「かかった費用は150万」「複数持ちは当たり前」 なぜそこまで熱中するのか…“痛バッグ”女子に突撃してみた!

 ここまで調べて、“痛バッグ”というのは「コスプレ」や「同人誌」といった種別と同じで、“愛情表現”の新しい形として流通しているのではないかと思いました。コスプレを着る、同人誌を書く、痛バッグを作る。痛バッグというのは表現活動であり交流ツールでもある……痛バッグ仲間が休憩スペースで和やかに話しているのを見て、「あ、これ即売会のサークル同士やコスプレイベントでのレイヤー同士と同じだ!」と気ついたのです(笑)。また、痛バッグ女子がほかの痛バッグ女子に声をかけ、手元にある本命以外のグッズをお目当てのものと交換しようと交渉している様子を取材中何度か目撃しました。そう、痛バッグは目印! 自分が誰推しかを世にしらしめる絶好の広告塔!! 持っていればいるほどグッズが集まりやすい……好きなキャラの同人誌を描いたり、コスプレをしたり。自己表現と愛情表現をしたいのはどのクラスターも変わらないんだな、と思いました。

1411_itb03.jpgAMNESIA/トーマ・イッキ・ウキョウ 服までバッチリ揃った“ユニット持ち”の皆さん! クッションからキーホルダーまで何でもつけます!!

 そんなにぎわいを見せる“痛バッグ社交界”ですが、取材中気になったこと、それは痛バの“ユニット持ち”が多いということ!! 今回、4人組で『AMNESIA』のイッキ、トーマ、ウキョウ、ワカとオリオンで揃えてきた方々や(あと2人でメインキャラ全員揃っていたそうです! 見たかった~!!)、『うたの☆プリンスさまっ♪』でカミュ、来栖翔のコンビを組んでいた方(こちらももう1人いるそうです)とお会いしました。

1411_itb04.jpgAMNESIA/ワカ・オリオン 『AMNESIA』 仲間の1人! レースつきのかわいいデコがオリオンにぴったり!

 ユニットになると同ジャンルの痛バッグを持っているだけでなく、服装もおそろいにしたりととても楽しそう! 公式から出ているパーカーとスカートを合わせたり、全員髪にキャラの色のエクステをつけていたり。もちろん一緒に共同購入したり、さらに休日は仲間で集まって“痛バッグ会”をするとか! そして痛バッグも同じ位置に同じタペストリーがついていたり、ぬいぐるみを揃えていたり……同じデザインが並ぶと迫力も倍増です。

■痛バッグを街中で持つことに抵抗はない模様

 そんな愛のこもった痛バッグですが、「街中で持つことに抵抗はありますか?」という質問には「ない」「家から来れます」という方から「池袋か秋葉原なら」「一緒にいるメンバーにより」などの中庸派まで色々。またAGF以外の場所では「アニメイト」「Rejet shop(Rejet 作品専門店)」「オトメイトカフェ(オトメイトとパセラがコラボしたカフェ)」、また「仲間と集まる時」「カラオケ」などなど“オタクスポット”での使用が多いようです。それと、場所をとるので邪魔にならないようマナーを心がけるなどの回答も見られました。楽しむ中にも、常識を持っているようです。

■痛バッグは愛のかたまり

1411_itb10.jpgDIABOLIK LOVERS/逆巻シュウ 真ん中の”ドS”ミニタオルが最高! ビニールにつけるリボンの色までこだわっています!

 そして、ずばり「あなたにとって“痛バッグ”とは?」という質問には、全員一致で「愛!!」でした! 「愛情表現」「推しキャラと一緒にいられる幸せなもの」というストレートな回答から、「キャラがそばにいて自信をくれるもの」というちょっぴりホロリな回答まで。なるほど、バッグを持つことで好きな人がそばにいるという大切なものなんですね……。ほかには「担当キャラがわかりやすいように」という実用的な回答、そして「必需品」「仕事をするための糧(グッズを買うために働く!)」、はては「人生そのもの」という超熱烈な回答まで!! キャラを飾り立てそばに置く、それが人生そのもの!! 一度ハマったらやめられない、それが痛バッグでありオタクなのでしょうか。腐女子の私が同人誌を死んでもやめられないように……(笑)。

 そしてもし、「推しキャラが変わってしまったら痛バッグはどうする」と聞いてみたところ、ほとんどの方が「推しが変わることはありません!」ときっぱり。か、かっこいいーー!!! 「ずっと大好きです」「考えられない」という乙女な回答も。それでももし、もしも変わってしまったら、思い出と一緒に大事にとっておくそうです。こんなに愛されて、バッグに並べられているキャラたちも幸せだろうな、よかったな……と、キャラの眩しい笑顔を見て、心から思うのでした。

 少しわかった気もするけど、やっぱり不思議な痛バッグの世界。けれどすべてのオタク女子が愛にあふれているように、彼女らもまた彼女らのキャラに愛を注ぎ、その喜びでキラッキラに輝いている! 痛バッグ、それはオンリーワンの自己表現であり、キャラへ愛を具現化したものなのかもしれません……。
(取材・文/祭屋みきぽ)

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