──飛行機マニアとひと口に言えど、その楽しみ方は実にさまざま。機体に乗ることを楽しむファンもいれば、各パイロットのファンにグッズ収集マニア、エンジン音マニアなど、幅広い。そこで、ここでは最も身近な“飛行機写真”の世界を覗いていただこう……。
#ヒコーキ撮影中級テク~流し撮り~ピント合わせ編
前回は流し撮りのキモとなるSS(シャッタスピード)について解説しましたので、今回は流し撮りの時の「ピント」について解説します。
こちらでもデジタル一眼レフカメラを基準とし、AF(オートフォーカス)の使用を前提としてお話を進めたいと思います。まずAFモードの設定ですが、筆者の場合はシャッターを半押ししている間に被写体が動いてもピントを合わせ続けてくれる「AIサーボ(キヤノンの名称:ニコン製品はコンティニュアスAFサーボ)」を使用。シャッターを切る少し前から被写体となる機体にピントを合わせておき、任意の構図になったとファインダー内で判断した時にシャッターを切っています。
続いて、ピントを合わせる位置について解説します。ピント位置を自動選択にしている場合、ファインダーを覗くと小さな四角形がウニウニと動き、赤く光った際などにピントが合ったことを知らせています。しかし、動きもののヒコーキ撮影に際して、この自動選択を使うことはA☆50の場合ほぼありません。旅客機は的が大きい上に、どのように動くかもある程度予測できます。よって、撮りたい画によってピント位置は任意に選び固定し、不意にピントが背景などに持って行かれないようにしています。
流し撮りをする際、機体の向きにもよりますが、ピント合わせているのはだいたい機首部分。厳密に言えば機体のコクピットウインドウ部分が止まるようにしています。これは、流し撮りに際して遅いSSを用いるのが理由です。離着陸時のヒコーキを斜めから撮る場合などに顕著ですが、機体の前後で微妙に速度差があったり動く方向に違いがあるため、ピントを合わせて追いかけた部分以外に多少のブレが生じてしまうからです。向かって右方向に進む機体であればピント位置をファインダーの右方向へ。左方向へ進む機体ならば、ファインダーの左方向へピント位置を設定しています。ただ、カメラによってはフォーカスポイントが少なかったり、レンズの開放f値によってAF精度に差が出ます。この辺りの設定は使用されているカメラやレンズによって変わってくるので、ご自身で流し撮りに適した設定を探るのが良いと思います。
さて、文字数が多くなってしまったので今回はここまでにしておきます。次回は、今回語りきれなかった機体の追い方などを説明したいと思います。
●A☆50/Akira Igarashi
フリーフォトグラファー兼グラフィックデザイナー。イカロス出版の発行する「月刊AIRLINE」「航空旅行」などで航空写真の連載記事制作などをおこなうほか、カレンダー撮影、航空会社の広告撮影などを担当。仕事でもプライベートでも飛行機撮影を行う生粋の飛行機好き。写真家として活動するだけでなく、DTP/WEBデザイナーやライターとしても活躍中! ガンダ◯好きだがニュータイプにはほど遠い。
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