紅白でボカロを歌う日が来るか!? 「50年の歌手生活で今が一番楽しい」“ラスボス”小林幸子が若者に支持されるワケ

2014.11.12

 さまざまな企画番組を放送する『マンスリーTV』(日本テレビ)で、11月10日に放送された企画『オレメンタリー』に歌手の小林幸子が登場。現在、「千本桜」といったボーカロイド曲をカバーする小林幸子は、ニコニコ動画を中心にネット上で“ラスボス”と呼ばれ、多くの若者から支持を得ている。また、自らCDの頒布を行った今年8月の「コミックマーケット86」には、多くの若者が小林のスペースに詰めかけ、話題になった。そのような中、番組では「大御所だけど“未だ進化し続けるオレ(ワタシ)」メンタリーと題し、小林幸子に密着。小林幸子がなぜ若者から支持されているのか、その理由を知ることができた。

 番組では、10月に東京・池袋で行われたニコニコ本社のオープンイベント「ニコぶくろ祭」で、歌ってみたCD「さちさちにしてあげる♪」の即売会を実施する小林の姿や、NOT TVのボーカロイド情報番組『ボカロ生活(仮)』収録の模様を紹介。「ニコぶくろ祭」では、小林のCD目当てに朝から列に並ぶ人々や、小林を見て感動のあまり涙する若者たちの姿が。また、9月に東京・檜原村で行われた「ニコニコ町会議」のステージでは、ボカロ曲を披露する小林の歌声に乗せて多くの観客がペンライトを回し、熱狂する様子が見られた。小林が若者から人気を得ているとよく伝わるシーンだったと言える。

 そして、番組では若者に“小林に今後やってみてほしいこと”をリサーチ。『アイドルグループのセンター』『小林幸子をアニメ化』『初音ミクの格好で歌う』『メイドカフェでバイト』といった若者のアイデアが寄せられ、それを見た小林も乗り気に。特に『セミヌード』にかんしては意外にもやる気を見せていた。ほか『ビジュアル系バンドのボーカル』は、「不思議なお化粧をして出てみたい」と言い、『衣装をプレゼント』については「倉庫が必要だから大変ですよ」としながら「よかったら差し上げます」とノリノリ。さらに『紅白歌合戦に出てボカロ曲を歌う』という要望について小林は、「ボカロ曲を歌っている小林幸子が若者に浸透しているのが嬉しい」と喜びを見せた。

 そんな小林の人気について、「ニコニコ超パーティー」のプロデューサーであるドワンゴの阿部氏は「(ニコニコ)文化のことを愛していて、勉強していることが若者に受け入れられているのでは」と分析。たしかに小林は、『歌ってみた』などといった動画を上げ、「ニコニコ超会議」などといったイベントに出演し続けている。そういった小林の熱心なニコニコ動画上の活動はユーザーに受け入れられており、実際に小林の動画の中には170万回以上の再生数を誇るものが見られる。

 歌手生活50周年を迎えた小林。「若者文化とコラボする機会が与えられていて、今が一番楽しい」と語り、「自分で楽しんでなかったら、お客さんが喜んでくれるわけがない。これからもどんどん楽しいことをやっていきたい」と今後の意欲を見せた。小林がなぜ若者の人気を集めているのか、その理由が紐解かれた本番組。小林がニコニコ動画というステージを愛していることはもちろん、番組中に「面白いって感じれば、どんなステージでも登ります」と言う小林のバイタリティーの高さも、若者の心をひきつけているもののひとつなのかもしれない。

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