白眉の戦闘シーン! 細やかな演出で、単なる荒唐無稽なSFドラマに堕さない『ガンダム Gのレコンギスタ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第12話「キャピタル・タワー占拠」

【今週の極私的見どころ!】
 ついに登場したG-セルフ・アサルトパック! その火力やいかに? そしてとうとうスコード教の聖地ザンクト・ポルトに到着。再び集う、キャピタルとアメリアの首脳陣。そこに、月面からの襲撃者が姿を現します。怒涛の展開を見せる折り返し地点。今回も整理しながら見ないと、振り落とされるかも!?

【今週のおすすめ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

 宇宙戦争の幕が上がった前回に続き、今回も宇宙でのバトルがメインとなります。さらなる激戦に備えて、メガファウナではG-セルフに新兵器アサルトパックが装着されます。ここでベルリ(CV:石井マーク)に渡されたマニュアルですが、そのデザインはどう見ても『∀ガンダム』でロランが∀ガンダムのコクピット内で見つけたマニュアルです。まさか、G-セルフが後の∀ガンダムに連なる機体なのか? とネット上のガンダムファンも騒然です。

 ところでラライヤ(CV:福井裕佳梨)は、重装備形態のG-セルフがお気に召さない様子。アサルトパックを外せとドック内で大暴れ。宇宙に上がってきて、以前にもまして語彙が豊富になり、行動的になってきた彼女。記憶を取り戻す日もそう遠くはないかも……?

 一方、クリム・ニック(CV:逢坂良太)率いる戦艦サラマンドラは、アメリア宇宙艦隊と合流した様子。ブリッジではなんとかしてスコード教の聖地ザンクト・ポルトを占拠しようと作戦が練られています。ここでサラマンドラがとった作戦は、補給艦を故障したと見せかけてザンクト・ポルトに接舷するというもの。キャピタル・タワー憲章に書かれた条文をヒントに、クリムが立案したようです。伊達に天才と呼ばれていませんね。それなりに頭も使えるみたいです。それにしても、気になるのがサラマンドラの艦長の発言です。初の宇宙戦争にどこか浮き足立っている様子。アメリア宇宙艦隊が、戦闘をできるレベルにまで成長したことがうれしそうです。そんなサラマンドラに、マスク部隊が迫ります。前回、G-セルフの捕獲に失敗したマスク(CV:佐藤拓也)は、名誉挽回のためにサラマンドラ攻撃に向かいます(汚名挽回じゃないよ!)。

 そして、サラマンドラを援護すべく、G-セルフも出撃準備に入ります。ついに全貌を見せるアサルトパックは、真っ赤なボディが印象的な宇宙戦向けの大型砲台といった外見。デンドロビウムやミーティア、GNアーマーなど歴代ガンダムも装着した大型追加装備を思わせるビジュアルに、「ごついな」「重装備やな」「もう拠点防衛用やん」とネット上の視聴者も、その活躍に期待している様子。

 アイーダ(CV:嶋村侑)のG-アルケインと一緒に出撃したベルリですが、古巣に所属するキャピタル・アーミィとやる気満々。その気合にアイーダもちょっと驚いている感じですが、ベルリにしてみたら「(好きな人のためなら)仕方ないじゃないですか!」ってところです。その頃、サラマンドラでは艦長がアメリア宇宙艦隊の旗艦・ラトルパイソンよりも先にザンクト・ポルトに到着しようと意気を上げています。どうやら未知の宇宙空間での戦闘に、誰もが浮き足立っている様子。徐々に軍隊も調子に乗ってきている雰囲気。なんだかヤバそうな感じです。

