すでに観客の3割が外国人!? 海外進出も果たした「2.5次元ミュージカル」の“これまで”と”これから”

 人気マンガやアニメがミュージカルで再現されるという“2.5次元化”が、近年盛り上がりを見せています。1月6日に放送された経済番組『報道ライブ21 INsideOUT』(BS11)では、「一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会」代表理事で、株式会社ネルケプランニング代表取締役の松田誠氏と「ぴあ総研」の笹井裕子氏がゲスト出演し、「2.5次元ミュージカル」の現状と課題について語っていました。お二人の話から、「2.5次元ミュージカル」の“これまで”と“これから”が見えてきたので、ご紹介しましょう。

 そもそも「2.5次元ミュージカル」というのは、言葉自体は新しいものの、日本では宝塚歌劇団が1974年から上演している『ベルサイユのばら』をはじめ、1991年にSMAPが演じた『聖闘士星矢』など、約40年前から存在しているジャンルです。その中で2003年から今に至るまで上演されている“テニミュ”ことミュージカル『テニスの王子様』が大ヒットを収めると、それに続く形で『BLEACH』『黒執事』『弱虫ペダル』などといった作品が2.5次元化。今年も『NARUTO-ナルト-』『DEATH NOTE』といった人気作品が上演される予定です。

「2.5次元ミュージカル」人気の火付け役となったテニミュは、昨年末までに累計190万人の観客動員を記録。昨年11月に行なわれた神戸ワールド記念ホール、さいたまスーパーアリーナでのコンサートも成功を収めています。2.5次元ミュージカル全体でも観客総動員数は右肩上がりで増えており、2010年には40万人だったのが、2013年に160万人という数字を記録(日本2.5次元ミュージカル協会のパンフレットより)。この数字は今後さらに増えると、松田氏は言います。

 このヒットの理由について、笹井氏は「ほかの舞台と比べて若いお客さんが多い。普段演劇やミュージカルを観ないが、マンガやアニメが好きで、テニミュなどで舞台を初めて見たという人も多い」と分析します。若い層にとってミュージカルだと敷居が高く感じる一方、好きなマンガの舞台化なら行きやすいという心理もあるのかもしれません。

 このように拡大を続ける「2.5次元ミュージカル」は、今後どうなっていくのか? 番組によると、「2.5次元ミュージカル」は現在、積極的に海外公演を行っているとのこと。昨年パリで開催されたジャパンエキスポでは、『美少女戦士セーラームーン』がパフォーマンスを披露して盛況を博し、今月16~18日には上海での公演も行われる予定。『DEATH NOTE』や『NARUTO-ナルト-』、テニミュも、海外公演が控えています。今後は、海外でも「2.5次元ミュージカル」が盛り上がりを見せそうです。

 松田氏曰く、国内で上演されている『美少女戦士セーラームーン』といった人気作品のミュージカルでは、すでに観客全体の2~3割は海外からのお客さんだそう。こうした流れを受け、2015年3月に2.5次元ミュージカル専用劇場としてオープンする予定『アイアシアタートーキョー』(東京・渋谷)では、海外の観客に向け、選んだ言語の字幕が表示されるゴーグルも用意しているとか。

 国外に市場を創出しながら、ますます過熱しそうな「2.5次元ミュージカル」の盛り上がり。今後の動向からも目が離せません。

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