『風パズル 黒猫と白猫の夢見た世界』のテーマ曲を手がける「ニコ動」出身のピアニスト・まらしぃの原点

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■「ニコニコ動画」ユーザーの反応には、悔しいけど正しいものも

――まらしぃさんは2008年から「ニコニコ動画」で動画を投稿するようになりましたが、当時の目標や、憧れていたユーザーなどはいましたか？

まらしぃ　目標などはありませんでした（笑）。そもそも「ニコニコ動画」に動画を投稿するようになったのは、『ぷよぷよフィーバーオンライン』で知り合った友人に『東方project』の楽曲「ネイティブフェイス」を教えてもらったのがきっかけでなんです。その頃は、あまりピアノをさわっていなかったので、思うように弾けなくて。けどなんとか形になったとき、教えてくれた友人に聞かせたいなと思ったのですが、音源を渡すだけなのも少し寂しいなと思い……。そこで、「ニコニコ動画」に動画を投稿して、そのURLを教えるのがいいかなと考えたんです。

――そんな、ひょんなことから投稿を始めたまらしぃさんですが、人気が出始めた時に驚いたことなどはありますか？

まらしぃ　「ニコニコ動画」ですと、投稿した動画に、良くも悪くもコメントがたくさんつきます。けど、僕の中では、それがとてもうれしいことなんです。以前習っていたピアノの先生の反応といえば、怒っていることが多かったので……。「ニコニコ動画」では、弾いたものに対してのさまざまな反応に喜びながら、「次はこの曲を弾いてほしい」というコメントを見て、良いと思ったら弾いてみる、というのを繰り返していました。たとえるなら、学校でピアノを弾いて、周りから「あの曲を弾いてよ」と言われるノリにすごく近いと思います。

――否定的なコメントも、ある意味うれしいのでしょうか？

まらしぃ　それはもちろん傷つきます（笑）。けど中には「もっとこうしたらいいのに」など、先に生かせるコメントがあるんですよね。悔しいですけど正しくて。だからそれを取り入れて、もっと頑張ろうとしていました。また一生懸命弾いた曲でも、再生数があまり伸びなかったということもあります。けど「この曲を弾いてくれてありがとう」とか「好きだからうれしいです」といったコメントがあったのは、本当にうれしかったです。

 
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