『ガンダム Gのレコンギスタ』第20話 王道と予想を裏切る展開…詰め込み過ぎ? な濃厚エピソード

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第20話「フレームのある宇宙」

【今週の極私的見どころ!】
 予想を裏切る展開で視聴者をおどろかせた前回に続いて、今回もメガファウナとジット団の戦闘が描かれます。その一方で、結束を強めるベルリ(CV:石井マーク)たちパイロット勢と、温度差に悩むノレド(CV:寿美菜子)の姿など、微妙な機微を描くドラマも展開。そして、かねてより注目を集めていたジャイオーンのフル装備形態も登場! 果たしてG-セルフを圧倒する強さを見せるのか!

 といった具合に、さまざまなフックを持った今回。詰め込み過ぎじゃないですかね? というくらい、濃厚なエピソードになりました。

【今週のおすすめ度】
★★★☆☆
(前回のあらすじはこちら

 突如現れた金星の武闘派勢力・ジット団。そして、裏切るフラミニア(CV:玉川砂記子)。睡眠薬を注射され、意識を失うベルリ。ジット団に奪われるG-セルフ。そしてハイジャックされるクレッセント・シップ。地球から遠路はるばるやってきたメガファウナ一行の運命やいかに! という急転直下の展開を見せた前回に続く今回。

 さて、どんな物語が……って、いきなりベルりが普通に会話してるじゃないか! 想像の斜め上をいく幕開けに冒頭からビックリ! ま、まあ前回、フラミニアもすぐに目が覚める的なことを言っていたから、別に何もおかしくはないんだけど……。こういう「行間を読め」的な展開が多い『Gレコ』ですが、それにも限度っちゅうもんがあるような。う~ん、これも今風のヌルいアニメに慣れすぎたがゆえなのか。

 ともあれ、メガファウナはジット団の上陸から避けるために、ビーナスグロゥブを統治する「ロザリオテン」の指導者ラ・グーの元に逃げ込むことを決定。そのためにジット団の研究施設ジットラボラトリィがある居住施設・オーシャンリングに向かうことを決断します。そうと決まればさっそく行動開始。そんな時でもベルリとアイーダ(CV:嶋村侑)はイチャイチャ(とはいえ、仲のいい姉弟という感じ)。微笑ましい光景に、視聴者も「それがいい」「すっかり姉さんに」「ヨスガw」【注:姉弟の濃厚な恋愛を描いた『ヨスガノソラ』のこと】などと、レイハントン姉弟の姿に癒されている様子。

 そういや、先日「バレンタインチョコをもらいたい『Gレコ』『ビルドファイターズトライ』のヒロインは」というアンケートで、アイーダは4位(『Gレコ』内ではトップ!)を獲得。頼れるけどどこか抜けてるドジッ子姉さん・アイーダの萌え姿に、視聴者もすっかりKOされている感じです。

 そしてMSパイロットたちは、そろって気合入れのウォークライ(掛け声)で一致団結。寄り合い所帯なメガファウナ勢ながら、いつの間にか妙な連帯感が生まれている様子です。しかし、一人浮かない表情を見せるのがノレド。ラライヤ(CV:福井裕佳梨)が自立し、ベルリも一人の戦士として成長した今、自分の役割についてずっと思い悩んでいるのでしょうか。どことなく、初代『ガンダム』のフラウを思わせますし、充実した生き方を求めて味方を裏切った『Zガンダム』のレコア的なキャラになるのかな~なんて嫌な予感も頭をかすめます。

 さてさて、一方ジット団のキア・ムベッキ(CV:中井和哉)は、クレッセント・シップの船長の頭に爆弾付きのヘッドギアを装着。おかしな動きをしたら爆発する、と脅迫します。こ、これはまさかあの伝説の「人間爆弾」ですか~!? 「人間爆弾」といえば、富野監督の代表作『無敵超人ザンボット3』で多くの視聴者にトラウマを植え付けた設定です。過去の『ガンダム』シリーズのセルフオマージュが多めな『Gレコ』ですが、まさか『ザンボット』ネタまで……。のようなコメントも多く流れてきましたが、さすがにそれは深読みしすぎ?

