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姫乃たまの耳の痛い話 第19回

ファンから専属カメラマンへ――“オタッフ”の暴走がアイドルに植え付けた“パンチラ流出”の恐怖

2015.01.25

「独占欲なのか、ライブでほかのファンと顔をあわせた日は、特に撮影時の写真をアップすることが多かったです」

 最初は物販の売れ行きを気にした事務所が注意していたものの、撮影してもらえなくなることを恐れて、販売しないオフショットであれば注意しなくなりました。しかし彼女は、ライブがうまくいって帰宅した日の夜も、タイムラインに流れてくる知らない自分の写真を見るたびに暗い気持ちになって、彼への不信感が募っていきます。そんなある日、いよいよ彼とほかのファンがネット上で口論になったのです。

「純粋に応援してくれているファンの人が怒るのは当然だと思いました。でもカメラマンの彼も、まだファンが少ない私には重要なお客さんだったんです」

 恐れていた事態に悩んでるうちに喧嘩はやみ、書き込みを見てみるとふたりは仲良くなってさえいるようでした。

 とにかく平和にアイドル活動ができるならと胸をなでおろしたのも束の間、善良なファンによって衝撃の事実を知ることになります。彼は写真共有サイトで、ファンの人たちとオフショットを共有し始めていたのです。そこにはスタジオの鏡に偶然写りこんだパンチラの写真がありました。80年代のアイドルに憧れ、清純なアイドルになると固く決めていた彼女の目の前は真っ暗になりました。

「教えてくれたファンの人が、本当は怒りたかったんだけど、それで炎上して私の評判が落ちたらって思うと言えなかったって、ごめんねって謝られて」と彼女は泣いていました。

「私がいつか売れてもこの写真が出回る可能性があると思うと、もう希望がなくなってしまって」

 事務所に引き止められることもなくアイドルを辞めた彼女は、地元の成人式で夢の話をする同級生をどんな気持ちで眺めていたんでしょう。あまりに純粋な彼女の芽が摘まれてしまったことに胸を痛めながら、私は自分の写真を思い出して、アイドルを自称していることを反省せざるをえませんでした。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれ。エロ本育ちの地下アイドル、ライター。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで開始した地下アイドルを経て、ライター業を開始。アイドルとアダルトを中心に、幅広い分野を手掛ける。以降、地下アイドルとしてのライブ活動を中心に、文章を書きながら、モデル、DJ、司会などを30点くらいでこなす。ゆるく、ながく、推されることを望んでいる。

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