祝・生誕80周年!

御歳80歳を迎えた藤子不二雄A氏の代表作『笑ゥせぇるすまん』が遺伝子がこんなところに受け継がれていた!

2015.02.28

『笑ゥせぇるすまん』(中央公論新社)

 日本を代表するマンガ家、藤子不二雄A氏が御年80歳を迎えた。

 藤子不二雄Aは、マンガ家歴60年以上という、ベテラン中のベテランだ。もともとは藤子・F・不二雄氏とコンビで藤子不二雄のペンネームでマンガを描いていたが、1987年にコンビを解消。実際にはコンビで制作していたのは『オバケのQ太郎』(1964年)までで、以降はそれぞれで作品を作っていたという。

 そんなA氏は、さまざまなジャンルのマンガを描くことで知られている。

『忍者ハットリくん』(64年連載開始)、『怪物くん』(68年アニメ放送開始)はキャラクターが魅力的は、いかにもな少年マンガ。アニメ、映画と長年に渡り愛され続けている。『プロゴルファー猿』(74年連載開始)はゴルフをテーマにした、当時としては珍しいスポーツマンガだった。99年には、大人になった主人公・猿谷猿丸が活躍する大人向けのマンガ『サル』も連載された。

 70年に連載が開始した『まんが道』は自伝的な作品で、2度もドラマ化されている。続編の『愛…しりそめし頃に…』によって、18年の長期連載の末、2013年に完結したことはニュースにもなった。ほかにも、柏原兵三の小説『長い道』を原作にした『少年時代』(78年)は、自身がプロデューサーとして映画化。映画賞を総なめにしている。

 と、いろいろ紹介したが、藤子不二雄A氏と言えば、もっと毒の強い、ホラーテイストの作品が思い浮かぶ人も多いのではないだろうか? そう、『魔太郎がくる!!』『笑ゥせぇるすまん』などがその代表例だろう。

 藤子・F・不二雄も短編では怖い雰囲気の作品が多いが、藤子不二雄Aの作品のほうが、怨恨や情欲の感情がドロドロと生々しい。イキイキとした少年マンガとは、逆ベクトルにあるマンガではあるものの、しかしなぜか読んでいると、なんとも気持ちが良くなるのである。

『笑ゥせぇるすまん』は68年に読み切りの『黒イせぇるすまん』として初めて登場し、89年にはテレビ番組『ギミア・ぶれいく』の中でアニメ化された。

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