東映映画スターに捧げ…られない!? 撮影現場の裏側もかいま見えた『トッキュウジャー』第38駅

――日本全国のちびっ子から青少年、大きなお友だち、さらにはお母さん方といった女性までもを魅了する特撮ヒーローたち。そんなヒーローの活躍を世に広めるためのレビュー! これさえ読めば、気になる特撮作品のあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『烈車戦隊トッキュウジャー
第38駅「映画つくろう」

【今週の極私的見どころ!】
 分倍河原、柴崎、国領……このネーミングの由来は?

 今回登場する映画プロデューサーの分倍河原に、主演俳優の柴崎に国領。一見、普通に見えるが、この三つの役名の共通点はなーんだ? 答えはwebで! とシャレオツなCM風に決めようと思いましたが、考えたらここがwebでしたので、答えは「京王線の駅名」としれっと正解を発表。第34駅「恋は大騒ぎ」のゲストキャラの名前も表参道だったし、脚本・大和屋暁さんの回のキャラはみんな駅名にちなんでるのかしら?

【今週のオススメ度】
★★★★★
(前回のあらすじはこちら)

 映画スタジオ“東都撮影所”に見学に来たライト(演:志尊淳)たちは、スターに会えるかもと期待で胸がドキドキ。ところが撮影所の正門で目にしたものは、シャドー怪人フィルムシャドー(CV:石川英郎)とそれに追われる中年男。思いがけない展開ながらも中年男を救うため、ライトたちは慌てて二人の後を追いかけるが……。

 まさか高倉健さんに続いて、菅原文太さんまで……70年代の東映を支えてきたスターが、立て続けにお亡くなりになってしまい、図らずも追悼のようなタイミングになってしまった映画回です。ちなみに深作欣二監督のご子息で、お二人の名前をひと文字ずついただいたという深作健太監督は『激走戦隊カーレンジャー』や『電磁戦隊メガレンジャー』で助監督を務めていたという……なんとか強引に話題をつなげようかと思いましたが無理そうなので、これくらいにしてお二方のご冥福を心よりお祈りいたします。

 閑話休題。今回の舞台は映画の制作現場。なるほど、これなら遠くまでロケハンに行く手間も省けて、年末のスケジュール調整とかそろそろ少なくなってきた制作費にも優しいエコでメタな設定です。

 そんなクライマックスに向けての修羅場でのたうちまわるスタッフたちの怨念を具現化したような存在が、シャドー怪人フィルムシャドー。デジタル化の波に飲まれて、もはや絶滅寸前のフィルムをモチーフにするあたり、映画人としての挟持が感じられます。

 闇装備ヒット系フィルムで相手をしばりあげる「フィルムノワール」に、そのヒット系フィルムを発火する「燃え上がるひと夏のアバンチュール」と、次々と繰り出されるフィルムシャドーの必殺技で、ライトたちは窮地に追いやられます。中でも戦乱や隕石落下を再現し、恐竜やUFOまで顕現させる「歴史を揺るがす大スペクタル」は、アレな意味で日本映画史上にさん然と輝く『デビルマン』や『宇宙からのメッセージ』などを作った東映ならではの“細けえことはいいんだよ!魂”あふれる大技です。トカッチ(演:平牧仁)が、先週に続いて恐竜に食われかけてたのもいいですな。

 このままではやられてしまうと、ライトがハイパーレッシャー化しようとしましたが、フィルウシャドーは「こんな早く出しちゃダメダメ。クライマックスまで取っておくのです」と、制作サイドの意向ダダ漏れな台詞を残して去っていってしまいました。「いつこれ(ハイパーレッシャー)使うんだよー」と叫ぶライトを尻目に、フィルムシャドーに追われていた中年男に駆け寄るヒカリ(演:横浜流星)。キチンとお話を進める大人です。

 実は中年男・分倍河原藁次郎(演:本間剛)は映画のプロデューサーで、ちょうどいま映画を撮影中と聞いたライトたちは、そのまま撮影現場を見学させてもらうことに。

 ところが撮影中のはずのセットには、人っ子一人いません。ようやく現れた主役の二人、柴崎(演:内野智)と国領(演:石川伸一郎)に聞くと、監督もスタッフもどこかに消えてしまったそうです。そこにカグラ(演:森高愛)が後先考えないアグレッシブさを発揮して「はいはいはーい、私やりまーす!」と、監督に立候補。成り行き上、ライトやトカッチたちもスタッフとして参加するはめになってしまいました。

 映画は『事件記者ペスカトーレ』。特ダネを狙う事件記者の二人がギャングの抗争に巻き込まれていく話だそうです……。なんか映画というより竹内力さんか小沢仁志さんが主演のVシネのような気がしますが、カグラ監督はそんな硬派な世界がお気に召さないようで、事件記者の二人にネコ耳犬耳と天使の羽を着用させ、語尾はニャンとワンで統一。さすがにこれは、とプロデューサーの分倍河原が注意しても「藁ちゃん、藁ちゃん。細かいことは気にしない。大切なのはエモーション」と、とんねるずばりの業界人ノリでいなします。あやまれ、とりあえず健さんと文太さんに“土下寝”の勢いであやまっとけ。

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