TrySail(雨宮天、麻倉もも、夏川椎菜)推しの「声優グランプリ」

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――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

「声優グランプリ」2015年1月号。

■「声優グランプリ」2015年1月号
出版社…主婦の友インフォス情報社
発売日…12月10日（毎月10日発売）
価格……1167円＋税
創刊……1994年

　先月号の「創刊20周年＆通巻200号」で大きな話題を呼んだ「声優グランプリ」。21年目の新たなスタートを切った今月号は、若手注目株の雨宮天を表紙＆巻頭特集に迎えている。

　誌面に触れる前に少し気になったのは、表紙雑誌名の配色。今号の雑誌名の文字は「ブルー・ピンク・イエロー」で構成されているが……これはもしや、12月21日にユニット結成を発表した「TrySail」メンバー3人のイメージカラーではないだろうか？（雨宮天＝ブルー、麻倉もも＝ピンク、夏川椎菜＝イエロー）

　これまで雨宮ら3人揃っての扱いは、どちらかと言えばライバル誌「声優アニメディア」に分があったように思える。しかし、この配色からは「これからは『声グラ』もTrySailをガンガン扱っていくよ！」という、ユニット結成の祝福と応援の意味が込められたメッセージなのでは？　そうだとしたら、さすがは老舗。なんとも粋な計らいである。

　さて、そんな予想を裏付けるかのように、今月号からTrySailのメンバー・夏川椎菜の新連載が始まった。コーナー名は彼女の愛称「ナンス」から「夏川椎菜のこれって挑戦ナンスか!?」。毎月、彼女が気になることに挑戦していくという企画で、記念すべき第1回は「セーラー服を着て自転車に乗ってみたい」である。

　現在高校3年生の夏川がセーラー服姿（しかも白のハイソックス！）で河原を疾走したり、しゃがみ込んでタンポポの綿毛を吹いてみたり、なんとも昭和の女子高生っぽい雰囲気だが、それが不思議とマッチしているのも現役女子高生の夏川ならでは。

　一度でいいからセーラー服を着てみたかったという夏川だが、セーラー服を着た感想として「女学生感が増す」というコメントが面白かった。「女学生」って最近では聞かない響きですが、夏川自身としてもセーラー服に時代観を感じているのだろうか。近年の制服事情などわかりませんが、もしかしてマンガやアニメでは未だ定番のセーラー服も、最近は減少傾向にあるのかもしれない!?

　そして「昭和」つながりで紹介したいのは上坂すみれのグラビアページ。12月10日にカバーアルバム『上坂すみれ presents 80年代アイドル歌謡決定盤』をリリースした彼女が、ディスクユニオン昭和歌謡館でグラビア撮影を行ったのだが、普段とは大きく異なる彼女の姿は必見。

　上坂と言えばゴシック系ファッションのイメージが強いが、今回は企画に合わせて「昭和のアイドル」に大変身。白のブラウスに赤いチェックスカートという衣装もさることながら、特筆すべきは髪型だ。普段は眉毛が隠れるほどの前髪がトレードマークだが、この日は前髪の量を減らし、さらに高い位置で結ったポニーテールという格好。

　扉ページの「上坂すみれ」の文字がなければ誰か分からないほどの変身ぶりに、思わず同誌の人気企画「へあちぇん！」かと見紛うほど。また、インタビューで語った平成女子としての昭和歌謡観も興味深い。当時のヒットチャートを知らないからこそ、アルバム収録曲には純粋に好きな曲を選出。当時を知る世代からは「まさか、この曲を選ぶとは!?」という意見もあり、「大いに楽しみ」とのことなので、気になる昭和世代の方は、収録曲と同誌の記事を読んでみるといいだろう。
（文／神楽坂隆）