■福利厚生の充実、国内回帰、海外スタッフ、代理店…それぞれの未来型
このほか「数年後も生き残るのは誰だ!?」という本題から、各々がCG業界の数年後を予想するコーナーも。“5年後”という比較的に近くで予想ができるところと、“10年後”という願望を交えたところを、それぞれイラストで図示していた 。
サンジゲン・松浦「郊外に社屋を建てている。子供がいるのは託児所で、安心して働ける環境を(作りたい)。人口が増えないと、CG屋も増えない。(図を見て気付いた水崎さんからの『未だにカット袋を持って走ってる人がいる』とのツッコミに対し)変わらないでしょ(笑)。2Dの方も50年変わってないから。たぶん中身はUSBメモリ。それすらあるかどうかわからないけど」
神風動画・水崎「(神風動画は)CGから離れてるなとここ数年思っていて、どちらかというと、演出とか企画とか、代理店のほうに近づいてるような気がする」
アニマ・笹原「もともとCGを始めたのは、リアルな質感でキャラクターが生き生きとしたところをやってみたいというのがあったので、そこに立ち返りたいと思ってる。スタッフも、日本人だけでなく海外の人を入れていきたいなと。元ピクサーの堤大介さんとお会いする機会があったので」
PPI・塩田「ウチの会社はおかげさまでエミー賞を日本で初めて頂いて、次はアカデミー賞を取りたいなと。5年以内ならそろそろ仕込まないといけないんだけど。去年マレーシアに拠点を作って海外展開、海外市場と海外での制作をやったので、国内回帰として地方のどこかで何か拠点を作りたいなと。(僕は)兵庫県出身だけど、東京の一極集中のような中でゲストとして作ってる感じとしてはいいんじゃないかな。企画への回帰としては、国際、国内含めて、製作委員会や共同制作など、参加したIPを保有して流通させて儲けるってことをやっていたい」
wise・尾小山「バーチャル空間の中で撮影をするようなワークフローを組めたら。バーチャルカメラやバーチャルライティング、3Dスキャン、モーションキャプチャーやフェイシャルキャプチャーなどを組み合わせて、CGの空間の中でロケができる現場を作る。5年後に目指してるのは、自分もモーキャプ(モーションキャプチャー)のアクターになるということ。つい最近も怪獣の役をやってみたけど、これがいい芝居をしてるので絶対いけるなって。殺陣とかも自分でやれたらいいなと思ってて、これができるとCG業界が楽になると信じている」
本件では、自身の10年後では引退ムードが漂う場面もあるなど、かなりざっくばらんな進行になっていた。話の中で、スタッフの福利厚生の話にも触れられていたのも、さすが社長会ならではといったところだろう。
(取材・文/真狩祐志)
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