暴露された“営業左翼”の正体 「秋葉原奪還計画」呼びかけ直後の秋葉原の週末

1412_abe.jpg12月13日、秋葉原で行われた安倍晋三首相の選挙演説の様子。

 結局は“営業左翼”のナンセンスな言葉遊びだった。

 衆議院総選挙も終盤に迫った12日、Twitterで「#秋葉原奪還計画」というハッシュタグが大いに盛り上がった。

 発端となったのは、東京大学大学院情報学環准教授の北田暁大氏のツイートだ。北田氏は、12日に告知された安倍晋三首相による秋葉原駅前広場での選挙戦最終演説に対し、いかなる形で対抗意思表示を行うことができるか、Twitterを用いて議論を繰り返していた。

 こうした中で「先例、集団心理、現下の人員の問題を考え」当日の行動を断念した北田氏は次のようなツイートを記した。

 ただ中長期的に、合法的かつ非暴力的に、秋葉原奪還計画は構想していきたい。カウンター、パレードを運営されてきた方々にアドバイスを乞いながら、慎重に、そしてしたたかに、秋葉原の路上を取り戻したい。わたしは残念ながらオタク文化に馴染みはないけれども、どうにも悔しい。知恵と勇気がほしい。
北田暁大氏のツイッター(@a_kitada)より引用】

 その上で「もし、趣旨に賛同してくれるオタクなひとたちがいれば #秋葉原奪還計画 でご連絡ください」とも記している。これに続くツイートで北田氏は「#秋葉原奪還計画」の必要性として「多くのオタク達は、文化の戯れを洗練させた安寧を愛する人であると思います。だからこそ、かれらの愛する秋葉原が、差別主義者の聖地のように扱われることに怒りを覚える」「秋葉原をレイシストやセクシストたちの聖地にしてはならないし、そうだと思い込みオタクへの偏見を隠そうともしないブンカジンを黙らせなくてはならない」といった理由を述べている。

 しかし、北田氏の意図とは裏腹に「#秋葉原奪還計画」は、批判とネタ画像の大喜利で埋め尽くされる結果に終わった。つまり、賛同するものはほぼ皆無だったのである。まったく賛同が寄せられなかった理由は、これまで一部の反レイシズムを唱える人々によるオタク文化への蔑視がクローズアップされてきた経緯など、さまざまある。しかし、最も大きな理由は、北田氏が思いつきで机上の空論を述べているに過ぎないことを、大衆の側が見抜いていたからにほかならない。今回の件に限らず、さまざまな社会の事象に対して積極的に行動を煽っている北田氏であるが、彼が所属する東京大学には立て看板のひとつ、ビラのひとつも見られないのがすべてを物語っている。

 日々、授業でふれ合っているであろう学生たちに呼びかけることもできないのに、これまで無関係だった「オタク」へ立ち上がることを呼びかける。 

 北田氏は、自身が左翼っぽい言説を用いることだけに長けた“営業左翼”に過ぎないという正体を晒してしまったのである。

 なお、現実の秋葉原は駅前広場の一角は自民党を支持する日の丸で埋め尽くされたものの、それ以上に多くの人が演説を気にすることなく週末を楽しんでいたことを報告しておく。
(文/昼間 たかし)

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結局、秋葉原は「極限まで純化された渋谷」だったんですか?

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