神谷浩史・小野大輔の自由な“エアバンド”が巻頭を飾った「Pick-upVoice」…少し気になる同誌のこと

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――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか？　主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

「Pick-upVoice」（音楽専科社）2015年1月号。

■「Pick-upVoice」2015年1月号
出版社…音楽専科社
発売日…11月26日（毎月26日発売）
価格……1139円＋税
創刊……2007年

　今月の「Pick-up Voice」は、表紙＆巻頭大特集に「MASOCHISTIC ONO BAND（以下MOB）」、裏表紙＆巻末大特集に上坂すみれが登場。

　MOBは人気ラジオ番組『神谷浩史・小野大輔のDear Girl～Stories～（以下、DGS）』から生まれた“エアバンド”で、「HIRO-C」こと神谷と「ONO-D」こと小野の両名がフロントを務める6人組ユニット（神谷＆小野以外の4人は番組制作スタッフ）。昨年2月に開催されたDGSの武道館イベントで初パフォーマンスを披露し、1年以上が経過した今年末に満を持してのメジャーデビューを果たすこととなった。

　そんな記念すべき巻頭インタビューでは、神谷と小野が完全に「HIRO-C」と「ONO-D」になりきった上で、悪ノリも言える軽妙なやり取りが展開されている。

　インタビューは、基本的にONO-Dが「ひと言で言うと『○○』」の発言に終始し、それを受けてHIRO-Cがフォローするスタイル。ONO-Dのひと言は「日常茶飯事」「ん、何も言えねえ」「マゾ」などなど、インタビュアーの質問を読まないとわからない内容ばかり（一部、質問を読んでもわからない部分はあるが、気になる人はぜひ本誌で）。

　また、脇を固める4人のメンバー（繰り返しますが、番組スタッフです）も撮影＆インタビューに登場。「エアバンドだが、ボーカル以外のメンバーはレコーディングで何をしていたのか」との質問に対し、「飴をなめていた」「水を飲んでいた」「音を抱いていた」「スタジオに入れなかったので外で聴いていた」など、こちらの回答もフリーダム。2007年に放送が開始された歴史ある番組だけに、スタッフ陣との呼吸もバッチリ合っている様子が垣間見られた。

　さて、そのほかでは「口が半開きでエロい表情の蒼井翔太クン」や「またまた始まった新連載、松井恵理子の『Headphone Club』」などが見どころだが、どうしても今月触れておきたいのが読者コーナー「Pick-up Voice F2!!」である。

　同誌の読者コーナーは特に企画を設けず、淡々と読者からの感想に編集部が答える形式だ。一見、なんの変哲もないコーナーなのだが、このページの文章デザインが以前からず～っと気になっていた。

　同コーナーの読者の投稿文は、第一文字目だけが大きめの文字でデザインされるという、出版物にはよくある文章デザインである。たとえば“水樹奈々さんの記事が～”という書き出しの投稿ならば、第一文字目の“水”の文字だけが大きくデザインされるのだ。

　こうしたデザインにおいて、もしも第一文字目が“「”（カギ括弧）などの記号で始まる場合、二文字目も含めて大きくデザインするのが一般的だ。理由は単純で、カギ括弧だけ大きくすると見映えが悪いからだ。ところが、同コーナーでは第一文字目のカギ括弧のみを大きくしており、これが実にマヌケな印象を受けるのだ。毎号、3～4本の投稿に「カギ括弧だけ大きいよ現象」が見受けられていたのだが、今月号は7本と数が多く、ヒジョーに目立つ。こーゆーの、デザイナーとか編集者とか気にならないのかなぁ……。

　別にね、意地悪で重箱の隅をつついているつもりはないの。同じ出版業界の人間として、やっぱり気になっちゃうだけなの。まあ、「Pick-up Voice」編集部がこのレビュー記事を読んでいるかわからないし、読んでいたとしても、すぐに変更するのは彼らとしても面白くないだろう。なので、気長にデザインが修正される日をお待ちしておる次第なのです。
（文／神楽坂隆）