【今週の弱ペダ】「第10話」~ドキッ!男だらけの荒北モテまくり伝説~『弱虫ペダル GRANDE ROAD』腐女子的レビュー

――今年も腐女子の“トライアスロン”がやってきた! 今夏に最終回を向かえた『Free!-Eternal Summer-』に引き続き(?)アニメ2期となる『弱虫ペダル GRANDE ROAD』が放送開始。そんなことで、今回もやってしまいます!! 『弱虫ペダル 』腐女子的レビュー!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『弱虫ペダル GRANDE ROAD』
ROAD.10「その先の領域」

1412_pedal_10r.jpg弱虫ペダル GRANDE ROAD公式サイトより。

■前回までのあらすじはこちら

福荒なのか、荒新なのか、荒東なのか、待荒なのか……ハッキリしてほしい。みきぽです。

 広島呉南工業高校(以下、呉南)の待宮に『“福チャン”のペット』と揶揄された箱根学園(以下、箱学)の荒北、そうなるまでどんな過去があったのか。

 話は荒北の中学時代に遡ります。野球でピッチャーとして好成績を重ねていたものの、デビュー戦になるはずだった県大会の直前で肘を壊してしまった荒北。必死に練習するも、昔のような球は投げられず、上級生にマウンドを追い出され、「二度と野球はやらない」と野球部のない箱学へ進学します。しかし、挫折でヤンキー化した荒北はクラスに馴染めず、原付バイクで走っては何もない毎日を漠然と過ごすのみ。そんな時、ロードバイクに乗った福富に出会います。

 ロードを馬鹿にする荒北に、原付とロードで勝負をしようと持ちかける福富。そして原付で爆走する荒北を福富があっさり追い抜き、何でだと激怒する荒北に福富は「乗らなければわからない」と一言。……荒北からすれば、自転車が原付を抜くなんてありえないことですが、福富からしたら完全に勝てるケンカを素人相手に売るってまったく大人げない!!(笑)

 その夜、こっそり盗んだロードで走りだす荒北靖友15歳。フラつくばかりの自転車に苦戦していると、福富に「前を見ろ。すべてを使って進もうとしなければ速くはならない」と告げられます。そして荒北は毒づきながらもリーゼントの髪を切り、自転車競技部に入部届を出すのでした。本当は自分と向き合うことを怖がっていた荒北が、福富によって変わり始めた瞬間。初めて“何者でもない自分”を自覚し、自転車の楽しさに気付き始めていました。

 入部当日、どうせならインターハイに出ると宣言してほかの部員に笑われる荒北。現実は覆らないと思っていた、けれど自転車で原付を追い抜いた奴がいた。それを見せられた荒北は、かつて野球から追い出された自分の過去を、今度は自転車で“ひっくり返してやる”と決意を固めます。

 そこに出くわしたのは高1の新開と東堂! かわいい!! まだ中学生のようなあどけない新開、3年になるまで何があってあんな色気を放つようになってしまったの……アッ(お察し)。荒北を見て「また寿一、変なの連れてきたな」と気になる様子。福チャン、過去にも連れてきたことあるんか!?(笑)

 進もうとしなければ進まない、それが自転車……ってこれ進まないジャナァイ!!(byローラー台を回す荒北) 福富に言われた通り、毎日キッチリ2時間のローラーを回す荒北ですが、様子を見に来た福富に「完全にこれはイジメだ」とキレて殴りかかります。荒北の名言(!?)「ふくちょならぐっぱ」キター!! ホントに何を言おうとしたんだろう(笑)。が、全力で回して精魂尽き果てた荒北のパンチは当たることなく気絶。その根性に、新開はますます荒北が気になります。

