ホームレスと酒盛り、浮気をギャグにする妻!? 生誕80周年を迎えた赤塚不二夫の破天荒な逸話

150106_akatsuka.jpg赤塚不二夫公認サイト『これでいいのだ!』より。

 これまで『おそ松くん』や『天才バカボン』『ひみつのアッコちゃん』といった大ヒット作をいくつも生み出してきたギャグマンガ家・赤塚不二夫。2008年に亡くなったときには全国ニュースでさまざまな特集が組まれ、葬式で“愛弟子”と知られるタレントのタモリが読んだ「私もあなたの数多くの作品のひとつです」という弔辞も話題になりました。

 そんな赤塚不二夫は、今年で生誕80周年を迎えます。それを祝して、赤塚不二夫公認サイト『これでいいのだ!』では特設ページが設けられ、またFROGMANが監督・脚本を務める『天才バカボン』初の長編映画『天才バカヴォン~蘇るフランダースの犬~』の公開が5月に控えているなど、ふたたび赤塚作品が注目を浴びようとしています。

 そのような中で今回は、偉人を紹介するバラエティ番組『鶴瓶の!型破り偉人伝』(12月26日放送・TBS)から、赤塚不二夫の人柄にまつわるさまざまなエピソードを紹介。

■タモリの“白紙弔辞”は赤塚不二夫お気に入りのアドリブ劇だった
 赤塚がタモリを気に入っていたというのは有名な話で、赤塚と交流があったジャズピアニストの山下洋輔曰く、赤塚はタモリにマンションとお小遣いを与えていたといいます。その一方、赤塚は自分の事務所にみかん箱を重ねて作ったベッドで寝ていたそう。また、2人が対談をした際、赤塚が「お前は一回も礼を言わないね」と言うと、タモリは「あんたがオレの才能に惚れ込んだんだからお礼は言わない」と返したというエピソードも紹介されました。そして、このやり取りが赤塚への弔辞でタモリがお礼を言うという話に繋がったといいます。また、この時にタモリが行なった“白紙の弔辞”は、赤塚が大好きなタモリのアドリブ芝居のひとつで、生前に葬式のコントを遊びでやっていたと番組に出演した歌手の研ナオコらが証言しました。

■面白くなるためなら誰の手も借りる
 赤塚はマンガ制作に合議制と分業制を取り入れていたと、35年赤塚に連れ添った「週刊少年サンデー」(小学館)の元編集・武居俊樹が明かしました。赤塚は、当時新人だった武居の意見も積極的に取り入れるなど、マンガが面白くなるのだったら、誰が関わろうが平気というスタンスだったそう。また、アシスタントも務めていた最初の妻・登茂子に「あなたの絵は古い」と言われたときには、マンガ家の高井研一郎を頼り、彼と協力して『おそ松くん』のキャラを作り出しました。同作に登場する多くのキャラクターは、赤塚がそのキャラの特徴を伝え、高井がそのイメージを描き起こしたものだといいます。イヤミ、デカパン、ダヨーン、チビ太、ハタ坊といったキャラクターたちはそうやって生まれたのです。

■日本を風靡した「シェー」の誕生秘話
 1960年代に日本を席巻したイヤミのギャグ「シェー」は、赤塚と高井が「イヤミは驚いたとき、どういうポーズをするか」と、体を使っていろいろ試していたときに、赤塚が勢いよく「シェー」のポーズをやったら靴下がびろびろっと脱げたのが面白かったことから生まれました。これは赤塚の娘・赤塚りえ子さんが証言したもので、普通の人が見て本当に面白いのかを検証するために、東京・新宿御苑前で実際に「シェー」をやり、通行人が笑ったので採用されたといいます。
 
■画期的な見開きはスキー旅行に行くために生まれた!?
『天才バカボン』で、バカボンのパパとバカボンの顔のアップが見開きで掲載された実験的な作品については、「事務所のみんなでスキーツアーに行くために早く描けるようするためだった」という当時のアシスタントの証言を、マンガ家のしりあがり寿が明かしました。

■タモリだけでなく、ホームレスとも意気投合
 番組では赤塚の“酒”にまつわる逸話も紹介されました。赤塚が新宿のホームレスの酒盛りに参加して意気投合し、その後ホームレスが赤塚の家に毎晩仲間を連れてきて酒盛りが続けられたという話がりえ子さんから明かされ、また番組MCの笑福亭鶴瓶は、上京したての頃、道路の植え込みで酔っ払って寝ている赤塚を見たといいます。

■浮気すら笑いに!?
 赤塚は2度の結婚を経ていますが、2人目の妻・眞知子さんとの結婚は前妻である登茂子さんが「赤塚には眞知子さんが必要」と薦め、しかも婚約の保証人にもなりました。しかし、再婚後、眞知子さんからビーフシチューが入った鍋を持たされた知り合いの女性を送って行くと言いながら、赤塚はその女性とラブホテルに行ってしまったそう。おまけにホテル代を払ったのは眞知子さんだったりしますが、浮気の事実を怒るのではなく、「鍋を持ったままホテルにいかないでよ」と、浮気すらも笑いにしていたそう。

――不世出のギャグマンガ家、赤塚不二夫。このような破天荒なエピソードを知ってから、赤塚作品を読むと、一層楽しめるかもしれません。生誕80周年という今、一読してみてはいかがでしょうか。

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