“ウィスパーボイス”で聞かせる山梨のアイドルグループ・Peach sugar snowライブの熱気がすごかった！

編集部

2014.12.11

　ほかのアイドルの誰にも似てない「ウィスパーボイスアイドル」として、デビュー以来じわじわと話題を広め、昨年初出演のTOKYO IDOL FESTIVAL2014で一気にその名を広めた山梨のアイドルグループ「Peach sugar snow」。彼女たちの活動2周年を祝う『Peach sugar snow2周年記念ライブ☆』が吉祥寺スターパインズカフェで行われた。

　TIF以外にも、この夏にはメンバーのももかが講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD2015」で大森靖子賞を受賞。また、これまでのライブや曲を“アイドル界の目利き”として知られるTOWER RECORDの嶺脇社長や掟ポルシェ。さんが絶賛し、さらに、ちょうどライブ前日に放送された『ランク王国』（テレビ朝日系）内でも「ご当地アイドルランキング（南波一海氏監修）」でも第1位で紹介されるなど、まさに勢いに乗った中でのライブだ。それだけに、1年前に同会場で行われた1周年ライブに比べると、倍近くのファンが集結したという。

　ライブでは、これまでの発表曲をメガミックス風に仕立てた新・入場曲にのって3人が登場。『PSSのテーマ』から、最新シングルを90年代レイヴ風に再構成した『Xmas☆Silent Remix』と、オープニングから最新曲で会場の熱を上げていく。ただ、この日は着席でのライブ。ファンは皆手拍子しながら彼女たちのモデルのポージング風のダンスに目を向ける。今日は熱狂というよりも優しく見つめる、温かい雰囲気のステージだ。

　MCを挟んでからは、これまで発表したシングルメドレーがスタートする。『ひとときでも』『じゅもん』『人魚～泡になって消えても～』そして『Xmas☆Silent』。「ウィスパーボイス＝囁き声」という意味は知っていても、その声で歌うシンガーはそういない。そのため、同じような声を想像してしまうところがある。しかし、Peach sugar snowを初めて見た時、ウィスパーボイスにもそれぞれ質が違い、あん・あいな・ももかの3人の声が重なりあった時の“強さ”には衝撃受けた。

　普通、シンガーがウィスパーボイスの場合、「大人なのに子供っぽい声」という印象を持つものだけれど、それがPeach sugar snowの場合、「子供による『大人なのに子供っぽい声』」となり、それが独特の色気を放っているのだ。さらに最新シングル『Xmas☆Silent』では、その声ならではの“儚さ”と『マッチ売りの少女』をモチーフにした悲しい歌詞の世界が強固に繋がる。この日は着席制で落ち着いて見れるのもあって、ステージに立つ3人のパフォーマンスはより深くしみるものがあった。

　ただ、そんなシリアスなパフォーマンスが一転、MCになると一気に無邪気な小中学生になる振り幅が可愛らしい。TIFの思い出も、ステージの話より「美味しかったケータリングクイズー！」になってしまうお年頃だ。

　しかし、再び歌に戻れば、Peach sugar snowの世界にグッと引き込む。ここからは『大丈夫』『シンデレラにはまだなれない～ガラスの靴』『パウダースノー』『Xmas☆Silent（rap version）』、そしてライブ情報などを挟んでの『ラムのラブソング』『ごめんね』『ETERNAL BRAZE』と、アニソン中心のセットリストが続く。ウィスパーボイスだけでなく、指先ひとつ、視線ひとつまで研ぎ澄まされたダンスも彼女たちの見せ場。後半では元気に拳を上げて声援も呼び込み、一気に盛り上げた。

　と、ここで一旦Peach sugar snowの3人はバックステージに戻り、ここから彼女らが所属するK＆Mミュージックの後輩たちが登場。観客を戸惑わせるレベルの全力な元気さで新曲を歌った「FUJI△PASSION」、姉妹アイドルの魔女っ子見習生「RELISH」、その名の通りエルガーの『愛の挨拶』をモチーフにした曲を披露した「classic fairy」の3組が、同じスクールの先輩であるPeach sugar snowの2周年を祝った。