 しかし、東堂は荒北を「ハッキリ言って気に入らんのだよ」と拒否。今でこそ美人ですが、この頃の東堂はかわいい! 男性向けマンガに出てきそうなツリ目ロリ顔!(笑) まだ巻ちゃんと会う前かぁ。お行儀のいい東堂は、荒北が部を乱し、道具を汚し、大声で暴言を吐くことが気に入らない。「そして何よりこのオレにカチューシャをダサイと言い放った!!」とぷんすこ激怒。女子か!!(笑) ……ハッ、これが第一印象が悪いほど後の好意が深みを増す“BL現象”の芽生え!? ヤンキー×優等生のツンデレ少女マンガホモ始まっちゃう!? 一方、新開は荒北の素質を褒めて「何か部活やってたんだろうなぁ」と興味津々。東堂は以前そのことを聞いた時に跳ねのけられていて「苦々しい思いがあったのだろう」とつぶきます。

 この時東堂は「輝かしい過去なら誰しも語りたがるものだ」と言いますが、その持論はやっぱり自分の価値観なんでしょうか。苦々しくないにしても努力を決して語らず「山神だからだ!」と天才ぶり、輝かしい部分しか見せない。その一方で、総北の巻ちゃんと出会って“負けた”ことを恥とせず、最高のライバルと言う……思わぬとこで東巻の収穫(腐女子脳)。

 ある日、一人で昼飯を食べる荒北に新開が近づき「うちの東堂がね(←この身内感ある言い方超かわいい。東堂と新開は部活外でも仲いいのかな)、おめさんのこと煙たがってる」と話しかけます。嫌われてることを十分自覚している荒北は警戒しますが、新開は淡々と「なぜ、自転車に乗る?」と訪ねます。で、出たーー!! 喋るだけでその場を“BL空間”にしてしまう男・新開隼人! 屋上で制服というシチュエーションも相まって過去最高の“BL感”出てますよ新開!!(笑) その問いに、荒北は「証明してぇからだ! オレがここにいるってことを!」と即答。マジでどこまでやれんのか自分を確かめてみたい……それを聞いた新開が少し笑って「わかったよ」と言うと、同情されてると思ったのか「オレの何がわかってんだ、アァ?!」と吠える荒北。けれど新開が“わかった”のは福富のこと。福富を“寿一”と呼び、「あいつとは付き合い長いからな」……ってこれは新入り(荒北)への本妻宣言かな!?(腐女子脳)

 オレは嫌われ者でどうしようもない奴なんだと言う荒北に「多分寿一は好きだよ、おめさんみたいなタイプ。そういう奴は意志が強い。意志が強くなければ自転車は速くなれない」と、恋のキューピット(福荒)なのか、本妻宣言(福新)なのか、はたまたオレもお前に興味持ってるよアピール(荒新)なのか、判別不能な言葉を残して去っていく新開。ハッ! 不覚、私までBL空間に飲まれていたッ!! 少し遠巻きにされてるチームメイトへのフォローなのはわかってます。福富はその辺気を使えないだろうし。でもホモに見えるんです……(傲慢)。

 ますますペダルを回すようになった荒北をじっと見つめる福富に「嬉しそうだな」と話しかける新開。私にはわっかんねーよ福ちゃん鉄仮面すぎて! 夫婦アピールご苦労さん!!(萌えギレ) そしてある日突然、荒北はルールも知らないままレースに出されます。うろたえる荒北に「最初にゴールラインを超えればいい」とだけ言ってさっさと行ってしまう福富と、フレンドリーに“靖友クン”と呼ぶようになった新開。恋のレースも始まってますか!?(錯乱) 荒北は覚悟を決め、腐らせていた中学時代の自分ごと“ひっくり返してやる”と誓いハンドルを握ります。しかし初めてのレース、ローラー台にはなかった風の抵抗や道の影響を受け最後尾から動けず。けれど福富の鼻を明かしてやらなければ気がすまないと、集団の間を無理やり通り抜けて前へ出ます。

 ペース配分も心拍数も無視してがむしゃらに走った荒北は、4周遅れたものの、トップを走っていた福富と新開に追いつき「何とか言え鉄仮面!」と叫んで福富を驚かせます。そして肝心の聞きたかったことも忘れ、完全に力尽きてそのままコースアウト。自転車と共に沿道に倒れ、追い抜いてきた選手の車輪の音を聞きながら一歩だけ前に進んだ気がした……そんな荒北に、新開は「まだ伸びるね」と期待。福富も「次のレースでは化けるかもしれないな」と初めての“デレ”を見せるのでした。

