――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛〜い”業界事情をレポートします。
純粋なドルオタが説教厨に進化してしまうのを「Bボタン」連打でなんとか止めたい、ポケモン世代の姫乃たまです。
アイドルがすぐ辞めていってしまうように、ファンもいつまでも純粋なファンではいられないようです。時に、“オタッフ”や“半ヲタ関係者”などと呼ばれるスタッフさんは多く存在します。ファン心理をよく理解しているために、円滑な運営ができる人も多い一方で、ファンから反感をかうなど、トラブルに陥りやすい立場でもあります。
私のようにフリーランスで活動していると付き合いが難しいのですが、本当に危険なのは、事務所に所属して安心している隙だらけのアイドルを彼らに任せてしまうパターンです。成人式を目前にしてアイドルを辞めてしまった彼女も、そんな環境でトラブルに巻き込まれてしまったひとりでした。
現在、大学2年生の彼女は、アイドルになるため、高校卒業を機に故郷を離れて「チャンスの多い東京」へ。所属する事務所も決まっていたので、両親も安心しており、彼女もまだ見ぬアイドルとしての仕事の数々に胸を躍らせていました。
上京して新居の荷物も片付いた2週間後、彼女は早くもライブハウスのステージに立っていました。80年代アイドルの曲を1曲カバーするだけでしたが、「夢のような時間」でした。まだ物販はありませんでしたが、少しでも多くの人からライブの感想を聞きたくて何もないテーブルの前に立っていると、あるお客さんが息を切らしてやってきました。その彼が持っていたのは、コンビニでプリントした、彼女のライブ写真だったのです。
「歌ってるところを写真に撮られるなんて、本当のアイドルみたいで嬉しかった」
彼女はすぐに、その写真をケータイで撮影して両親に送りました。両親もまた、順調そうな彼女の様子を喜んでいたと言います。その後も、写真の彼は熱心にライブに通いつめてくれましたが、事務所が彼に撮影を依頼したことで、彼女がアイドルを引退するまでの日数は急速に短くなりました。
駆け出しの彼女のためにCDやDVDを制作する予算をかけられなかった事務所は、あまりコストのかからない生写真を撮影して、物販で販売することにしました。とことん費用を下げるために事務所が依頼したのが、最初のライブで写真を持ってきたあの男性だったのです。
「いま思えばダメなことなんですけど、いままで写真を撮る人ってあまり見たことなかったから、すごい人なのかなって思っちゃったんです」
ライブでしか見たことのない彼女を撮影できるというだけで、彼はふたつ返事で無給の依頼を引き受けました。
しかし何度か撮影を重ねると、彼はSNSで周囲のファンに撮影のことをほのめかすようになり、写真を勝手にアップロードするなど、次第に行為はエスカレートしていったのです。
ファンから専属カメラマンへ――“オタッフ”の暴走がアイドルに植え付けた“パンチラ流出”の恐怖のページです。おたぽるは、人気連載、アイドル、アイドル&声優、地下アイドル、姫乃たま、姫乃たまの耳の痛い話、パンチラの最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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