竹達彩奈や花澤香菜など…渋谷系、オルタナロック系アーティストが声優ソングを作るワケ

2014.12.14

 12月24日に7thシングル「こきゅうとす」をリリースする声優の花澤香菜。このシングルは、相対性理論で知られる音楽家・やくしまるえつこがトータルプロデュースを手掛けたことでも話題になっている。過去にも花澤の楽曲には、アニメ『それでも町は廻っている』や『トップをねらえ2!』などでもお馴染みのROUND TABLEの北川勝利や、カジヒデキといったアーティストが楽曲制作に参加しているが、このように音楽界の大物たちが声優の曲作りにかかわるのには、理由があるという。

 それを明かしたのは、多くのアニメラジオ番組に出演し、声優イベントのMCも務めるニッポン放送の吉田尚記アナウンサー。4日に出演した『アフロの変』(フジテレビ)で最近の声優の楽曲事情について語った。

 声優は“声だけでなく容姿も大事”と言われた時代を経て、現状ルックスの良い声優が多い。そんな今だからこそ、“良い楽曲を歌うことが大切”と熱弁をふるう吉田アナウンサー。

 そして、今の声優業界は声優があらゆるアーティストたちとコラボしている奇跡的な状況だというのだ。その一例として吉田アナウンサーが取り上げたのは、声優の竹達彩奈。竹達の「齧りかけの林檎」は作曲家・筒美京平が作曲し、「クレンジングラブ」はSMAPにも楽曲提供をしている赤い公園の津野米咲が作曲、「春がキミを綺麗にした」ではシンガーソングライターの川本真琴が作詞作曲をしている。中でも、元Cymbalsで音楽プロデューサーの沖井礼二は吉田アナウンサー曰く、竹達と仕事をするのが楽しくなってしまったという人物。竹達のライブでは、そんな沖井と元ロッテンハッツのギタリストの木暮晋也、ドラマーの白根佳尚といったそうそうたる面子がバックバンドで演奏している。ほかにも、SUEMIYSU & THE SUEMITH、SCAFULL KINGのTGMX、サンボマスターの山口隆といったロックミュージシャンが竹達に曲を提供しており、音楽ファンにとって驚きの事実だったのではなかろうか。

 ほかにも、ROUND TABLEやCymbalsの沖井礼二といった“(ポスト)渋谷系”からは、NONA REEVESの奥田健介やクラムボンのミトなどが花澤の楽曲に参加。SUEMIYSU & THE SUEMITHやTGMXら“オルタナロック系”では、坂本真綾の「Be mine!」をthe band apartが手がけたことでも話題となるなど、音楽ファン垂涎のアーティストが声優の楽曲に集っているのだ。

 このような現象が起きている理由について、吉田アナウンサーは、「音楽が売れないという今の時代でも、声優には一定数のファンがいて、一生懸命曲を作ればそのファンが必ず聞いてくれる」といい、ミュージシャンたちのモチベーションを上げていると解説。音楽業界の中で声優が一目置かれていることを伺わせた。

 さまざまな大物アーティストとコラボしている声優たち。声優のことは詳しくないという人にも楽しめる曲が揃っているので、ぜひ聞いてもらいたいものだ。

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