2014年の締めくくりはユニコーンの冬の名曲！アイドルネッサンス定期公演千秋楽＆『ハコから生まれたライバルネッサンス‼』ライブレポ

編集部

2014.12.30

　そして秋から現在にかけての選曲は、神様と男女の関係を見せる振り付けが新しい『Lucky』（スーパーカー）、そして人気曲を新アレンジと10代の爽やかさで彩って新鮮に響かせた『あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう』（岡村靖幸）。まさにここまでは「アイドルネッサンス・ザ・ベスト」というべき選曲。

　佳奈ちゃんが『Lucky』、今宵ちゃんが『あの娘～』の曲感想を語ったところで、「そして次は2014年最後の新曲です！」との紹介が入り、客席は一斉に湧き上がる。流れだした暖かくもリリカルな前奏は……ユニコーンの『雪が降る街』だ。92年に発表された「年末ソング」。今年も残すところ3日という日に、これ以上ふさわしい曲はない。定期公演では毎回発表される新曲を予想して臨むファンも多いが、今回は「最後は『雪の降る街』では？」と予想していたファンも多かったよう。裏切る選曲も魅力的だけれど、年末くらいは予想どおりの喜びもいい。

　そして2014年最後の曲はもちろん彼女たちのファーストシングル『17才』。「この半年、いろんなところで歌ってきた」というこの曲、もはやメンバーにとっては歌も踊りも身体にしみついている。それだけに、以前に比べると、どんなところでも自信を持って歌える“強さ”“逞しさ”が曲に備わった。そこに彼女たちの気持ちが乗った時、さらにパフォーマンスは輝きを見せる。いうまでもなく、今年最後の『17才』は指先まで気迫に満ちた渾身のステージだった。

　残念ながら公演開始時に目標としていた「チケット完売」まではあと一歩届かなかったこの日。しかしメンバーは「夏の公演では一番最初のお客さんは64人でした。それがみなさん月曜というのにこんなに来てくださってびっくりしてます。アイドルネッサンスはどんどん飛躍していきます！」と誓うと、2014年最終公演は幕を閉じた……かと思いきや、すぐさまアンコールの嵐。それも観客席は一面の青と白、ファン有志が会場中に配った2本のサイリウムで輝いている。その光景を見て「すごい！（サイリウム2本が）ピースサインみたいになってる！」とはしゃぐメンバーたち。そんなすっかり上がりきった気分で締める曲といえば、『どかーん』（真心ブラザーズ）だ！　古宵ちゃんの号令に合わせて、会場全員で親指を突き上げての「どっかーん!!」で、千秋楽公演は幕を閉じました。

　最初に流れたオーディション映像での新井乃亜の「自分の可能性がわからない」という言葉。もともとアイドルネッサンスはアイドル志望者を集めたグループではなく、俳優やソロアーティスト・タレントを夢見るオーディションで集まったメンバーから候補生を集めたグループだ。そんな子たちがアイドルという世界に飛び込み、可能性を掴み、何者かになっていく。その姿を応援したくなる、というのは多かれ少なかれアイドルとファンの関係として真っ当なものなのだろう。アイドル本人には何も見えてなくても、周りから見ればその姿は可能性の輝きに満ちている。

　生誕祭から明るさを増し、昼の司会も声の通りよく似合っていた橋本佳奈。強めのMCはもはや名物の宮本茉凜。ステージでグイグイ迫る切り込み隊長の百岡古宵。グループの成功が自らの自信に変わり始めた歌姫・石野理子。ファンに対して真摯で、千秋楽はダンスも大きく印象強かった南端まいな。笑顔とダンスに加え“ダジャレ”という武器を身につけた比嘉奈菜子。メンバーのキャラを捉えた「妄想デートムービー」で監督賞も受賞とそのセンスを期待したい新井乃亜。それぞれの芽は確かに土から逞しく突き出している。

　まだアイドルネッサンスの歴史は半年強。可能性に満ちた純白の制服の7人がこれからどんな道を歩み、何者になるのか。ただ間違いなく言えるのは、今アイドルネッサンスという可能性が照らす未来には明るさしか感じない、ということだ。
（文／大坪ケムタ）

★次回アイドルネッサンスレギュラー公演
「アキバで高まるネッサンス！！vol.1」
日時：2015年01月12日（月）
開場：17：00／開演：17：30
会場：東京都 AKIBAカルチャーズ劇場
前売り 2000円（＋1ドリンク500円）　
当日券 2500円（＋1ドリンク500円）
お問い合わせ：http://akibalive.jp