「待たせたな！」活動休止を経て、ライムベリー1年4カ月ぶりのワンマンライブに熱くなった夜

編集部

2014.12.25

「今日は長丁場なので声低めでいきます！」と始まったばかりのパーティの期待感を膨らますMCでは、「前のグループのころはメンバー4人、お客さんも4人なんて悲惨な時もあったんです。こんなに広いところで出来るなんて……」と感慨深げに語る3人。そこから「この季節にぴったりの曲です」との曲紹介で始まったのが『ウインタージャム』。続けて『Bright Light』『世界中にアイラブユー』『フロム東京』と、ブッ飛ばした序盤から激しさは抑えつつも熱は冷まさない。それも特にMC2人のラップスキルあればこそだ。

　そこからMCを挟んで3人のソロ曲コーナー。DJ HIKARUの『Ich liebe dich（HIKARU MIX）』、MC HIMEの『クオリア』に続いて、初披露となったのがMC MIRI初のソロ曲『サンライト』。Fatboy Slim『Praise you』を思わせるピアノループとTB303の音色が印象的なトラックに彼女のラップが刻まれるナンバーだ。披露後のMCでは、昼のリハーサルでは初披露の緊張か「できない！　もう今日歌うの止める！」とまで言っていたそう。しかし無事歌い終えると、「乗りきったかな」と照れ笑い。その後は3人揃っての『きみとぼく』。ほかの曲とは違い、MC2人はダンス、DJ HIKARUがボーカル中心のこの曲。復活後、ボーカルやラップパートも増えてより輝きを増したHIKARUの声とトランシーなトラックが場内の空気を心地よく溶かしていく。

　そしてライブも終盤、最新シングルの初回限定版のみ収められた『プレイグラウンド#1』ではMC2人が高速ラップをしっかり決めて、もはやひと昔前の「アイドルラップ」という言葉に陰に込められていた「拙さ」はまったく感じさせない。そんなスキルに加えて、盛り上げ方も一流の彼女たち。新曲『LET IT GO』では「MIRIちゃーん」「HIMEちゃーん」「HIKARUはDJ」「Here we go！」とChemical Brothers『Hey Boy,Hey Girl』譲りのフレーズもあり、今回初披露ながら「Here we go！」でフロア中が拳を高く突き上げる。

　そこからは、畳み込むようにおなじみのアッパーチューンを連発。『まず太鼓』ではサークルモッシュを発生させたり、『アンサーアンサー』ではサインボールを客席に投げ始めたりと、ステージもフロアも全身でパーティな空気を濃縮していく。サインボールを客席に投げ込んでいる際、MC MIRIがうっかりマイクまで客席に投げこんでしまったのはご愛嬌。

　そして最後の曲は、今ライブのタイトルでもある『MAGIC PARTY』。ラップらしいステージとのコール＆レスポンスも盛り上がるけれど、もっとストレートな「今日のMAGIC PARTY楽しかった人ー？　ライムベリー大好きな人ー？」に一番の歓声で応える笑顔のフロア。そして後半の『君の瞳に恋してる』をサンプリングしたパートでは、「にゃーにゃっにゃーにゃっ」の声に合わせてフロアは一糸乱れぬ美しさで手を左右に振る。復帰以降、パフォーマンスもタフになり、楽曲的に可愛さよりも力強さの印象が増したライムベリーだが、やはりこのステージとフロアが一体化したきらめいたパーティ感こそが真骨頂。

　ライブ本編は終了するも、すぐさまフロアから沸き起こる「ライムベリー」コールに応えて3人が登場。ただ、ここからのアンコールこそがこの日の“本編”だった。