ありそうでなかった“女性向け日常系”アニメ!? 『オレん家のフロ事情』【第一話レビュー】

編集部

2014.11.06

――食欲の秋！　スポーツの秋！　そしてアニメの秋!!　秋の夜長をさらになが～く熱くする新番組からお気に入りを見つけ出そう！　9～10月より放映開始された2014秋の深夜アニメの第一話をレビューして、オススメ作品をコンセルジュする連載「深夜アニメ　闇夜の千本ノック」！　※放送日などは全国ネット及びTOKYO MXに準拠します。

【10月6日（月）編】

■『オレん家のフロ事情』　
第1話「ウチのフロの特殊な事情」

『オレん家のフロ事情』公式サイトより。

　メディアファクトリー刊「月刊コミックジーン」連載、いときち原作のマンガを、青井小夜監督とアニメ制作・旭プロダクションによりアニメ化。

　一人暮らしの高校生・龍己の家の風呂場にはイケメン人魚・若狭が住み着いていた。ある日河原を歩いていた龍己が行き倒れていた若狭を偶然助けたことから、勝手に住み着くようになってしまっていたのだ。クールに見えて実は世話焼きなオカン性格の龍己と、甘えん坊でワガママ居候の若狭との奇妙で不思議なスローライフが始まった。

　BS11とニコニコ動画配信による放映の女性向けショートアニメ。監督の青井小夜さんはアニメーター出身の演出家。『デジモンセイバーズ』のキャラクターデザインや数々の作品の作画監督を担当されています。最近では『夜桜四重奏～ハナノウタ～』『サムライフラメンコ』『残響のテロル』などの絵コンテ・演出に携わっており、テレビシリーズの監督は本作が初めてとなる模様。

　さて本作、5分と尺が短いせいもありますが、登場人物も少なくキャラ同士のねっとりした会話のやりとりが中心の内容。若狭役の梅原裕一郎さんはほぼ新人ながら主役の一人に起用されただけあってしっかりした演技をみせ、ルックスもなかなかのイケメン。声優マニアの方も先物買いのつもりでチェックしておいても損はない感じですよ（笑）。

　一見、設定とキャラデザインからBLモノのように見られる本作ですが、主人公と奇妙なキャラたちとの会話劇という要素が強く、むしろ女性向け日常系という今までになかったジャンルの作品と言えるのではないでしょうか。最近のトレンドに合わせ、オープニング曲はやや電波ソング寄りのテンション。

　ある日、主人公の元へ空から美少女が落ちて来るのが美少女アニメの定番の幕開けですが、これからはある日美少年が道端に落ちているのが腐女子向けアニメのトレンドになるかも知れません。

【こんな作品のファンにもオススメ】
『波打際のむろみさん』『人魚の森』

（文／出口ナオト）