公式サイトの閉鎖に続き、Twitterやブログも消去…“異例”の延期騒動となった舞台『ダイヤのA』

1502_dia_stage.jpgアニメ『ダイヤのA』公式サイトより。

『テニスの王子様』や『弱虫ペダル』など、人気マンガやアニメの舞台・ミュージカル化が盛り上がりを見せる中、今年1月に予定されていた舞台『ダイヤのA』の公演が“延期”となり、話題を呼んだ。1月には舞台の公式サイトも閉鎖(外部参照)、今月3日には公式ブログとTwitterアカウントも消去された。今後、舞台に関する告知はアニメ『ダイヤのA』公式サイトで行うとされているが、現時点で続報はなく、まったく情報がない状態となっている。

 そもそも、人気野球マンガ『ダイヤのA』(講談社)が原作となる本舞台は、1月23日から東京・新宿の紀伊國屋サザンシアターにて公演が行われる予定で、制作はこれまで『聖闘士星矢』や『ハマトラ』を舞台化してきた映劇、脚本・演出は、アニメ『ダイヤのA』でも声優を務めた浅沼晋太郎が担当するということで、ファンからの期待も高かった。

 こうした舞台公演の中止事例としては、2013年に取り沙汰された土屋アンナ主演の舞台『誓い~奇跡のシンガー~』が、原作者と演出家の間で揉め、裁判にまで発展したことも記憶に新しい。こうした舞台公演の中止は頻繁に起こりうることなのか? 舞台関係者は以下のように語る。

「舞台の公演を延期したり、中止にすることはほとんどありません。というのも、公演をするにあたって、制作側は必ず先に劇場を押さえるので、公演が延期・中止になると、劇場使用料が無駄になる。だから、舞台制作側としては、公演は何がなんでも行いたい。たとえ急病などで直前にキャストが欠けてしまう場合でも、代役を立てることだってよくあります」

 そこで、本公演が行われる予定だった紀伊國屋サザンシアターに、同劇場の使用料を問い合わせたところ、演劇使用の場合、1公演につき24万5000円(備品込み)。また、リハーサルのために1日(9~21時)劇場を押えると35万円がかかるという。中止となった舞台『ダイヤのA』は全12公演を予定していたので、公演費用は概算で294万円以上にも上る(映劇は一部日程で差し替え公演を実施)。こうした損失を考えると、やはり今回の延期には何かのっぴきならない事情があったとしか思えないのだが……。

 実はこの舞台『ダイヤのA』、ファンからは当初より不安視する声が上がっていた。

「普通、人気作品の舞台化だと、まず主演キャストとその配役にファンは注目します。好きな役者が出ていれば、原作を知らなくても見に行く人は多いですから。なので、人気作の舞台では舞台化発表後、大体1カ月以内にはキャストも発表されていますね。でも、舞台『ダイヤのA』はキャストを発表しないまま、チケットの先行抽選販売を始めようとしたので、舞台系のファンはみんな困惑していました」(舞台系の女性ファン)

 舞台ファンをはじめ、ネット上でも同様の声が噴出し、昨年11月中旬に予定されていたチケットの先行抽選販売は二度の延期後、公演自体の延期でうやむやとなった。実は、『ダイヤのA』と同じく映劇が手がけ、昨年8月に行われた舞台『ハマトラ』でも、キャストの発表前にチケットの先行抽選受付が行われ、一部のファンから不評を買っていた(その後、先行抽選受付期間中に一部のキャストを発表)。

 こうしたドタバタ劇もあったわけだが、舞台『ダイヤのA』の延期理由とは果たしてなんなのか? 映劇に問い合わせてみたが、担当者不在のため、話を聞くことはできなかった。

 前出の舞台関係者は言う。

「これはあくまで僕の推測ですが、アニメやマンガを舞台化するには、版権元に原作料を支払わなくてはいけません。今回、キャストも発表されず、公演が“中止”になったということは、その原作料で揉めているのかも。つまり、先に舞台化の了承を得て劇場を押さえたのはいいものの、原作料の話になって、想像以上にその値段が高かったとか。今までいろんな作品を手がけてきた映劇なので、考えにくいことではありますが……」

 舞台『ダイヤのA』で脚本・演出を務める浅沼氏は、延期が発表された際に自身のTwitterで「前向きな延期ですのでご心配なく!」というコメントを残した。人気作の舞台化ということで期待されていただけに、いつか無事に舞台の幕が開くことを願いたい。

公式サイトの閉鎖に続き、Twitterやブログも消去…“異例”の延期騒動となった舞台『ダイヤのA』のページです。おたぽるは、マンガ&ラノベ出版業界事情その他演劇の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!