『ガンダム Gのレコンギスタ』第18話 どこに向かっているのかわからない、けれどアツい!! 暴走マシン的展開を見せる!

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第18話「三日月に乗れ」

【今週の極私的見どころ!】
 混迷の度合いを深めるどころの騒ぎじゃない今回。メガファウナ、アメリア軍、キャピタル・アーミィという地球勢力に加えて、ドレット艦隊とザックス兵団という月勢力。さらに金星からフォトンバッテリーを運搬してきているというビーナス・グロゥブという新勢力と、大まかに分けて6つの勢力が登場し、しっちゃかめっちゃかな状況になっています。

 10回くらい見直しましたが、正直ストーリーがわかるようでわからない! ただ、相変わらず勢いありまくりの絵コンテと作画、キャストの演技で圧倒されつつ30分を駆け抜けるという感覚は、ますます先鋭化してきているような。富野由悠季監督の筆が乗りまくっているのはわかります! というわけで、足りない頭を必死にひねりながらの第18話レビューです。

【今週のおすすめ度】
★★★☆☆
(前回のあらすじはこちら

 相変わらずお掃除をしているメガファウナの面々。仕事をバリバリこなすベルリ(CV:石井マーク)ですが、ノレド(CV:寿美菜子)とラライヤ(CV:福井裕佳梨)の女子二人は、彼が疲れていることを見抜きます。さすがの世話女房? ここで月面から軌道エレベーターの最上階・ザンクトポルトまで、この世界における唯一のエネルギー源「フォトンバッテリー」を運搬するカシーバ・ミコシと、そのフォトンバッテリーを精製できる金星から月のトワサンガまでの輸送船クレッセント・シップが登場。クレッセント・シップは金星の勢力ビーナス・グロゥブに属します。カシーバ・ミコシ、クレッセント・シップ、どちらも異形のメカニックといった外観で、ビーナス・グロゥブはこれまでの勢力ともまた異なる存在ということを印象づけます。

 一方、シラノ―5では地球勢力に舐められてはいかん! ということで、月面勢力のタカ派と思しきガヴァン隊(ガヴァンCV:稲田徹)が出撃。一方、このままだと騒動になる、ということでドレット艦隊(ドレットCV:水野龍司)も彼らの動きをけん制しつつ、G-セルフを入手しようと動き始めます。またキャピタル・アーミィは、ドレット艦隊との交渉を有利に進めるためにG-セルフの奪取を画策。G-セルフを中心に、事態は推移し始めます。にしても、G-セルフを入手すると、どういう特典があるんでしょうか。単に目立つエース機だからゲットしときたいってことでいいんですかね? そのあたりがちょっとわからないんですが、感情の動線としてはシンプルです。

 で、今回のベルリたちのミッションは「ヘルメス財団とレイハントン家の秘密を知るべく、ビーナス・グロゥブに向かう」ということで、これから金星に帰るクレッセント・シップに合流する必要があるわけです。しかし、そのあたりを解説する会話が、かなりのニュータイプ的会話。

ロルッカ(CV:谷昌樹)「クレッセント・シップは、G-セルフが接触すると化けるはずなんです」

ノレド「へ~、そういう関係なの?」

ラライヤ「じゃクレッセント・シップのシステムも、同じようなものなんですか?」

ロルッカ「まあ、そうでしょうね」

フラミニア(CV:玉川砂記子)「ヘルメスの薔薇の設計図らしいですよ」

ノレド「怪しいんだ!」

 ……す、すまん!これは富野歴30年の僕でもよくわからない会話だ! えーと、つまり金星に行きたい>クレッセント・シップに同行したい>G-セルフとクレッセント・シップが接触すると、何かすごいことが起こる>怪しいんだ!>よし、これで金星に行けるぞ! てことっすか? 「説明セリフを聞いて余計にわからん」という実況コメントも流れていますが、ここでさらなる衝撃が!

