アップルが銃器と暴力の表現規制を強化!? ゲームにモザイクがかかる懸念も…

1502_apple_strict1.jpgAppStore内のTempoより。

 一部のファンが待ち焦がれていたiOSのアクション(シューティング)ゲームアプリ『Tempo』が今月13日に待望のリリースとなったのだが、ゲームを紹介するスクリーンショットや動画をよく見ると、ちょっとおかしい? と話題になっている。どうやら、画像にモザイク処理が施されているようなのだ。モザイクで隠されているもの……それは銃器だ。

■関係者の報告でアップルの規制強化が明らかに

1502_apple_strict2.jpgTempoのスクリーンショットより。

 ゲーム情報サイト「gamesindustry」によれば、アップルはアップストアで扱うゲームアプリに関し、不適切だとされる銃器、暴力表現の適用範囲を広げているということだ。アップル側からの正式なアナウンスはないものの、いくつかのデベロッパーが最近、アップストア側からスクリーンショットなどの宣伝用素材に変更を求められたということだ。

 この『Tempo』のほかにも、オランダの個人デベロッパー・Orange Pixelが手がけた『Gunslugs 2』もまたアップデートの際にアップルから一度スクリーンショットの掲載を拒否されたという。この経緯を綴ったブログによれば、「人間に危害を及ぼしている描写」に問題があると伝えられたという。しかし、ここで引き下がらず、納得のゆく明確な説明を求めたところ、最終的にはリジェクトが撤回され、なんの修正も加えないスクリーンショットの掲載が許可されたということだ。

 また、アクションゲーム『Rooster Teeth vs. Zombiens』を手がけるデベロッパー・Team Chaosは、任天堂ファミコンの周辺機器「Zapper」を持ってゾンビと戦うキャラクターのスクリーンショットから「Zapper」を取り除くように求められ、代わりに野球のバットを持たせる絵柄に変更している。

■すでに新倫理基準が施行されているのか

 さらに「Pocketgamer」によれば、ニュージーランドのデベロッパー・PikPokは『Into the Dead』の紹介動画の掲載を断られたということだ。理由は「発砲中の銃器を見せている」からだという。

 続いて、Elektron Gamesが制作した『Tap Army』は「キャラクターがお互いに銃を向け合っている」ことが理由で銃を構えたキャラクターの上半身のアイコンから、銃が写らない頭部だけを描いたアイコンに変更させられたということだ。Elektron代表は、アップル側は「(どの年齢レートのアプリであれ)アップストアで見ることができる宣伝素材は、“4+”のレートが求められる」と伝えてきたという。そしてすでにアップルは、この規制に関する条項をアップストアのガイドラインに最近書き加えたということだ。ちなみに年齢レートの「4+」は文字通り4歳以上が対象で、実質上の「全年齢対象」である。

 すでにガイドラインに条項が加筆されているということは、改まったアナウンスはないものの、アップルの新たな表現基準はもう実行に移されているということになる。すると今後は、モザイク処理が施されたスクリーンショットや紹介動画などが増えてくるということだろうか。とすれば、やはり昨今の世界的な懸念であるテロ事件などに対する「自主規制」と考えられなくもない。

 今のところ、ゲーム本編の内容に関する指摘があったことは報告されていないが、今後もこの動向には注意を払う必要がありそうだ。豊かな表現に満ちたゲームの世界を、今まで通り純粋にゲームとして楽しみたいものである。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・gamesindustry
http://www.gamesindustry.biz/articles/2015-02-13-app-store-devs-report-crackdown-on-images-of-guns-and-violence

・Pocketgamer
http://www.pocketgamer.co.uk/r/iPad/Tempo/news.asp?c=63862

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こういうことではない?

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