飽和する美少女ゲームの中で…物語で読ませる“萌え”の原点 『いつか、届く、あの空に』が配信開始!

2014.11.17

 往年の名作美少女ゲームのDL版販売を、DMMが本格化している。毎月、数多くのタイトルが販売される美少女ゲームゆえ、すべてをプレイするのは、至難の業。そのため、プレイする機会を逃したままになっている作品も限りがないだろう。DL販売という新たなインフラの登場で、いつでも、パッケージ版よりも廉価で購入できるようになったことは、美少女ゲームの新たな未来を感じさせる。

 その中で、今月より配信が始まった注目作が、Lump of Sugarの『いつか、届く、あの空に』だ。

 美少女ゲーム界屈指の歌姫・榊原ゆいが歌う主題歌『SHOOTING STAR』で知られるこの作品は、星空を見ることのできない不思議な街を舞台にしたビジュアルノベル。そんな街にやってきた主人公が、結婚相手だと名乗る学園の天文委員会の少女に導かれて、物語の歯車は回っていく。星空を見たいという人々の願いを叶えるために100年に一度集うという天文委員会のメンバーはいわば、巫女。十二星座にちなみ12人のヒロインと綴られる物語は、次第に“萌え”からさまざまな神話を織り交ぜたシリアスな展開へと進んでいくことも注目を集めた。

 アニメ化された『タユタマ -Kiss on my Deity-』をはじめ、現在も物語を重視した“萌えタイトル”をコンスタントにリリースしているLump of Sugar。ブランド創設第二作目の本作は、現在まで至るブランドの方向性を確立させた、いわば原点でもある。

 決して、流行に左右されるものではない、本当の“萌え”を教えてくれる『いつか、届く、あの空に』は、今からでもぜひプレイしたい作品だ!

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■『いつか、届く、あの空に。』
ゲームジャンル:ノベル式天体観測シネマNVL
対応機種:Windows XP/Vista/7/8

 巽の家を出た策は、この街へとやってきた。空明市(こうめいし)。まるであの空を切り取り、名刺代わりに差し出されたような名の。──どこか優しく頬を撫でていく、この街の空気。

「お前は好きに生きなさい」あの厳格な祖父にそう告げられた時、策は自分が巽の者として失格した事を理解した。わかっていた事だ。ずっとずっと昔から、わかっていた。それでも受け入れてしまう事はできなくて、諦めきれなくて、無様に努力だけを続けてきた。父のように。兄のように。自分にだって、巽の家に生まれついた者が持っていて当たり前のものがあるのだと、認めて欲しかった。

 けれど今、自分はここにいる。祖先が住んでいたという、古ぼけた屋敷が目の前にある。「巽の者を代表して、誰かがあの街に行かなければならない」祖父がそう告げた時、ろくに内容も確認せず、策は話に乗った。それが、あの家から出る理由となるのなら。
 
この街の優しさに少しだけ甘えながら。新しい生活が始まるのだと。そう決心して、これから住まう事になる屋敷の門を潜った──

 これは、柔らかくゆるやかな日々に、淡い夢を見るお話。……そして、ゆっくりと。ゆっくりゆっくりと、雨が降り積もっていく物語。

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