 季節は巡り、レースでの勝利を目指してローラー台を回す荒北。福富が優勝できたなら自分もできるはずだ、威勢よくそう言う荒北に「現実を見ろ」と上級生は半笑い。そしてその場にいた福富に次のレースで何位を目指すかと聞くと、福富は「二位」と答えます。上級生はそれを聞いて「わかってる奴は無謀な希望を抱かない」と二人を馬鹿にします。

 福富も一緒くたに笑われたこと、何より黙って聞いていた福富に怒り心頭でその胸ぐらを掴み上げる荒北。人気のない屋上で、福富に“網ドン”(※壁ドンならぬ、フェンスと腕の間に追い込んだ状態のこと)をかまして問い詰めます。勢い余って福ちゃんのお腹がチラリ!! 放課後、夕暮れ、ヤンキーの網ドンって箱学はいつからBL原産地になったの? 元から? 元からだったわ!! 福ちゃんのきれいなお腹、なんか禁断のセクシーを見てしまった気分……(笑)。「日和ってんじゃねーよ!」と怒る荒北に福富は上級生は敵ではないと言い、「二位と言ったのは、お前の勝つ意思に本物を見たからだ」と告白します。そして強く荒北を見据え「だがお前は優勝できない。オレのアシストなしには」と……。つまり、福富が荒北を優勝まで連れて行くということ。目を見開く荒北に、福富は「そのモチベーションを絶対レースまで落とすな」と言いつけます。
 
 レース当日。福富は荒北に自分の自転車を差し出します。荒北が初めて乗り、面白さにとりつかれたあの自転車。チェレステカラーのBianch! 出ました、“エンゲージロード”!! 放課後で網ドン告白(※ただし網ドンされた側が言う)からの超高価な自転車(※使用済)プレゼントって、なんかもう完全にアレじゃないですか! 結婚じゃないですかおめでとうございます!! しかし喜ぶのはレースに勝ってから! 借り物の自転車とは比べ物にならない乗り心地の愛車に乗せられ、荒北は初めて福富から「絶対にオレの後ろを離れるな」という“オーダー”を受けます。

「命賭けて離れねぇよ!」と荒北はペダルを回します。現実は変わらない、だから自分の力で変えていく……福富から世界がひっくり返る瞬間を見せられ、自転車を与えられ、前を向いて走ることを教えられた荒北。福富に引かれいよいよ最後の一人に並んだ荒北は、思い切り背中を押されてゴール前に飛び出します。そして最後まで全力で走りきり、見事にレース優勝!! 思わずガッツポーズを決める荒北を福富が支えます。ここまで来れたのは悔しいけれど全部“鉄仮面”のおかげ。福富を認め、荒北は親しみを込めてその呼び方を“福ちゃん”とあらためるのでした……。

……ということがありまして話はレースに戻ります。うっかりインターハイ真っ最中だってこと忘れたよね今!

 前略、獣すら捨てて聖母と化した荒北。憎き箱学の一人であるはずの荒北から突然“福富への恨み”を受け入れられ、戸惑う待宮。荒北は「オメーが前見て全力で走ってりゃ、俺達箱学を脅かすぐれえのタマになってたかもナァ」とつぶやき、待宮を抜いてぐんぐん加速します。“あの時こうしていれば……”という疑問は時々出てきては心を重くし、想いを濁らせる。けれどひたすら純粋な強さを競うゴール前、そこは「濁ってちゃいけない領域」。早くなりたい、あいつに勝ちたい、面白い。そういう純粋な気持ちだけにならないと行けない領域がある。なるほど、荒北は心から自転車を楽しんでいる総北・小野田に、自分に自転車を教えてくれた福富の純粋な強さを重ねたわけだ……。

