『ガンダム』お約束描写も健在! 世界の暗部に切り込むドラマとアクションで駆け抜ける『ガンダム Gのレコンギスタ』

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第9話「メガファウナ南へ」

【今週の極私的見どころ!】
 高谷浩利が作画監督を担当! OPラストのアクションシーンを担当した、氏のハイクオリティ作画を堪能できる充実のビジュアル! 徐々に明らかになるスコード教の暗部! アクション&ドラマが高いテンションで駆け抜ける! そして、「子供向けアニメ」のフォーマットを守るべく、意地でもロボットアクションシーンを盛り込もうとするスタッフの心意気に乾杯!

【今週のおすすめ度】
★★★★☆
(前回のあらすじはこちら

 いきなり下着姿のラライヤ(CV:福井裕佳梨)からスタートし、さっそく色めき立つ視聴者コメントですが、それはさておきベルリ(CV:石井マーク)はアイーダたち(CV:嶋村侑)、メガファウナ・スタッフに、このまま艦をキャピタルテリトリィに侵入させて、法王たちと宇宙からくるという脅威に対して対抗する戦力を整えるよう提案すべきだ、と進言。その幼稚ともいえる提案にアイーダは呆れますが、スルガン総督(CV:木下浩之)はまんざらでもなさそう。ベルリの母親のウィルミット(CV:田中敦子)は、「そんな話は聞いていない」とスコード教信者らしいリアクション。さまざまな思惑が交錯するブリッジ内です。

 いずれにせよ、キャピタルテリトリィにベルリたちを送り届ける予定のメガファウナは、キャピタルテリトリィのある「イザネル大陸」に到着。現地住民の電話を借りて、ウィルミットからキャピタルガードに先導部隊の要請をすることになりました。ここではブリッジクルーのやり取りが多く描かれており、彼らのプロフェッショナルぶりが丁寧に描かれます。地味ですがこういうシーンの積み重ねが舞台の空気というものを作っていくのでしょう。

 と、ここでノレド(CV:寿美菜子)がアイーダに「ベルリがもらわれっ子」という重要な情報をさらりと暴露。これ、物語の鍵となる情報のはずですが、あまりにも自然に流されてしまったため、ネット上でも困惑の声が多数上がりました。BGMも相まって、なんだか『∀ガンダム』を髣髴とさせるほのぼのシーンが続きますが、まったく油断できないシーンも続く『Gレコ』です。

 さて、ギアナ高地と思しき地帯を進むメガファウナですが、ここで偵察中のマスク(CV:佐藤拓也)が乗り込むキャピタルアーミィのフライトシステム・ダベーが出現。戦闘に突入します。まずはいつも通り「ポンコツ姫」ことアイーダのG-アルケインが被弾して後退。前回“ポンコツ萌え”という新たな属性を発掘してしまったアイーダに対して、ネット上の反応は「またー」「はやい」「姫ンゴww」と生暖かいものが大半。姫、愛されています。

 無人のモンテーロが射出され撃墜されてしまったり(クリム[CV:逢坂良太]は、アーマーザガンで囮行動中)、突然マスクが「バナナ!」と叫び出したり(本当は新キャラ「バララ」の名を呼んでいる)、エアバッグで顔芸を披露したりと、やはりジェットコースター感あふれる戦闘シーンが展開。印象的なのが、撃墜されたエルフ・ブルックからマスクが体一つで脱出。それを見たベルリが「人を見てしまったら撃てないでしょ!」と叫ぶシーンです。“生身の敵との対峙”は多くのガンダム作品で描かれる描写ですが、今回も登場。軽くパニックに陥りながらも、強引にマスクをダベーに叩き落とそうとするベルリ君は、器用なのか怖いもの知らずなのかわかりませんね。

 なんとかダベーに乗り移ったマスク。彼を出迎えたのは、新キャラクターのバナナ……もといバララ(CV:中原麻衣)です。なんだかデキる女っぽい雰囲気を漂わせる美少女軍人ですが、髪の色や髪形、そしてマスク部隊と言うことからクンタラ出身……と、ノレドとの関係が気になる新キャラです。今回は顔見せ程度の登場ですが、今後彼女がどうストーリーに絡んでくるのか。マスクことルイン先輩のガールフレンドであるマニィ(CV:高垣彩陽)と、壮絶な女のバトルを繰り広げるのか……と期待せざるを得ませんね! 早くも「ハマーン様?」「かわいいけど死にそう」と、ファンの間でも話題騒然です。

 戦闘後、キャピタルガードのケルベス・ヨー(CV:須田祐介)率いる部隊がメガファウナと合流。爽やかな青年職員ですが、これまたデキる男らしさが仕事ぶりから察せられます。キャピタルアーミィの目くらましをしつつ、メガファウナをキャピタルテリトリィに侵入させる手はずを整えての参上です。こういう取引が成立するほどに、アーミィとガードの仲が悪いということでしょう(キャピタルタワー運行長官のウィルミット直々の命令ということもあるのでしょうが)。

 ここから今回のハイライトです。キャピタルタワーの地上施設・ビクローバーに到着した一行。キャピタルテリトリィの住人の生活や職員の仕事観が、ウィルミットやクンパ大佐(CV:広瀬彰男)の言葉を通じて描かれます。ここで飛び出したクンパ大佐の「つくづく地球人は絶滅していい動物」という、もろスペースノイド的な発言には、多くのガンダムファンもニヤリ。一気に黒幕臭が漂ってきます。

 教会にたどり着いた一行は、法王(CV:藤真秀)に「宇宙からの脅威に対して、スコード教が知っていることを教えてほしい」と詰め寄りますが、法王はのらりくらりとスルーしたかと思うと、「フォトンバッテリーが自然発生すると思ってたの?」と発言。また、「エネルギー技術の独占じゃないか」とスルガンが苦言を呈すると、「その考え自体がいかん」と返事。完全に会話は平行線です。現実的な対話を求める政治家と、宗教論を語る法王では、もとより見えている世界が違うのかもしれません。そこにクンパ大佐も登場。ますます緊張感が高まる現場の空気に、さすがのベルリ君も口を挟む余裕がないみたいです。そこにケルベスが乱入。いきなりベルリ、アイーダ、ノレド、ラライヤが連行されていくところで今回はおしまい。最後の謎の演出に多くの視聴者が戸惑いを憶えつつ、次回へと続きます。

 主力メカの退場と新キャラ登場。そして、世界の暗部に切り込むドラマと、非常に見応えのあった今回。一回見ただけでは何が起こっているのか、理解が難しい富野的演出にも磨きがかかってきたように思います。気が付けば全体の3分の1を消化してしまった『Gレコ』ですが、今後も目が離せそうにありません!

 次回は、ついにベルリたちがキャピタルテリトリィから脱出するということで、序盤最大の山場となること必至。さらにフルアーマーG-セルフこと、「G-セルフ 高トルクパック」が登場したり、『進撃の巨人』を監督した荒木哲郎氏が演出・絵コンテを手掛けるというトピックも満載。これは見逃せないですね! ちなみに次回予告の決めゼリフは「僕の天才ぶりを見せつけてやる!」でした。クリムの天才の座がピンチです!
(文/受動 明日)

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