キャラ受けのツボを心得た正統派スポーツアニメ『弱虫ペダルGRANDE ROAD』【第一話レビュー】

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――食欲の秋！　スポーツの秋！　そしてアニメの秋!!　秋の夜長をさらになが～く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう！　9～10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月6日（月）編】

■『弱虫ペダルGRANDE ROAD』　
第1話 「フェイズ49」

『弱虫ペダルGRANDE ROAD』公式サイトより。

　秋田書店刊「週刊少年チャンピオン」連載の渡辺航の原作マンガを、鍋島修監督とアニメ制作トムス・エンタテインメントによりアニメ化。

　内向的なオタク趣味の少年・小野田坂道は、総北高校で出会った今泉俊輔と鳴子章吉に刺激され自転車競技部に入部。ここで才能を開花させた坂道はインターハイのメンバーへ選ばれ、箱根学園や京都伏見高校など全国のトップレベルが集結した三日間の大会に挑むことに。1日目は3校が同着という恐るべき結果となり、波乱含みでスタートした2日目。ゴールまで残り4キロメートルと迫る中、強豪2校に大きく差を付けられる総北は起死回生のチャンスに賭けるのだが……。

　ちょうど一年前、昨年の秋から今年6月まで3クール期間放映されていた『弱虫ペダル』が、満を持して第2期スタート。男女を問わずこの作品をきっかけに自転車にハマった人が続出、またツール・ド・フランスの本番フランスなどでも放映され、日本だけでなく海外でも人気急上昇という、全世界的にも注目度の高い作品です。

『インターハイ2日目。本当にいろんなことがあった』との冒頭のセリフでこれまでの流れを簡単に紹介するあらすじがありましたが、ストーリー的にはインターハイレース途中からスタートするため、出来れば前作の流れを掌握しておいたほうがより楽しめる感じです。また、劇中で交わされる自転車用語については公式サイト内の辞典で解説してくれており、初心者にもうれしい配慮が。ちょっとロボットアニメにおけるSF用語解説みたいですね（笑）。

　スポーツアニメの中には必殺技や超絶トリックプレーの応酬で展開するバトルもののような作品も多く存在しますが、本作はそのようなこともなく地道な体力と精神力で勝負する正統派作品。その代わり、登場する選手たちに奇人・変人・イロモノっぽい人物設定を付け、キャラ立てを図っているのが特徴です。Cパート部分、ストーリーの本筋と関係なく御堂筋とスイカのエピソードを挿入するなど、スタッフも完全にキャラ受けのツボを心得ている感じ。アクの強いキャラに惹かれることをきっかけで作品にハマる人が多い最近の風潮からすると、こうした作風はまったくもって正解！　といえるのではないでしょうか？

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『まじもじるるも』『韋駄天翔』

（文／出口ナオト）