“ポストでんぱ組.inc”や“ポスト橋本環奈”が登場！　個性派アイドルが揃った「LOVE MAX祭2015」

■会場を最も有効活用していた「アリスインアリス」

　演劇プロデュース団体「アリスインプロジェクト」から生まれた「アリスインアリス」は、メンバーが女優なのを活かしたシアトリカルなパフォーマンスが異色なアイドルユニット。そもそもシアターGロッソはヒーローショーなどを行うための劇場なので、演劇の要素を取り込んだアリスインアリスのステージには打ってつけ。メンバーは舞台に出て来るなり水を得た魚のように舞台を広く使って、通る声でセリフを言い合い、映画の１シーンを再現したかのように抜群の立ち位置でポーズを決める。歌が始まった後も、近未来を描いた歌詞に合わせたダンスはSF映画を見ているような独自の世界観を構築する。二日間を通して、もっともステージを有効活用していたのはアリスインアリスだろう。

■第2のおニャン子クラブ（!?）「ハコイリムスメ」

「ハコイリムスメ」も演技レッスンを受けて女優活動をしてきたメンバーで結成されたグループだが、その様相はアリスインアリスと大きく異なる。メンバーの大半が中学生の彼女たちがレパートリーにしているのは80年代のアイドルソング。この日もおニャン子クラブの「真っ赤な自転車」と「避暑地の森の天使たち」、CoCoの「君の歌、僕の歌」と「はんぶん不思議」のカバー４曲を披露。変にアレンジすることなく原曲に忠実に、決して上手くはないが真っ直ぐな歌い方と、良い意味で飾り気のない素直なダンスが相俟って、信じられないほどピュアな魅力を弾けさせる。新しい試みをしている訳でもないのに懐古主義に陥らず、それでいて古き良き時代のアイドルが持っていた清潔感に包まれているのが何とも不思議だ。

■パフォーマンスが多彩な「S☆UTHERN CROSS」

　鹿児島発の「S☆UTHERN CROSS」は2011年結成と長いキャリアを誇る地方アイドル。ノイジーなギターや強靭なリズム隊が唸りまくるヘビメタサウンドに乗せて一糸乱れぬ高速ダンスを繰り出したかと思うと、ガールズロックらしい瑞々しいサウンドに乗せてキュートなダンスも決めて、短い時間で振り幅の広さをアピールした。

■ルックスもパフォーマンスもレベル高「リンクス」

　2011年結成の「リンクス」は幾度かのメンバーチェンジを経て現在の4人組に落ち着いたが、グラビアでも活動する佐藤ありさや、かつてDokiDoki☆ドリームキャンパスに所属していたリーダーの彩川ひなのなど多彩なキャリアを誇るメンバーが揃い、ルックスのレベルも高い。しかし見た目に依拠することなくパフォーマンス力もあり、4人の奏でる美しいハーモニーは一服の清涼剤のよう。ところがロックテイストの色濃い楽曲では可愛らしい顔立ちからは想像もつかない迫力に満ちたダンスを展開。中でもラストで披露したオリコンインディーズ週間ランキング1位を獲得した3rdシングル「イカネバの娘～Love Soldiers～」では、スピーディーなヘビメタサウンドに乗せてバトル風のダンスでスリリングに駆け抜けた。