作品を通じてアイドルを推す気持ちがわかった!? 話題沸騰中の『BiSキャノンボール』監督・カンパニー松尾インタビュー

■ファンにはブッ刺されるんじゃないかな(笑)

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――そもそも松尾さんは、アイドルにまったく興味がなかったんですよね。

松尾 そうですよ。巷で言われているBiSの楽曲が良いって部分も、僕にはピンとこなかった。ただ、やってみて思ったのは、メンバー6人がいて、僕たちとの組み合わせが決まりますよね。それから移動中もリハーサルも本番も、ずっとカメラを通してウイカさんを見続けている。そうすると、ようやくアイドルファンの心理がわかったんです。6人同時に見ちゃうとぼやけちゃうんですけど、一人にフォーカスを当てて見ると応援したくなるんです。

――これがアイドルを推すことなんだと。

松尾 そうそう。アイドルを推す気持ちが分かりました(笑)。繰り返しになりますけど、BiSが僕ら側に近いからよかったんですよ。昨年公開の『5つ数えれば君の夢』という東京女子流の映画が素晴らしかったので、例に出させてもらいますが、今回の企画が東京女子流だと、自分たちはただの小汚いおっさんにしか見えなかったと思うんです(笑)。いくらプロデューサーから「面白いドキュメンタリーを撮るんです」って紹介されても、正統派アイドルには何の効力もないですから。『5つ数えれば君の夢』については、山戸結希という非常に才能豊かな監督が文学性のある作品を撮ることで、アイドル映画を超えた負荷がかかっているんですよね。その中で『BiSキャノ』も解散ライブという節目に、グループの歴史を振り返るお涙ちょうだいのありきたりな内容に“負荷”をかけたわけです。

――間近から解散ライブを観た感想はいかがでしたか?

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松尾 僕らの主戦場であるAV現場は、ライブではないので、1対1のパーソナルな関係性を保ったまま、それをお客さんに提示できる。でも彼女たちは1対多数で対峙するので、受け止める重圧もあると思うんです。そこをマジメに一生懸命頑張っているというか、生でライブを観た時に皆が感動するんだろうなと思いました。あと面白かったのは、僕もそうですけど、いつもAVという小さな村で生きている人たち。僕の場合はハメ撮りが中心だから現場に一人ですし、それ以外の5人も、多くて現場スタッフは十数人でしょう。それが横浜アリーナで8000人を前にライブをする子たちを撮っている時に、だんだんAV監督のほうが萎縮しちゃって、いつものペースで撮れなくなって、そのプレッシャーを僕たちが受けているという状況が面白かったですね。

――研究員と呼ばれるBiSファンの反応は気になりますか?

松尾 いやぁ、ファンにはブッ刺されるんじゃないかなと(笑)。でも研究員の方々は、今までBiSのことをすべてわかって裏切られてきたと思うんです。だから今回も、その類いなんだろうと思って観てほしいですね。
(文=猪口貴裕/写真=金子山)

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『劇場版 BiSキャノンボール2014』
監督/カンパニー松尾
出演/プー・ルイ、コショージメグミ、ヒラノノゾミ、テンテンコ、ファーストサマーウイカ、カミヤサキ、渡辺淳之介、カンパニー松尾、バクシーシ山下、ビーバップみのる、タートル今田、梁井一、嵐山みちる
日本/2015年/企画・制作 有限会社ハマジム
製作/宣伝/配給:SPACE SHOWER NETWORKS INC.
公開劇場/テアトル新宿、ほかにて全国上映。詳細は公式サイトまで。
公式サイト:http://bis-cannon.jp/

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