 そして、ついにテン・ポリスに対して叛旗を翻すジット団。汎用機のジャイオーン、ファンネル搭載のMA・ジロッド、巨大なビームサーベルがいかすジャスティマの3体が、ポリジット部隊を次々撃破。どうやら彼らも地球へと帰還する「レコンギスタ作戦」を実行したい様子。ビーナスグロゥブも一枚岩ではないようです。ここでのポイントは、ジロットのファンネルと戦闘するポリジットの動きです。多くの機体が瞬殺される中、一機のみ反撃に成功(その後、やっぱり撃墜されますが)。たぶんこの機体のパイロットだけは手練れだったりするのでしょうか。こういう背景を感じさせる細かい演出がニクいです。その隙に、ベルリたちは奪われたG-セルフを奪還。メガファウナはジットラボラトリィに向けて発進するのです。

 Bパートでは三つ巴の戦闘が展開。ベルリたちを撃墜することをためらってしまったクン・スーン(CV:小清水亜美)の姿に、『∀ガンダム』の「泣き虫ポゥ」を連想しつつも、迫力のバトルに目が奪われます。とはいえ今回は、そんなに作画枚数が多くないようにも見えます。どちらかというと、止め絵とスライドをうまく使ってスピード感や動きを感じさせているような。演出の妙に唸らされます!

 そして、いよいよフル装備のジャイオーンが登場です。背中に蜘蛛の脚のような巨大な爪(しかも先端からはビームサーベルが伸びる!)という禍々しいフォルムが、いかにも敵メカっぽくていいですね! こりゃあG-セルフの強敵確定かな? と思っていたら、いきなりG-セルフの攻撃で脚が3本破壊されちゃいました。すんごい出落ちメカですね。放送開始当初より「G-セルフ無双」と言われてきた『Gレコ』ですが、このまま特にピンチらしいピンチもないまま突っ走るのでしょうか。『ガンダムSEED』のキラ・ヤマト的な「俺TUEEE」感も特にないのに最強、というなかなか珍しい展開です。

 意気揚々と登場したフルアーマーのジャイオーンですが、どうにもG-セルフには劣勢。焦るキアは、本来はタブーとされている居住施設付近にもかかわらずビームを乱射します。そして案の定、壁を破壊。大量の海水が宇宙空間に放出されてしまいます。

「これはダメだ!」

 自分でやっておきながら、全力でダメ出しするキア・ムベッキ。この世界、ドジッ子が多すぎやしませんかね。

 これ幸いとジャイオーンにとどめを刺そうと水流に身を投じたベルリが、青空と大海が広がるオーシャンリング内に入ったところで次回に続きます。まさかこのタイミングで水中戦闘エピソードが来るとは!

『ガンダム』シリーズと言えば、水中戦闘で苦労するガンダムのエピソードはある意味恒例ではありますが、登場は大抵中盤あたり。クライマックスのこのタイミングでそれが来るとは、だれも想像しなかったことでしょう。『ガンダム』シリーズの王道と、予想を裏切る展開をみせる『Gレコ』。色々な意味で目が離せなくなってきました。残り6話。本当にどうするんでしょう、コレ。

 おなじみの次回予告のコメントは「君のバッテリー、フルチャージ!」でした。
(文/受動 明日)

HG 1/144 ジャイオーン (Gのレコンギスタ)

HG 1/144 ジャイオーン (Gのレコンギスタ)

もうちょっと活躍してもいいんですよ!

『ガンダム Gのレコンギスタ』第20話 王道と予想を裏切る展開…詰め込み過ぎ? な濃厚エピソードのページです。おたぽるは、アニメ作品レビューの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!