――オーディションの1次審査を通過した子たちにレッスンを受けさせているのは珍しいと思いました。
M氏 メンバーになってからレッスンをして、実際ついてこられなくて辞められてしまうよりも、オーディション中のレッスンで辞めてもらった方が、僕らにとってもやりやすいんです。あと、レッスン風景や姿勢、こちらが出した宿題をちゃんとやってくるかというのは、審査の基準としても見ることができますし。グループに入る前にレッスンして、続けられる子を見極めておかないと。加入後に辞めましたというのは、グループのイメージ的によくないですからね。
――では、レッスン経て、選考に残っている子たちはある程度歌やダンスができる子だったりするのでしょうか?
M氏 そういう子もいますが、全然経験がない子もいます。ダンスや歌の上手い下手よりも、本当にやりたい、成功したいという意志が伝わってくる子を選んで残すようにしています。もちろん、最低限のビジュアルは必要ですけど(笑)。でも、選ぶ基準は“アイドルをやりたいという意志”が一番強いかな。やはりアイドル活動には大変なことが多いので、憧れだけで入っちゃうよりは、気持ちでグイグイ引っ張っていける部分がないと。
――実際にオーディション中にレッスンを行って、狙い通りになっていますか?
M氏 そうですね。候補者同士が競争しているところもあると思うし、この子はできるとか、かわいいとか、お互いに感じていることもあると思います。個人個人がライバルで、この中から何人かが落ちていきますし。逆にそれも狙いで、お互いが刺激しあって、努力し合ってもらえばいいと思っています。また、今回は何人取るかも決めていないので、みんなにチャンスがありますし。
――今回、ファンもSHOWROOMを通して審査に参加していますが、そのメリットはなんでしょうか?
M氏 ファンからすれば、オーディションから見て応援できるので、出来上がったものを見るよりは、本当に何もできない子たちが頑張っていく姿を見ていく方が、共感もできて応援しやすいのかなと思います。
O氏 あとは、実際にメンバーになったとき、すでにファンがついているという点ですね。僕らが決めた子を新メンバーとして発表しても、最初はなかなかファンがつかないという経験があります。やはりファンにはもともと応援している子がいるで、新メンバーは余裕があったら応援するという感じなんです。なので、はじめから特典会で新メンバーの列に何十人も並ぶことはありません。そうすると、新しく入った子の気持ちがちょっと落ち込んでしまうんです。でも、オーディションの段階から認知されれば、デビューしたときからある程度のファンがつくことになります。
――新メンバーも、はじめからファンの数を気にしているんですね。
O氏 アイドルは自分のファンの数をすごく気にします。けど、デビューしてすぐにファンがいれば、その子も気持ちよく活動できるというか、やる気がなくならないんです。もっとも同じグループ内だとそんなに大きな差はないのですが、そこが本人たちのモチベーションになっているところもあります。どのグループにもあると思いますが、「ファンが少ないから自分はアイドルに向いていないのかな」と相談にくる子も多いんですよ。
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