新感覚の関係性で見せる『パーソン・オブ・インタレスト』の肉体派×頭脳派“バディ”がBL的にエロすぎる！

──アニメ見ても、少年マンガを読んでも、海外ドラマを見ても！ 「もう世の中全部がBLにしか見えない」腐女子ライターによる、腐女子のための、コンテンツの“愛し方”。　

　本国アメリカでは2011年に放送をスタートさせた海外ドラマ『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』。日本で2012年より放送され、現在、テレビではシーズン2、DVDはシーズン3までリリースされている。

　今回は、そんな『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』を紹介したいと思います。

　物語は、ニューヨーク在住の謎の億万長者・ハロルド・フィンチが元CIAの工作員ジョン・リースに仕事を持ちかけるところから始まります。フィンチは、国内のあらゆる監視装置から収集した情報を分析し、テロを予測する政府の監視システム「マシン」を構築した天才エンジニア。しかしマシンはテロだけでなく、一般におこる凶悪犯罪も予測するにも関わらず、政府は無用の情報と切り捨てる。そこで、フィンチがリースとともに、政府が切り捨てた犯罪を防ごうと奮闘する……というのがあらすじです。

【狂犬（肉体派）×マスター（頭脳派）のハイエンドモデル】

　腐女子の大好物に「バディもの」というジャンルがあります。なかでも、「肉体派&頭脳派」のコンビは特に人気です。

　もちろん、本作品も肉体派（リース）と頭脳派（フィンチ）の黄金コンビ。しかも、リースは敵陣に突入したら、次のシーンでは敵が窓ガラスを突き破ってふっとんでいるという圧倒的スペックをもつ肉体派です。けれど決して脳筋というわけではなく、工作員らしく、頭も並以上にキレます。肉体派にありがちな明るいキャラでもなく、憂い顔でスーツを着用。肉体派でこのキャラクターってグッときませんか？　私は「新しい……！」とかなりグッときました。

　対するフィンチは王道の頭脳派。スーツにメガネ、お堅い口調、そして小柄な体躯。けれど面白いのが、通常、肉体派&頭脳派コンビは、肉体派のほうが情に厚く倫理観を備えている場合が多いのに（『SHERLOCK』など）、このコンビはフィンチのほうが常識人なところ。元CIAのリースは躊躇なく銃をぶっ放し、人を殴る。それを「やめたまえ、リースくん」といさめるフィンチ。リースのほうが肉体的には強いはずなのに、主はフィンチ……！　この、「強いほうが従う主従関係」って、倒錯的で超萌えるんです。なんかエロい。きっとベッドの上でも「誰がさわっていいと言ったのかね、リースくん」とか命令してんでしょ!?　そんでリースはムキムキの体を持て余しておあずけ食らってるんでしょ!?　と、ついつい暴走してしまいます。

【あけっぴろげよりもエロい「禁欲」な関係】

　主従関係もあるけど、コンビで妄想するときは「禁欲」がキーワードとなるんです。

　2人ともスーツを着用、互いにラストネーム呼び、プライベートは共有しない……などなど、シーズン3になっても他人行儀（今、シーズン3の途中まで視聴しています）。

　これがねぇ……普通にいちゃいちゃしてるよりも断然エロいんですよ。他人行儀なのに、たまに嫉妬とか覗かせるのがまた絶妙。フィンチは天才だけど圧倒的に非力で、よく拉致されるんです。そんなとき、リースがフィンチに「俺以外からの電話はとるな。（敵名）は近寄らせない」と険しい顔してフィンチに告げるんですよ。

　え、なにそれ嫉妬!?

　そしてフィンチの身を案じて、リースはこっそりとフィンチに発信器をしかけてるんです。

　え、なにそれ浮気防止のため!?　

「もう！本当にご主人様のこと好きなんだから！」とこっちが恥ずかしくなるくらい独占欲をにじませるリース。普段は他人行儀なのにですよ!?（←ここ超重要）　あ〜もうヤンデレかよ！　狂犬め！

　そしてフィンチは、そんなリースの気持ちに気づかず、拉致されたり、潜入に失敗して敵に薬を仕込まれたり、圧倒的ヒロイン力を発揮するわけです。またそんな非力なところがリースの庇護欲を刺激しちゃうんじゃないかなぁ！

　一番萌える妄想は、リースがフィンチに片思いしてて、うたた寝してるフィンチの唇にキスしようとするんだけど、ためらって切なそうな顔をしながら指で唇をそっとなでるだけ……っていう。この妄想、ご理解いただけますでしょうか？　これぞ禁欲！的な妄想がめっちゃ湧いてくるんです。

　もうイチャイチャしたり、ただエロいだけのBLに飽きたみなさん！　『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』を見ましょう！　スーツ男子2人の禁欲的な妄想をしましょう。そして冬コミに、突発のコピ本でも出せばいいんじゃない……かな？　いや、それが無理なら、pixivにイラストやマンガ、小説を投稿したらいいんじゃない……かな？　
みなさんに『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』に興味を持ってもらって、このジャンルが栄えることを願いつつ、この原稿を書きました。

　後生ですから……！
（にほちん）