──飛行機マニアとひと口に言えど、その楽しみ方は実にさまざま。機体に乗ることを楽しむファンもいれば、各パイロットのファンにグッズ収集マニア、エンジン音マニアなど、幅広い。そこで、ここでは最も身近な“飛行機写真”の世界を覗いていただこう……。
#ヒコーキ撮影中級テク~流し撮り~その他編
流し撮りテクニックの最後は、そのほかもろもろについてご説明したいと思います。
まずは三脚についてですが、☆は可能であれば使用しています。特に使用したいのが、重たいレンズを使用する際や夜間の撮影時。三脚があれば、あまり重さを気にせずに、ピント合わせや機体を追うことに集中できるからです。
また、ランウェイライトなど、流れる背景をビシッと真っ直ぐに流せる確率が上がるというのもメリット。手持ち撮影でスローシャッターを切ると、機体は止まっていても、背景の灯火類がカールのかかったお毛毛みたいになっていることが多くなってしまうからです。
雲台は上下左右斜め、すべての方向に動くよう、フリー状態にして使用します。こうすることによって、スピードの出ている離着陸時の姿勢変化やスピードの変化に素早く対応できるようにしているんです。一脚はどうか? と質問をいただくことがありますが、☆はあまり使用しません。ヒコーキ撮影においては左右に長く追いかけることが多く、身体の動きに対して軸を保ちづらいというのが理由です。もちろん、スペース的な制約や三脚を組んでいる時間が無い場合などは手持ち撮影をします。その際は脇をしっかりと締め、流す方向以外にカメラが動かないよう、筋肉スタビライザー(KS)(註1)を効かせます。
最後に、個人的に流し撮りにおいて最も重要だと思うのが、身体の使い方です。流し撮りは、背景選びなど、センス云々という部分もありますが、基本的には体育会系の撮り方となります。離陸シーンを滑走開始から浮き上がるまで撮る場合などは、120~150度もカメラを振ることになりますので、腰のスムーズな回転や軽やかな足のステップなどが重要なんです。
撮影しながらも一瞬どこかで足を動かす時間を設け、離陸するために機体がアタマを目一杯上げた瞬間や、着陸のタッチダウンの瞬間などを自分が撮りやすい体勢で撮れるようにしています。☆もヒコーキ写真を撮り始めた頃、身体を動かす時間を設けずにず~っと機体を追いかけ撮影していたのですが、そうすると、最後のほうでスゴイことになるんです。離陸シーンなのに30度近い傾斜を直滑降で下るヒコーキの写真を量産したり、終いにはひとり大外刈りを披露しそうになっていました。
流し撮りにおいてはたくさんの実践を重ね、自分なりの歩留まりの良い身体の使い方を知るのが近道。「習うより慣れろ」という言葉が最もしっくりくる撮影技法のひとつと言えるかもしれません。
(註1)スタビライザー:カメラを安定させて左右に動かすための装置のこと。
●A☆50/Akira Igarashi
フリーフォトグラファー兼グラフィックデザイナー。イカロス出版の発行する「月刊AIRLINE」「航空旅行」などで航空写真の連載記事制作などをおこなうほか、カレンダー撮影、航空会社の広告撮影などを担当。仕事でもプライベートでも飛行機撮影を行う生粋の飛行機好き。写真家として活動するだけでなく、DTP/WEBデザイナーやライターとしても活躍中! ガンダ◯好きだがニュータイプにはほど遠い。
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腰のスムーズな回転に軽やかな足のステップ……流し撮りに必要な“体の使い方”とは?のページです。おたぽるは、人気連載、飛行機、その他、連載、Akira Igarashi、A☆50、飛撮仕事人の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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