『トッキュウジャー』第45駅 仲間を思うゆえの別れ! 「ホームで列車を追う作品は名作」の法則が発動

 その頃、ライトはシャドーと戦うためという名目で、トカッチたちのレインボーパスを回収していました。しかし実はこれ、闇の影響が少ないトカッチたちはトッキュウジャーの記憶がなくなれば、子どもに戻ることができると聞いたライトが、みんなを救うためについたウソでした。ひとり烈車に乗り込んだライトは「お前たちだけでも戻ってほしいんだ。あの秘密基地の頃に……俺はもう戻れないから」と、追いすがるトカッチたちに別れを告げます。

 これまでは能天気な性格で他人の言うことを聞かなかったライトでしたが、ここでは仲間を救いたい一心でトカッチたちの制止を聞かない……同じような行動でも、その根底にある思いはまったく正反対という、ライトの成長とそれと引き換えに失うものの重さを端的に表した名シーンです。っていうか、日曜の朝からこんな切ない気持ちにさせるんじゃない!

 烈車を追ってホームをかけるトカッチたち。しかし烈車内でワゴンさん(CV:堀江由衣)がパスを焼いたことで、トカッチたちは本来の子どもの姿に戻ります。そして、トッキュウジャーとライトの記憶をなくし、呆然と立ち尽くす彼らを、涙をこらえて見守るライト……俺の中での劇場版『銀河鉄道999』以来の「ホームで列車を追う作品は名作の法則」が発動しました。この残された者と去っていく者の引き裂かれていく感じがね、自分の力ではどうしようもない青春の無力さというか……とにかくいいんです。いや、もう第1駅の時点で、終盤重い展開になるのは覚悟してましたが、たぶんこれ、子どもより大人のほうが号泣すると思う。まあ「このままだと、次回の劇場版に出られないじゃないか!」とか「子どもミオとカグラも、これはこれでええもんですな」とか、タフな意見もネットではありましたが。

 家族の元に帰り、これまで通りの生活を始めるトカッチたち(考えたら小学生の朝帰りだよなー)をよそに、町に、家族に、二度と闇を近づけさせないと決意を固めたライトは、ひとりシャドーキャッスルに突入します。待ち受けるネロ男爵(CV:福山潤)率いるクローズ軍団を相手に、一歩も引かない戦いを見せるライト。しかし、なぜか勝利のイマジネーションが見えないまま、ライトは闇のトッキュウ1号へと変身するのでした。『侍戦隊シンケンジャー』『特命戦隊ゴーバスターズ』と、たとえお子さま向けでも『ミナミの帝王』ばりに容赦ない追い込みをかける靖子にゃん……と覚悟はしていましたが、それでもライト役の志尊淳くんと子どもトッキュウジャーたちの熱演もあって、感極まる人が多数。あと2話で本当にうまく収まるのか、期待と不安が入り交じる第45駅でした。

 さて烈車戦隊トッキュウジャー。勝利のイマジネーション! 出発進行!! 次の停車駅は、ひとりキャッスルターミナルでネロ男爵とモルク侯爵と戦うライト。そして闇という自分の運命を受け入れたゼットが、ライトの前に立ちふさがる第46駅「最後の行き先」です。トカッチたちは、このままライトのことを忘れたままなのか、思い出すのか気になる人もそうでない人も、乗り遅れのないよう、ご注意ください!!

 EDの列車紹介は、クライマックス近くで尺の関係か、ありませんでした。

(文/雑賀洋平)

銀河鉄道999 (劇場版) [DVD]

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今、万感の思いを込めて汽笛が鳴る

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