公開前に制作費をほぼ回収!?　アニメ『サンタ・カンパニー』のクラウドファンディング活用法

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『サンタ・カンパニー』公式サイトより。

　そして、2012年に小説『サンタ・カンパニー プレゼント大作戦！』（ポプラ社）を出版。キャンペーンを張るための活動も、自身で行った。冬になったら売り上げが落ちる商品を考え、アイスクリームのチェーン店であるコールド・ストーン・クリーマリーとのタイアップに成功。このほかサンタクロースの本場・フィンランドの日本大使館に営業し、Twitterのキャラクター・フィンたんを描くなどもした。「小説を1000冊単位で売れないか？」と考え、日本医師会で「クリスマスにサンタさんになって、入院してる子供たちにプレゼントを届けませんか？」とプレゼンしたところ、同会が小説を買ってくれたという。

　それでもお金がないことには変わりがないので、作品の認知度は大きく広げられない。そこで、「Kickstarter」でアニメ制作の支援額調達に加え、「実践型教育カリキュラム」というのを別に編み出した。「実践型教育カリキュラム」とは、作品の全著作権が自分にあることを利用して、『サンタ・カンパニー』の素材をアニメ教材化すること。この「アニメ制作の教科書・資料集プロジェクト」の狙いは当たり、『サンタ・カンパニー』は東京都の助成金の対象として、経費の半分が都から下りることになった。出来上がった教材についても、「Kickstarter」を活用する一方、専門学校や美術学校への営業や出前授業でのセット販売も好評で、公開前に制作費のほとんどを回収するまでになった。

　なお、今回の「Kickstarter」の事例についてはAWESOME JAPANの代表取締役・金野太一さんが説明していた。本作は長編として企画していたものであり、ここはやはり続編にも期待したいところである。
（取材・文／真狩祐志）

■『サンタ・カンパニー』
http://www.santa-company.net/
■CGWORLD2014 クリエイティブカンファレンス
http://cgw.borndigital.jp/2014/

 
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