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姫乃たまの耳の痛い話 第18回

「ジャニオタ専用の裏アカのほうが楽しそうだった」ロリオタが怒りに震えたJCアイドルの素顔

2014.12.31

 まず、アイドルのフォロワーのプロフィールを数千人分チェックします。その中から、在学中の学校名を記載しているアカウントに目星をつけます。

「なぜか中学生って、プロフィールに学校名を書きたがるんですよね。同級生がアイドルやってるって知ったら気になるだろうし、フォロワーに同じ学校の子が複数いたら、推しのクラスメートだと思って間違いないです」

 今度は、ツイッターで彼女が在学していると思われる学校名を検索し、検索結果から鍵がついているものを探します。

「裏アカはアイドルの秘密なので、鍵がかかっています」

 その中から、推しの名前や誕生日などの情報を頼りにアカウントを特定するそうです。

「特定しても鍵がかかっていては中を見ることができないので、女子中学生が好きそうな内容のbotを作成して潜り込みます」

 こうして彼がたどり着いたのは、清楚な彼女のイメージ通り、口汚くない、ファンの悪口もアイドル業への不満もない、ただただ若いジャニーズメンバーに対する愛だけが短文で綴られている「ジャニオタ専用裏アカ」だったのです。彼女は裏アカの中で、ステージ上で見せる完璧な笑顔を上回るほど楽しそうでした。彼は泣きながら、文化祭の写真や、見たことがない素の彼女の写真をパソコンに保存しまくりました。

 当時を思い出して、彼は「彼女はジャニーズメンバーの著作権に気を遣い、ほかのファンに対し、『鍵アカだからって写真を無断であげちゃいけない』って注意していました。ファンとしての意識が高く、ネットリテラシーのしっかりした子だったんですよね」と、褒めたいのか罵りたいのかわからない複雑な表情をしていました。

「もし、彼女が最初からジャニーズのファンであることを公表していたら、変わらず応援しましたか?」という問いに、彼はぎょっとした表情で「いや、まあ、そうですね。応援していたと思いますけどね」と答えてくれました。きょろきょろ動き回る黒目に、隠されていたことが許せないと言いつつ、若い男を追いかける行為自体が本当は許されないものなんだろうなあと実感しました。

 そんな私に追い打ちをかけるように、彼は「一生、ジャニオタの烙印は消えない」と吐き捨てました。ただし、どんなアイドルでも中学を卒業すると興味を失ってしまうそうで、当時の怒りはあれど、悲しみはもうないそうです。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれ。エロ本育ちの地下アイドル、ライター。アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。16才よりフリーランスで開始した地下アイドルを経て、ライター業を開始。アイドルとアダルトを中心に、幅広い分野を手掛ける。以降、地下アイドルとしてのライブ活動を中心に、文章を書きながら、モデル、DJ、司会などを30点くらいでこなす。ゆるく、ながく、推されることを望んでいる。

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