人気声優は2015年に何を望む？ 「声優アニメディア」に見る“今年の抱負”

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――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

「声優アニメディア」2015年2月号。

■「声優アニメディア」2015年2月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…1月10日（毎月10日発売）
価格……1204円＋税
創刊……2004年

「声優アニメディア」2月号の表紙は、新アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』（以下、アイマスCG）の出演者7名（大橋彩香、原紗友里、大空直美、五十嵐裕美、高森奈津美、大坪由佳、松嵜麗）が登場。

　レッドカーペットの敷かれた屋外階段に腰掛けた7名の女性声優が“eggポーズ（古いかな？）”でニッコリ、というなんとも華やかな表紙。だが、このレッドカーペットに違和感が……。間違ってたら申し訳ないが、このカーペットは合成ですかね？

　巻頭特集も同じく『アイマスCG』の出演者7名だが、リード文によれば「雑誌でこの7名が勢揃いするのは初めて」とのこと。思わず「ほお」と感心してしまったが、よくよく考えると「この7名が勢揃い」と煽る意味がイマイチわからなかった。

　アニメ『アイマスCG』の主要キャラクターは、島村卯月（CV：大橋彩香）、渋谷凛（CV：福原綾香）、本田未央（CV：原紗友里）ら「シンデレラプロジェクト」のメンバー計14名のはず。今回、「声アニ」に登場したのは14名中の7名だが、この7名って何か特別な括りなのだろうか？　記事を読んだり、作品について調べたりしたが、結局わからずじまい……。妙なモヤモヤ感が漂う巻頭特集となった。

　気を取り直して読み進めると、今月は1月売りの新年号とあって「新春晴れ着特集」を展開。水樹奈々、宮野真守、堀江由衣ら総勢10名が晴れ着姿を披露している。着物の撮影は着付けの時間も含めて何かと大変だろう。しかし、そこは「声アニ」である。浴衣特集やサンタ特集など、四季折々のイベントにちなんだグラビア特集を得意とする同誌の本領発揮といったところか。

　さて、今月は「新年の抱負」に触れている記事が多かったので、　本誌で語られた各声優の2015年の抱負を何点か紹介する。

堀江由衣「早寝早起」
雨宮天「不撓不屈」
petit milady（竹達彩奈＆悠木碧）「フランスに行く」

　せっかくだから彼女たちが他誌で語った「2015年の抱負」と比べてみよう。

　まず、「フランスに行く」と他誌でも同じ抱負を挙げたのはpetit milady（竹達彩奈＆悠木碧）のふたり。「声優グランプリ」（学研パブリッシング）2月号でもフランスに行きたいと語っており「この抱負、どこでも言ってる（笑）」とのこと。フランスといえば、マンガやアニメなどを扱う日本文化の博覧会『Japan Expo』が有名。もしかしたら、今年はプチミレがJapan Expoのステージに登場するかもしれない!?

　一方、「早寝早起」を挙げ、他誌と異なる抱負だったのは堀江由衣。「Pick-up Voice」（音楽専科社）2月号で「稼ぐ、嫁ぐ」と語っていたが、雑誌ごとに抱負を変えるのはベテランならではのリップサービスか。

　ちなみに、おもしろかったのは「不撓不屈（ふとうふくつ）」と答えた雨宮天。漢字好きの彼女は「声優グランプリ」で好きな漢字一文字を紹介するコラム『雨宮天の有頂天』を連載中だが、「声グラ」2月号で彼女が選んだ漢字が「撓」だったのだ。同コラムでは特に抱負を語っていないが、取材時期が近かった可能性は高い。「不撓不屈」と「撓」は、どちらかの取材の記憶に引っ張られた末のチョイスだったのだろう。

　ともあれ、それぞれの声優が語った新年の抱負。寿美菜子「爆発」や豊崎愛生「自然体」といった抽象的なものから、花江夏樹「『封淫』（エロを封印し、初心に返って清い心で）」 や南條愛乃「運転免許の取得」のように、かなり具体的な目標を掲げた声優もいるので、本当に抱負通りに2015年を過ごせるのか──そのあたりも楽しみにしながら、今年も彼らの動向をチェックしていきたい。
（文／神楽坂隆）