『テラフォーマーズ』の印税は作画担当の方が多い!? マンガの制作裏やお金事情が明らかに

2014.11.20

 11月18日放送の『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日)では、アニメ化もされた『テラフォーマーズ』(集英社)の原作者・貴家悠や『味いちもんめ』(小学館)の作画担当・倉田よしみなどのマンガ家が大集合。「大ヒットマンガの裏側スクープ30連発スペシャル」と題し、マンガ制作や原稿料などといった業界の裏事情が明かされた。

 まず登場したのは『テラフォーマーズ』の原作者・貴家悠。貴家は今年3月に『ミカパン』(フジテレビ)に出演するなど、さまざまなメディアに顔出ししているだけあって、終始マンガ家とは思えない軽いノリでスタジオを湧かした。『テラフォーマーズ』は原作と作画を分業しており、貴家曰く、作画の橘賢一は物語の大筋は知っているが、「このキャラがここで死ぬ」といった詳細はラフを見て知るという。また、一般的には半々とされる原作と作画の印税の割合だが、貴家によると『テラフォーマーズ』の場合、作画の橘のほうが多いという。だが、『味いちもんめ』の倉田よしみは自身の印税について「僕は半々ですよ。新人でも半々です」とぽつり。その発言に貴家が驚く場面が見られた。

 その倉田は『味いちもんめ』がSMAP・中居正広主演でドラマ化が決まると、単行本増刷の印税が2000万円振り込まれたというエピソードを披露。また印税は売上ではなく、印刷した部数の分だけ作家に入るということも紹介。その一方で、著書の『青天の霹靂』(幻冬舎)が映画された、お笑い芸人の劇団ひとりは「映画化されたけど、原作料は微々たるもの」と明かした。劇団ひとり曰く、映画化された作品はそれだけで売れるので、原作料は宣伝代みたいなものという。

 また、「イブニング」で自身の闘病記を赤裸々に描いた『さよならタマちゃん』(ともに講談社)の作者・武田一義も原作料について語った。この作品がデビュー作だった武田曰く、新人マンガ家の原稿料は「振り込まれて初めて金額がわかる」という。そして、この作品は月2回、8Pずつの連載で、原稿料は新人の相場とされる1P8000~1万2000円の間だったため、武田は連載中でもメインの収入はアシスタントで稼いでいたのだとか。そんな武田の発言を聞いた倉田は、「原稿料は(アシスタント代などの)経費でほとんど消える」と発言。加えて、その名前は明らかにされなかったが、原稿料が1回の掲載で約240万円という大物マンガ家もいるとも語っていた。

 その中で、取材レポートマンガ『怪しい取材に逝ってきました。』(秋田書店)の作者・小沢カオルは原稿料を上げるコツを紹介。それぞれの出版社から「(1P)いくらもらっていますか?」と聞かれたときに、若干多めに答えているという。ちなみに、連載開始当初の原稿料は1P8000円だったとか。

 ほかにも番組では、『インベスターZ』(講談社)の作者・三田紀房の作画風景がTVRで紹介。現在、『砂の栄冠』(講談社)と『インベスターZ』の2本の週刊連載を抱えている三田は、片方の作品は描かずに済むようにと、『インベスターZ』は人物の下書きやコマ割だけを描き、残りはデザイン会社に発注しているといった制作の裏側なども明かされた。

 現在大ヒットしている作品から長寿作、マニアックな作品まで幅広いジャンルの作品の作者が集い、原稿料といったマンガ家のお金事情や制作裏が明らかとなった本放送。先月にも、バラエティ番組『ニノさん』(日本テレビ)に出演した『ギャングース』(講談社)の作者・肥谷圭介も原稿料や印税収入について語っており、マンガ家たちの裏事情は需要があるようだ。

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