 あっという間に走り去る荒北の輝きに、待宮は思わず一瞬見惚れてしまいます。恨みを原動力にする待宮に対し、後悔も絶望も捨てて純粋な気持ちだけで走る荒北。待宮も“呉の闘犬”のプライドを賭けて全力で噛み付きます。箱学に勝つ、必ず勝つ。もしかしたら待宮はこの時初めて、本気で“勝ちたい”という気持ちだけになれたんでしょうか。しかし、どれほど走っても荒北に追いつけず。そんな待宮を振り返り、荒北は「レース終わったら一緒に飲もうぜ、ベプシ。おごってやるよ」と手を振り、「強ぇよ、お前」と待宮を認めます。そして二人の勝負はここで20m以上の差をつけ、ようやく終わるのでした……。

 勝負はついた。まだ追いかけようとするチームメイトの井尾谷を制し、待宮はふるい落とされた現実を受け入れます。ペテンも、本気の実力も、すべてを出して“負けた”……。ペダルをゆるめた待宮は敬意を込めてヘルメットを外し、「闘争心を裏で支えるモン、そういうモンの差じゃぁ」と静かに涙を流します。けれど、待宮をずっと見ていた井尾谷は知っています。彼女と別れたのはインターハイに集中するためだったこと、チームをまとめてここまで来て、誰よりも悔しいのは待宮ということ……。待宮よりボロボロ泣きながら歯を食いしばる井尾谷の横で、待宮は去っていった荒北に向けて呟きます。「おごってくれや、ベプシ」と……。

 これ完全に告白ですわ!!(腐女子目) 待宮、完全に荒北に惚れた! 井尾谷→待宮→荒北のさわやか三角関係……!! なんならここに→福富を加えて四角にしましょうか、いや新開→と→総北・金城も参戦して……何角関係になるんだコレ!!? 『ハチミツとクローバー』か! 人が恋に落ちる瞬間を見てしまった……って、全員片思いのラブストーリーか!!(困惑) 惚れたら負けとは言いますが、待宮は箱学への恨みを荒北という一人の男と勝負したことによって消化し、“箱学”と“負けた自分”を許すことができたのかなと思いました。そして荒北に見惚れてしまった以上、もう箱学を恨み続けることはできない……。荒北、最高にかっこいい!!

 先日Twitterで「戦闘行為は性行為と同じ距離感のやりとりで興奮する」というツイートがRTされて来ましたが、チャリ勝負も一種の戦闘行為であり、もしや性行為と同等なのでしょうか。チャリ勝負なら何人と何回やってもいいですから、無限の可能性が拓けるのではないでしょうか……。誰だか、東巻のガチンコ登坂勝負を“走るセックス”と表現した天才的腐女子がいましたが、ホント言いえて妙だと思うのでありました。

 今週のCパートは呉南の日常ふたたび! もとい、井尾谷の彼女面3連発!!(笑) 授業で見事な機械工作の腕を披露するミヤに見惚れる井尾谷、お好み焼き屋で完璧な広島焼きを作るミヤに感激する井尾谷、彼女に別れを告げるミヤにもらい泣きする井尾谷……どんだけ待宮が好きなんだほんっとに!! 人に誤解されやすい待宮をよく理解してくれる相棒がいてホント良かったなぁと思うような、「待宮すぐ逃げてストーカーだよ」と言いたいような……(笑)。公式MADはスタートのピストルに撃ち殺される(!?)荒北と、目撃してしまう待宮。どんどん荒業になってくるなオイ! ネタ切れか!!

【今週の私的見どころ!】
・古今東西あらゆる男子からアピールを受け、うち二人に告白されるモテ期荒北
・それにより描かれるもう何角だかわからない入り組んだ人間模様の青春
・待宮が“許された”ことによる、箱学である荒北との和解

【今週のBL耳】
・ずっと考えてたんだよ……テメェのことをよ(by荒北)
・見惚れた…! 一瞬、ワシがあいつに!(by待宮)

(文/祭屋みきぽ)

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