“ライトオタク”のエスノグラフィ(民族誌) 第1回

「ラブライバーは“民度”にとても気を使ってる」離島からやってきたラブライバー【“ライトオタク”のエスノグラフィ】

―――ちなみに彼女とはどこで出会ったの?

K「自分が通っている大学の学祭に彼女が遊びに来ていたんです。その時にたまたま知り合って案内とかしてたら、その後も色々と会う機会があって付き合いはじめました」

―――なるほど、ごめんなさい、少し話がそれてしまいました(笑)。もう少しラブライバーのことについて聞きたいのだけど、K君は月にどれくらいラブライブ関係でお金を使うの?

K「だいたい4万円くらいですね。内訳は、ブルーレイとかほかのグッズとかを買ったり。あと、アキバで『ラブライブ!』のオフ会に参加するたびに一回200円の缶バッチのガチャを10回くらい回すので」

―――そんなにガチャを回すの!?

K「カブってるやつをほかの人とトレードしたり、初めてオフ会で会った人にお近づきの印に渡すこともあります。あと、好きなキャラクターの缶バッチをカバンにたくさんつけたりしますね」

―――あ、そういうラブライバーの人たち、アキバでよく見る。

K「缶バッチをいっぱいつけることを“装備”って言うんですけど、装備をしている中でも特にすごい人たちは『ラブライバー四天王』って呼ばれるんです。“四天王”だけど、どう考えても絶対4人以上いると思うんですけど(笑)」

―――K君自身は、ラブライバー四天王じゃないの(笑)?

K「俺自身、“装備“を始めたのは4カ月前からなので違いますけど、“装備”付けてアキバ歩いてたら『ラブライバー四天王ですか?』って聞かれたことはあります(笑)。あとTwitterに晒されて、disられたりしたこともあります」

―――disられてまで“装備”をつけ続ける理由ってなんなの?

K「“装備”をつける前からネットでこういう格好をしたラブライバーたちが叩かれていることは知っていたんですけど、『自分でやらずに判断するのは良くない』と思って“装備”を付けはじめたんです。あと、オフ会のたびにガチャをたくさん回してたら、カバンに付けられるだけ手元に缶バッチがあったので(笑)。今も缶バッチを付けているのは、すごく個人的な理由なんですけど、まだまだ『ラブライブ!』を知らない人もたくさんいると思うので、作品を知ってもらうきっかけに少しでもなればと思って付けてます(笑)」

―――え、じゃあ布教のためにやってるの!?

K「オタクって、自分の好きな作品を他人に無理やり押し付けるっていう良くない部分があるじゃないですか。自分が“装備”付けて街を歩いていれば、無理やりではない形で知ってもらえるんじゃないかと思ったんです」

―――なるほど。実際に何か反響はあった?

K「布教になっているかはわからないですけど、『一緒に写真撮っていいですか?』とか『花陽ちゃん好きなんですか?』とか、歩いてて声はかけられますね」

―――コミュニケーションのための道具にはなってるってことだね(笑)。

K「そうですね(笑)」

―――さっき自分でも少し言ってたけど、世間でのラブライバーの評判って決して良くないでしょ? そこについて何か思うことはある?

K「確かにラブライバーの中には、チャラかったり、ノリが軽かったりする人もいます。特に高校生とかはそういう感じになりがちですね。でも、そういう子たちがはしゃぎ過ぎたり羽目を外しすぎたら、周りのしっかりした年上のラブライバーたちが注意しますし、注意された本人たちも基本的には素直な高校生なので、ちゃんと反省しますよ(笑)。

 全体として、ラブライバーたちは民度にとても気を使ってるように思います。もちろんキャラの抱きまくらを電車の中に持ち込んで座席を余分に使う人や、ガチャを回し終えて空っぽのカプセルをその場に捨てていく一部のラブライバーもいます。でも、そういう人たちがいるのと同時に、ゴミ袋を持ってきて散乱する空のカプセルを回収していくラブライバーがいたり、LINEグループに「人に迷惑をかけないように気をつけましょう」みたいな書き込みもされたりするんです」

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