 そんな中、キャピタル・アーミーのマスク部隊も戦域に接近。ガンダムシリーズではおなじみの「お肌の触れ合い回線」で会話するマスクとバララ(CV:中原麻衣)ですが、なぜかMS同士で手を恋人つなぎする二人。ただの上司と部下という関係ではない雰囲気を漂わせていますね。こりゃ、マニィ(CV:高垣彩陽)を絡めた修羅場も今後ありうるか? そんなことを想像しているうちに、ついに宇宙戦争第2ラウンドの幕が上がります。マスク部隊のマック・ナイフの股間からミサイルがサラマンドラに一斉射! 一方、G-セルフも長距離ビームとミサイルを大量に発射! サラマンドラ艦隊も、応戦! 『逆襲のシャア』ばりの長距離ミサイル合戦がスタートです。ここで「いっとくがこれ、軌道エレベーターの利権争いだぞ」というツッコミを入れる視聴者もいますが、そうは思わせないスケールの大きな戦いになっちゃってます。これ。

 それにしても、今回の戦闘は見応えがあります。というのも、メカのアクションや攻撃時の射線が上下左右、あらゆる方向に展開しているのです。宇宙空間の無重力感や浮遊感というのが、非常によく感じられる演出です。大雑把だったり、ストーリーがわかりにくいと言われる『Gレコ』ですが、こういう細かい部分がしっかりしているからこそ、単なる荒唐無稽なSFドラマにはなっていないんでしょうね。

 そうこうしているうちに、マスク部隊とサラマンドラ部隊のMS戦がスタート。バララ操るマック・ナイフの動きがアクロバチック! ひょっとするとマスクよりも強いんじゃないの? と思わせるシーンが頻出します。一方、大見得を切るクリムに対し、女房役のミック(CV:鶏冠井美智子)は「口より手が先だろ!」と厳しいツッコミ。さすが富野アニメ、女性強し。と、ここに遅ればせながらG-セルフが到着。ベルリは、スコード教の聖地で両軍が戦闘を繰り広げていることにショックが隠せない様子。現代日本だと、皇居とか神社でバトルしている感じでしょうかね? やがてサラマンドラはザンクト・ポルト近海に到着。これ以上、聖地付近で戦闘はできない、ということで両軍は撤退。アメリア軍の逃げ切り勝利という感じです。それにしても、サラマンドラの艦長。こんな時に、初の宇宙戦争勝利に航海日誌を記録して部下に突っ込まれます。ノリは自画撮りするスイーツ女子です。大丈夫か、アメリア軍!

 結局、メガファウナは直接ザンクト・ポルトに入ることができないということで、一旦下のナットに入港。G-セルフとG-アルケインのみ先行してザンクト・ポルトに入ることになります。メンバーはベルリ、アイーダ、ノレド(CV:寿美菜子)、ラライヤの4人。荘厳なBGMがいやがうえにも気分を盛り上げます。いつの間にか、普通に会話できるようになっているラライヤ。気になります。

 さて、ついにザンクト・ポルトにたどり着いた一同。内部は自然豊かな、まさに豊饒の大地。大聖堂に向かうと、そこではクンパ・ルシータ大佐(CV:広瀬彰勇)、ウィルミット長官(CV:田中敦子)、法皇(CV:藤真秀)、グシオン総監(CV:木下浩之)、クリムと、両陣営の重鎮がズラリと並んでいます。聖地を荒らされたことを怒るウィルミットらと、強硬的にザンクト・ポルトを占領しようとするアメリア軍の対話は並行線のまま。そこにアイーダたちも合流し、状況はますます混沌とし始めます。

 と、ここでいきなり警報が鳴り響きます。次の瞬間、ザンクト・ポルト上空に待機していた輸送艦ガビアルが長距離ビームで狙撃されました。仕掛けてきたのは、月からやってきた宇宙艦隊……かねてより「宇宙からの脅威」と言われていたトワサンガの部隊です。月からやってきた……ってことは、後のムーンレイスなのか? 敵の戦力は? そして、彼らの目的は?謎が謎を呼び、これからどんなストーリーが展開するのかすら予測のつかない『Gレコ』折り返し地点にして、ますます面白くなってきました! ちなみに、次回予告最後の決めゼリフは「見なければ何も分からない!」でした。
(文/受動 明日)

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