『烈車戦隊トッキュウジャー』終着駅 一年間ホントにありがとう! 波瀾万丈の大団円

 イマジネーションによって闇は散り、すべての烈車とサポート烈車の攻撃で、闇の巨獣は撃破されました。脱出した皇帝ゼットとネロ男爵、モルク侯爵(CV:鈴木れい子)に向かい、ライトは言います。どんなに闇の力が大きくても、自分たちの力・イマジネーションで最後まで戦わなければいけなかったのだ、と。

 そして、いよいよ最後の変身の始まりです。今回は、いつもと違って変身シーンは顔出し。前回の予告で流れた明=6号が大きく体で「6」のポーズをとっている決めポーズもあって、もう何もかもスペシャル。

 お待たせしました、ここでOP「烈車戦隊トッキュウジャー」がフルコーラスで挿入。定番の演出とはいえ、やはり燃える! 最終駅ということで、ものすごい久しぶりにカグラ(演:森高愛)が「私は強い」の思い込みからの「最強ガール」設定をこなしてました。あと、トカッチが第25駅で練習してた人間ミサイルとか、過去技もばっちり拾ったところで、レンケツバズーカにユウドウブレーカーをセット……えっ、そんなことできるの? 明が死にたがりをやめてトッキュウジャーに骨を埋める覚悟をしたからでしょうか、ここまで来て“ユウドウレインボークラッシュ”なる新必殺技まで披露。このネタの密度、トッキュウジャーのスタッフは加減というのを知らない。

 ダメージを負った皇帝ゼットですが、ここで、自らの闇を差し出すというネロ男爵とモルク侯爵のシャドーのくせにキリスト並の自己犠牲精神あふれる行動でパワーが復活。今度は、ライト以外のトッキュウジャーの変身を解除させるほどの強力な一撃を放ちます。その皇帝ゼットのパワーに対抗するため、トカッチたちはライトにトッキュウチェンジャーを渡し、最後の決戦を託す。みんなの思いを受け取ったライトは、虹色に輝くトッキュウレインボーに変身し、皇帝ゼットをぶった斬り。最後はダイカイテンキャノンの零距離射撃という荒技まで放ち、皇帝ゼットを瀕死の状態に追い込みます。

 今にも倒れそうなゼットの体から、また膨大な闇が噴出し始めた、その時! どこからともなく現れたグリッタ嬢(CV:日高のり子)操るクライナーが、ゼットを乗せて去っていきました。「陛下、闇は闇へ帰りましょう。陛下の欲しかったキラキラは、闇あってこそのこと」やっぱりグリッタ嬢生きてました。しかも、なんか最後、皇帝ゼットの手をそっと握って、ちょっといい感じ。シュバルツ将軍(CV:壤晴彦)に続き、皇帝陥落とは……マジでグリッタ嬢はメインヒロイン。

 さてシャドーラインとの戦いは終わったものの、もう子どもに戻れないライトたちは、故郷の昴ヶ浜を離れてレインボーラインで旅を続けることに。

 ところが駅に着くと、レインボーラインの総裁(CV:鳥海浩輔)から、いきなりの別れを告げられる。驚きながらも、いつもの調子で「じゃあ、最後にその頭取ってよ」と、おどけるライト。

「取れない。それに、なんでもすぐに答えを求めてはいけない。想像しなさい。そのイマジネーションで我々は存在し、走っている」

「いつでも皆さんのすぐ近くをね」

「だから、激しく忘れないでね」

 車掌さん(演:関根勤)とワゴンさん(CV:堀江由衣)も参加し、むむ、何やらシリアスな雰囲気。まさかシャドーラインを倒し、用なしになったトッキュウジャーはリストラか? そんな不安がみんなの心によぎります。その時。ライトたちの家族が、駅へ駆け寄ってきました。

「洸」「神楽」「美緒」と、それぞれの名前を呼びながら。第42駅で出した手紙のおかげで、彼らはライトたちのことを思い出したのです。久しぶりの再会に抱き合うライトたち。ううっ、ええシーンや。もっとも、「たくましくなっちゃって」と大きくなった光にチュッチュするお母さん(演:長谷部瞳)は、「役得」「代われ、彩香(役名)」など、ヒカリファンのお姉さんから恨まれてましたが。家族のイマジネーションも加わり、子どもの姿に戻ることができたライトたちに別れを告げて、烈車が発車します。空の彼方に遠ざかっていくレインボーラインを見送るライトたち。でも彼らは確信していました。「いつか、またあの烈車に会える」と。

 前回のキッツい引きから、バッドエンドはともかく、ちょっぴり寂しさが残るビターエンドくらいは覚悟してたんですが(ライトたちがレインボーラインのことを忘れちゃうとか)、まさかまさかの全方位ハッピーエンド! 個人的には、その後が描かれたEDで、トカッチとミオ(演:梨里杏/子どもver.は石井薫子)の仲が進展しているのが確認できて、もう本当に一安心。

 スタート前は「ダサイ」「昭和くさい」「ネタ戦隊」など、マイナスイメージを持つ人も多かった「トッキュウジャー」ですが、始まってみれば笑いあり涙あり興奮ありで、夢と希望と一部の人向けの萌えがいっぱい詰まった戦隊シリーズ屈指の名作だったと思います。

 この一年間、本当に楽しかったです。関わったスタッフ、キャストの皆さん。本当にありがとうございました……と、しんみり終わらせてくれるほど、東映さんは甘くありません。東京ドームのシアターGロッソではヒーローショー「最終烈車がやってくる!輝けレインボーライン!!」が開催中! 3月からは全国主要都市で「烈車戦隊トッキュウジャー ファイナルライブツアー2015」を公演! そして6月には完全オリジナル新作Vシネマ『行って帰ってきた烈車戦隊トッキュウジャー 夢のトッキュウ7号』が発売決定!! Vシネマでは謎の紫色の戦士も出るらしいんですけど、それってもしかして……終着駅に着いても、レインボーラインの運行は続きます。“トッキュウロス”な気になる人もそうでない人も、まだまだ乗り遅れのないよう、ご注意ください!! そして読者の皆様、ご愛読ありがとうございました!
(文/雑賀洋平)

【『烈車戦隊トッキュウジャー』全話レビューは次のページより】

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