作品を通じてアイドルを推す気持ちがわかった!? 話題沸騰中の『BiSキャノンボール』監督・カンパニー松尾インタビュー

2015.02.13

ネットでは賛否両論(!?)の『劇場版 テレクラキャノンボール2013』。

 アイドルらしからぬ過激な伝説を幾つも残して、2014年7月8日に横浜アリーナで行われた解散ライブ『BiSなりの武道館』で約4年間にわたる活動に終止符を打ったBiS。現在はメンバーそれぞれがユニットを組んだり、フリーランスで活動したりするなど新たな道を進む中、今年2月7日から解散ライブを追ったドキュメンタリー映画『劇場版 BiSキャノンボール2014』(以下、『BiSキャノ』)が公開中だ。

 本作は2014年に公開されるや、内容の面白さもさることながら、自主映画の利を生かしたフットワークの軽い上映方法やSNSによる口コミなどで異例のロングランヒットを続けている『劇場版 テレクラキャノンボール2013』(以下、『テレキャノ』)の続編に位置付けられる作品で、監督はハメ撮りAVの第一人者として一部に熱狂的なファンを持つカンパニー松尾監督。BiSのメンバーとAV監督が二人一組になって、解散ライブ前日から解散ライブ後の翌朝まで密着撮影は進んでいくのだが、AV監督の最終目的は彼女たちを口説き落として裸にするという、研究員(BiSファン)の悲鳴が聞こえてきそうな内容だ。事実、テアトル新宿での上映は封切り後から満席立ち見が続いているが(2月11日現在)、Twitter上では賛否が分かれている。

カンパニー松尾監督。

 なぜ『テレキャノ』のAV監督とBiSがコラボすることになったのか、その真相をカンパニー松尾監督に直撃した。

■最初はオファーを断るつもりだった

――『BiSキャノ』の話は、いつぐらいにあったんですか?

松尾監督(以下、松尾) 実は『テレキャノ』の完成前に、SPACE SHOWER TVの高根順次さんからお話を頂いたんです。その内容は「今度、スペースシャワーでBiSの解散を追うので、ドキュメントを撮ってもらえますか」というもので、ちょうど『テレキャノ』編集の真っ最中だったんです。でも負け戦が見えているから、断ろうと考えていたんです。

――負け戦というと?

松尾 僕なりにBiSを調べてみたら、アイドルとはいえ、いろいろ大変なことをやっているんですよ。その過激さを売りにしてきたわけで、最後にドキュメンタリーをAV監督のカンパニー松尾に撮らせるって、すごく分かりやすい文脈じゃないですか。だけど彼女たちが脱ぐわけでもセックスするわけでもないだろうし。そもそも僕は映画を撮ることに興味があるわけじゃないし、NHKや民放みたいなドキュメンタリーを撮る気はないんです。あくまでセックスを通して心も体も裸になる人が面白いんであって、『情熱大陸』みたいなものは撮りたくない。BiSという素材は面白いのかもしれないけど、今までのグループの成功だったり失敗だったりをまとめるような形のものにしかならないかなと思ったんですよね。たとえ通常の解散ドキュメントを僕が撮ったところで、誰が満足するのかと。

――たしかに、松尾さん以外の人が撮ってもいい題材ですよね。

松尾 そう。だったら、普段から一般のドキュメンタリーを撮っている優秀な方がやったほうがいいだろうし。僕も『DOCUMENTARY of AKB48』は観ていたんですよ。あれはカメラの数も多くて圧倒的な情報量で素材が多い上に、AKBには次々と事件が起きるんですよね。でもBiSは仕掛ける事件であって、基本的に彼女たちは受け身でしょう。そんな中でAKBに対抗する方法を考えたんですけど、僕が闘う武器は見つからなかったんですよね。

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