『hshsさせろ!!』(柚木涼太) ロリコン、男の娘、眼鏡好き、…次々と増殖する変態博覧会マンガ

 柚木涼太氏の4コママンガは、可愛いキャラクター造形と安定したストーリー運びで、いつも安心して読める。そんな柚木氏が「電撃だいおうじ」で連載しているのが、この『hshsさせろ!!』(KADOKAWA)である。そもそもタイトルがパッと見では読めないので、「なんだこれは?」と目を惹くという仕掛けが小粋である。「hshs」で「はすはす」と読ませており、それをさせろってわけだから、タダモノな作品ではない雰囲気が伝わってくる。

 物語の主人公である男子高校生・辻元親は、イケメンの眼鏡男子。しかし、彼はロリコンなのである。どれほどのロリコンかといえば、初対面の理想の幼女に「二ケタになる前に結婚しよう」と言うくらいの重度のロリコン。いやね、ロリコンにも色々あるけれど、コイツはほとんどビョーキです。

 そんな男が出会った理想の幼女。でも、彼女は幼女じゃなかった。クラスメート・田辺結依(密かに元親ラブ)の姉で、元親の先輩にあたる結菜だったのだ。要するに、いわゆる“ロリババア”なのである。とはいえ、重度のロリコンである元親が勘違いするほどの筋金入りのロリババア。幼女の匂いを嗅ぎたい欲求を満たすため「お前で我慢しよう」と結菜に抱きつく元親。うん、イケメンは何をやっても許されるみたい(?)。

 ロリババアの外見と共に、結菜にはもうひとつ人とは違う部分があった。それは、45歳以上の男しか眼中にない“老け専”、さらに“枯れ専”だったのである。ゆえに、元親似の父親にほぼ発情するのだ!

 こんな風に濃すぎるキャラが揃って展開していく本作。キモとして、回を追うごとに、さらにさまざまに性癖をこじらせた新キャラが投入されていく。

 元親の友人・本庄忠臣は、眼鏡が好きすぎる男。眼鏡っ子が好きとかではない、元親の眼鏡が好きというホモ要素も含ませているが、ホントに好きなのは眼鏡のほう。どれくらい眼鏡が好きかといえば、海で溺れる元親を助けるんじゃなくて、眼鏡だけを助けるほど。結依の親友で、ヤンキー娘風な外見の幡羅まいなは、結依が可愛くて仕方ないガチレズ。結菜の数少ない友達・上里美穂子は「いつかケモノと子孫繁栄するのが夢なにょのー」と公言し、猫耳と尻尾をつけて日常を過ごす女の子。その弟のきららは「ボクに惚れない奴がいるなんて狂ってるね」と言う、ナルシスト入っている男の娘なのである。

 いや、この作品は学園モノかと思っていたが、何かの病院、あるいは博物館なのか? ともかく、第一巻でここまで変態が増殖している。

 おそらく作者は、今後もさまざまなタイプの変態やフェチ患者を登場させていくに違いない。第一巻でここまで出し惜しみせずにキャラを出しているのは、まだまだ豊富なアイデアがあるという自信に裏打ちされているからに違いない!

 今後もマジキチなキャラの登場に期待したい。ひとつだけ残念なのは、本のサイズがB6であること。やっぱり4コマはA5が読みやすいと思うんだけど、なぜこうなった?
(文/ビーラー・ホラ)

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