 マスク(CV:佐藤拓也)の乗るマックナイフとバララ(CV:中原麻衣)の乗るビフロンが、なんの前触れもなくメガファウナに乗船。強引にハッチを開いてMSデッキに乱入してきます。いくらミノフスキー粒子でレーダーが使えないからって、それはないだろう! どうやらクンパ大佐(CV:広瀬彰勇)の差し金で、G-セルフを強奪しに来たみたいですが、視聴者も「何この展開www」と完全に置いてきぼりになっています。

 結局、マスクはベルリに手痛い反撃を食らってあっさり撤退。何しに来たんだかもう! そこに天才クリム(CV:逢坂良太)とミック(CV:鷄冠井美智子)も乱入。メガファウナ船上で乱闘が始まります。なんかもうすごいことになっています。理屈で考えようとすると、すぐに暴走するストーリーから振り落とされてしまいそうになります。さすがに、今回は僕も白旗を上げそうになったんですが、がんばって理性を保ってついていこうと思います!

 地球勢力の内輪もめが展開したAパートに続いて、Bパートではさらにトワサンガの2勢力が乱入し、ますます混とんとした状況に。もはや誰と誰が敵なのか、わからないまま戦闘は続きます。自分のカレシを蹴飛ばされたことでお怒りのミックに対し、「蹴飛ばされた男が悪いんだろ!」と反撃するバララ。そこに登場する王子様・マスクに、バララは思わず涙。本能むき出しの女のバトルに、「これ、ロボットアニメじゃなかったら、泥レスとかキャットファイトになりそうだな~」とか思っていると、今度はガヴァン、マスク、クリムがG-セルフをめぐって熱い告白を開始! 「なにこれww」「G-セルフ ハーレムw」と、コメントも盛り上がります。状況は無茶苦茶なんだけど、感情の動線をシンプルに整理するこの演出は、まさに富野的。要はG-セルフを手に入れた勢力が、『Gレコ』の勝者ってことですね。

 さらに、ここで今週のビックリドッキリメカが登場! ドレット艦隊のロックパイ(CV:平野潤也)が操縦する新型MS・ガイトラッシュです。全身にビームの膜「ビームマント」を張って体当たりするという、その発想はなかったわ! 的なMSです。対するG-セルフは、フォトンバリアーを展開して、ビームを素手でつかんで反撃。予想外にピンチとなったロックパイに、マッシュナー(CV:たかはし智秋)は指揮官の立場を忘れて、必死に援護。

 そして、性能を開放したG-セルフに呼応するように、クレッセント・シップは「レイハントンサイン」を認識。なんか光り始めてます。ジェットコースター的展開……とは、この連載レビューで何度も書いてきましたが、訂正します。どこに向かっているのかわからない暴走マシン的展開が続きます。

 その極め付けが、メガファウナがクレッセント・シップに突進するクライマックスです。一歩間違えると接触事故……という状況の中、ラライヤのネオドゥとアイーダ(CV:嶋村侑)のG-アルケインのサポート、そしてステア(CV:ミシェル・ユミコ・ペイン)の絶妙な操船技術でピンチを脱出。迫力満点な作画もあり、意味はわからないけどなんかアツいシーンになりました。

 クレッセント・シップに接触したベルリは、メインエンジンルームに侵入。そこでG-セルフから排出されたメタルを挿入すると、アイドリング状態だったクレッセント・シップのエンジンが定常運転を開始しました。クレッセント・シップは、レイハントン家の人間が乗り込むことで本来の性能を発揮する……ということでしょうか。ベルリは父と母の仕掛け、と言いましたが、やはりレイハントン家とビーナス・グロゥブには何か深い関係があるようですね。

 果たしてメガファウナはクレッセント・シップと共に金星に旅立つわけですが、これホンマにあと8話で終わるんですかね?

 今回の状況をまとめると、メガファウナ、キャピタル・アーミィ、アメリア軍、ドレット艦隊、ザックス兵団の5勢力が存在。メガファウナは、ヘルメス財団とレイハントン家の関係を知るために、クレッセント・シップと共に金星に向かった、ってところでしょうか。次回予告を見ると、さらに第6の勢力としてビーナス・グロゥブの軍隊が登場するみたいです。おまけにクレッセント・シップ内でマラソン大会が行われるとか? これ、ホンマにあと8話で終わるんですか!! ちなみに次回予告の決めゼリフは「見たって言いふらしてくれ!」でした。
(文/受動 明日)

ザ・ビートルズ

ザ・ビートルズ

ヘルタースケルター(しっちゃかめっちゃか)!

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