラ】
幼いころに両親を亡くしたヒロの唯一の兄。ヒロのためにベイマックスを作った。物語の序盤に“黒幕”によって……!?

 今回は、この3人が織り成すBLポイントをストーリーを追いながら紹介していきます。

【タダシ×ヒロ】
愛され弟と溺愛兄の可愛すぎる家族愛!
萌え度:★★★★★

 兄弟という関係のヒロとタダシ。不謹慎ですが、両親を亡くしているという点は兄弟の絆をより深める要素だなと思います。それを表すかのように、序盤に描かれるタダシとヒロはめちゃくちゃ仲良し! 誰よりも信じ、ヒロを助けてはちょっぴり悪いこと(バイク二人乗りで街を爆走したり)もしちゃったり、叱られるときは二人一緒で、いつもヒロを庇ってくれるタダシ。そんなタダシは、世界中の人を優しさで救うためにベイマックスを作ったのですが、真っ先に完成品を見せたのはやっぱり弟のヒロ。タダシの世界のど真ん中にヒロがいる!! って感じでヒロはタダシに愛されまくっています(笑)。理想を詰め込んだような兄と、世間にヒネながらもロボットに対する才能と熱意は本物な弟。これは兄弟BL来たか!? と、思ったところで、タダシは亡くなってしまうんですが……(泣)。

【タダシ(ベイマックス)×ヒロ】
ベイマックスと通じて感じる兄の残り香
萌え度:★★★★☆

 そして、兄の意志を継いでヒロの前にやってきたのがベイマックス。ベイマックスはメモリーカードでデータを管理していて、1枚目のメモリーカードにはタダシの記録が、2枚目にはヒロの記録が入っています。つまり、ベイマックスを動かしているのは亡きタダシが残した優しさ。こ、これは“未亡人BL”……か?(笑)(※愛する人を亡くした受けが新しい攻めと出会って恋をするBLのこと) しかしその“新しい攻め”であるベイマックス、いかんせん融通が利かないんです。“傷を癒やす”ことを優先するため、信号無視をしたり、ヒロの治療に集中して自分のピンチに気づかなかったり。見てるほうは癒やされるんですが、ヒロにはたまったもんじゃない(笑)。ヒロは兄を亡くした悲しみをベイマックスに癒され引きこもりから立ち直りますが、どちらかと言うとベイマックスに世話を焼かざるを得なくて外に出たという……ハッ! これも兄がプログラムした優しさ? 目的があると一途な弟のために!? ベイマックスを通じて亡き兄の残り香を感じる(泣)。

 加えて、物語の終盤にはベイマックスを通じてヒロの心にタダシが生きているという描写が。これってBLですか!? もはや私が聞きたい!(笑)

【ベイマックス×ヒロ -主従編-】
「なんでもする」、それは最高の“主従BL”ワード
萌え度:★★★★☆

 物語の序盤、ヒロの心の傷に反応し、癒えるためなら「なんでもする」と伝えるベイマックス。で、出たーー! BL伝家の宝刀“なんでもする”!! これが鬼畜BL作品なら緊縛調教が始まってしまうところでした、ディズニーアニメで良かった!(笑) しかしその後、紆余曲折あり、入学試験で発表した自分の研究が盗まれていたこと、そのために兄が殺されたことを知ってしまったヒロはその“黒幕”から命を狙われる立場へ。そして黒幕を捉えるべく、ベイマックスを調教……もとい、改造します。ケアのために作られた身体に無理やり貞操帯(※バトルアーマー)を付けられ、身体の中(※プログラム)から改造されてしまうベイマックス。けれどベイマックスは、それでヒロの傷が癒えるならとすべてを受け入れます。ヒロは兄を殺した黒幕と戦うためにベイマックスと意気投合したと思っていますが、ベイマックスはあくまでも「ヒロの傷を癒やす」ため、側にいようするんですよね。この優しさ、この包容力……こ、これは“おかんBL”!? 傷ついた受けをその献身で支え、愛情を持って助けてくれる攻めのメンタルケアBL(受け攻め逆も可)そのものだーー!

