井上陽水の名曲「少年時代」に“幻の歌詞”が!?  藤子不二雄Aが明かした名作秘話

1411_bakumon.jpg『探検バクモン』公式サイトより。

 11月26日の『探検バクモン』(NHK)では、マンガ家・藤子不二雄A(以下、A)のアトリエ「藤子スタジオ」へ潜入した。『オバケのQ太郎』や『忍者ハットリくん』(ともに小学館)など130作品以上を手がけ、累計発行部数は「多すぎて計測不能」とまで言われるA。番組では、そんなAのお宝や作品にまつわるエピソードなどが紹介された。

 今年3月で80歳になったAだが、もちろん今でも現役で週5日は机に向かうという。番組ではAの仕事机を公開し、現在「ジャンプSQ.」(集英社)で連載中のコミックエッセイ『PARマンの情熱的な日々』の原稿を描くシーンなどが放送された。

 そんなAの仕事机の周辺にはお宝がたくさん。Aがまず自慢げに見せたのがパーシモン(柿の木)で作ったゴルフのドライバー。これは『プロゴルファー猿』(小学館)の猿谷猿丸が愛用しているモデルで、スポーツメーカーのミズノが作ったものだとか。また、猿のライバル・ドラゴンのヌンチャクドライバーといった貴重なグッズも披露された。さらに、Aは手塚治虫直筆の手紙も公開。これは、当時高校生だったAと藤子・F・不二雄(以下、F)が手塚治虫に送ったファンレターへの返信で、Aたちの作品を見た手塚の「しっかりしたタッチで将来がたのしみです。」という一文が見られた。

 Fが『ドラえもん』(小学館)など、日常にSFの要素を取り入れた作品を描く一方、『怪物くん』(小学館)や『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』(中央公論新社)など、自分が愛する“裏世界の住人”を登場させた作品を描くA。番組レギュラーのサヘル・ローズがこうした作風の経緯について聞くと、Aは30代になって子供向けマンガを描くのが苦痛になったことをきっかけに、徐々にブラックユーモア系に変化していったという。ちなみに『プロゴルファー猿』は、知人に連れて行かれたゴルフにハマったAが、編集の反対を押しきって無理やり執筆したものなのだとか。

 また番組では、歌手・井上陽水のヒット曲「少年時代」にまつわるエピソードも紹介。もともとこの曲は映画『少年時代』の主題歌で、映画のプロデューサーを務めたAが陽水に主題歌の作成を依頼して生まれた。依頼の際、陽水から「Aが詞を書いたら曲を書く」と言われたAは詞を作ったが、結局その詞は一切使われなかったという裏話も明かされた。ちなみに陽水には「歌詞は使わなかったけど、心はいただきました」と返されたという。

 ほかにも番組では、高校生のときにFと作った「少太陽」という雑誌を模した冊子や、AとFが原稿の持ち込みに行って、編集にケチを付けられると、Fがその編集から原稿を奪い取って、後で二人して悪口を言い合っていたというエピソードなども紹介された。

 番組中、「自分が読みたいものを一生懸命描く」「面白がって描く」と語っていたA。そのバイタリティー精神や80歳になってもまだ現役であることに脱帽しつつも、今後もAが『怪物くん』や『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』級のヒット作を生み出してくれるような気がしてならない。

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