音楽性の高いアイドルが見せる新たなアイドルライブ アーティスト・SAWAが手掛ける『サワソニ Vol.9』レポ

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じゅじゅ。

【じゅじゅ】
■“キワモノ”アイドルっぽいけど…!?

　2番手は“呪”をコンセプトにした二人組のじゅじゅ。ゴスロリ風のダークな衣装に身を包んだ二人は、メランコリックなメロディーに乗せて不穏な空気を漂わせながら静かに登場。曲が始まると一転、荘厳なゴシックメタル風のサウンドに乗せて、交代で一人が訴えるように歌い、一人が追い立てられるようにダンスする。コンセプトを聞くとキワモノっぽいが、様式美に貫かれたサウンドをバックに行うシンメトリーを活かしたチームダンスは息ピッタリで、ハーモニーの美しさもなかなかのもの。ダークな照明に照らし出された二人が妖しく蠢く様は、まるで隠花植物が咲かないはずの華を狂い咲きせさたかのような趣き。ずっと無表情でパフォーマンスをしていた二人だったが、ラストはとびっきりの笑顔を浮かべて客と一緒に同じ振付で踊って、しっかりとアイドル性も垣間見せた。

おやすみホログラム。

【おやすみホログラム】
■絶叫のようなMIXが起こる！

　2014年5月結成とキャリアは短いながらも、ロックやクラブ系のイベントにも出演して着実に知名度を上げてきたおやすみホログラム。仲良くツインテールを結った二人はDJ１名とサックス1名を従えてスタイリッシュに登場したかと思うと、1曲目はラジオ体操とお遊戯をミックスさせたようなダンスを踊りながら愛らしい笑顔を振りまく。しかし客席の盛り上がりは凄まじく、絶叫のようなMIXが会場中に響き渡る。その勢いを加速させるように、2曲目は重低音の効いたオルタナ色の強いノイジーなサウンドに乗せて、二人は客席を煽りまくって一体感を作り上げる。3曲目は浮遊感のあるスペーシーなサウンドに咽び泣くようなサックスが絡み合うミディアムチューンで、二人は宇宙遊泳をするようにステージ上をゆらめく。しかし後半は畳み掛けるようにアッパーな楽曲を放ち、客席ではクラウドサーフが巻き起こり、それに負けじと二人も客席に降りて中央を陣取ると、ケチャを浴びながら熱唱。曲が終わると盛大な拍手が沸き起こり、二人は幸福感に包まれた表情で飛び跳ねた。

ライムベリー。

【ライムベリー】
■巧みなパフォーマンスを見せ付けた

　興奮冷めやらぬ会場の雰囲気を一変させるように静謐さすら感じさせるトラックでライブをスタートさせたライムベリーは、カフェということで大人しめの楽曲を意識的に並べ、ヒートアップした客を落ち着かせるように言葉の一つ一つを噛み締めてラップ。2曲目の「ウィンタージャム」では客も一緒にライムを踏んで、まったりしたドープな空間を作り上げる。だが後半は上着を脱ぎ捨てパーティーチューンを連発して本領発揮、巧みなマイクリレーで客席を煽りまくり、ラストは3人揃ってのダンスで魅了した。

【SAWA】
■和服でDJプレイ、かっこいい!!

　トリはもちろんSAWA。オレンジ色に花柄をあしらった鮮やかな振り袖姿で登場すると、和服とは不釣り合いなDJセットの前に立ってDJプレイを開始。「新年隠し芸DJつなぎうた」と銘打って、自ら曲を繋ぎながら歌うという離れ業を披露。時間の許す限り多くの曲をやると意気込み、新旧の楽曲を立て続けにパフォーマンス。曲の繋ぎでは慌ただしさもありつつ、しっかりと歌を聴かせるのはさすがの一言。新旧の楽曲を織り交ぜ、時にはステージの前に立って客を煽った。アンコールではスクリーンにＣＧの雪を降らせながら新曲『LastSnowFlakes』を切々と歌い、続くアッパーチューン『RingaRinga』で軽快なダンスを踊りながら伸びやかな歌声を聴かせて盛大なラストを飾った。

　3月15日には記念すべき10回目となる『サワソニVol.10』が渋谷Gladで開催決定、アイドルとアーティストを自由に横断する個性的なラインナップとなっているので、ぜひ足を運んでほしい。
（文／猪口貴裕、写真／山本宏樹）

【次ページに写真あり】

【新作情報】
『LastSnowFlakes』
SpacyRecords／2015.2.4／￥250円

【イベント情報】
『サワソニVol.10』
日時：3月15日(日)
場所：渋谷Glad
出演：妄想キャリブレーション、むすびズム、じゅじゅ、maison book girl、南波志帆、drop、WHY@DOLL、SAWA

 
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