【ベイマックス×ヒロ -執事編-】
ロボットBLと、執事BLの境目って?
萌え度:★★★☆☆

 物語の中盤、仲間たちの反対を押し切って暴走したヒロが、ベイマックスに「兄の敵を殺せ」と命じるシーンがあるのですが、ベイマックス、敵と戦うんですよ。ヒロが入れた戦闘プログラムの動きとはいえ、ケアロボットなのにヒロの傷を癒やすため、誰かを傷つけるんです……。目的のためならなんだってする、そのロボットの怖さと愛情の深さ! 人に仕えるロボットは“執事BL”(※ご主人様にひたすら尽くしてご主人様の幸せのためだけに存在する執事のBL)の理想型としてしばし登場したりしますが、ベイマックスもまたその一人たる素質が……? けど人間である執事と違ってロボットは自分の意志をコントロールできないから、ヒロが間違った時も従っちゃうんですよね。

【ベイマックス×ヒロ】
人間のために作られ、人間のために尽くす。美しくそして泣ける“ロボットBL”
萌え度:★★★★★

 ヒロを癒やすためにあらゆる役目をこなしてきたベイマックス。さまざまな事件が解決したラストシーン、ベイマックスはヒロを救うため、自分の身を投げ打ちます(※イメージとしては映画『アルマゲドン』のラストシーンのような?)。もう、ここ! このシーンに“ロボットBL”の醍醐味がつまっています! ロボットは人間が人間のために作ったものだから、いつだって人間を優先して、壊れるのは常にロボットのほう! なぜならロボットだから、人の“命”じゃないから……。ヒロは泣いて嫌がりますが、ベイマックスは兄の仇を討ち、”ケアに満足した”ヒロに対する役目を終えたことを告げます。ヒロを救う優しさのために。

 序盤で融通の効かないプログラムぶりやヒロに言われるがまま改造される従順さが、最後にその優しさで本当にヒロの命を助けるという展開。ヒロを癒やすという目的を果たすため、ベイマックスは壊れることができるんです。そして兄の優しさが詰め込まれたロボットを一時は復讐に使おうとしたヒロが、人のために使って、そんなヒロをまたロボットが助ける……い゛い゛話゛た゛(号泣)。

* * * * *

 いやあしかし、BL妄想を抜きにしても面白かったです。友情・バトル・復讐・成長、アニメに必要なものが全部ギュッと詰まってる感じ。1秒たりとも無駄なシーンがなく、純粋に感動しました。何よりベイマックスが可愛いですね、ムニムニでポテポテで癒される。ハグすると一日のストレスの1/3が消えるらしいですが、ベイマックスなら多分全部ケアしてくれます(笑)。個人的に海外の人が描くポップなナンチャッテ日本が大好きなので、背景を眺めてるだけでもめちゃくちゃ楽しめました。洋館に提灯、鳥居モチーフの吊り橋、空に浮かぶアドバルーンっぽい金魚……和洋折衷でめちゃくちゃかわいい! 『太鼓の達人』っぽい世界観だな~と思ったらエンディングで太鼓っぽい顔の落書きがありました(笑)。リスペクトかな?

 カップリングとしては“タダヒロ”と呼ぶべきか、“ベイヒロ”と呼ぶべきか、もうまとめてベイタダヒロでいいか!(笑) 腐女子的には3人の濃密な関係、たまりませんでした。BOYS LOVE(BL)といいますが、“LOVE”とは男同士に発生する“恋愛と同じくらい心と心が繋がる感情”を総合してそう呼んでいるもの。そんなわけで普通に見てもBL読みしても面白い最高の映画『ベイマックス』、全国の腐女子にオススメします!
(文/祭屋みきぽ)

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