「アルミンは男です!」『進撃の巨人』作者・諫山創の“里帰り”イベントに県内外から2500人が“進撃”【後編】

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 大山川が貫く山間の静かな町が歓声に包まれた。11月1日、大分県日田市大山町で開催された「進撃の里帰り」。『進撃の巨人』のマンガ原作者である諫山創さんの故郷で行われたこのファン交流イベントには、北海道、東京、愛知などから約2500人のファンが“進撃”。諫山さんにとって、まさに“里帰り”なイベントとなった。

 前編では諌山さんと恩師、同級生とのトークイベントの様子をお伝えしたが、後編では担当編集者とのトークや諌山さんへの質問コーナーの様子をお届けする。

【前編はこちら】

 恩師と同級生たちとのトーク後、雨脚の関係から、予定を変更して抽選30名へのサイン会を先行して実施。それから、講談社で編集担当の川窪慎太郎さんらとのトークに移った。

 諌山さんは高校卒業後、福岡にある専門学校「九州デザイナー学院」でマンガを学んだ。学校が実施した合同持ち込みで「週刊少年マガジン」編集部に『進撃の巨人』0話ともいえるマンガを持参したのが、川窪さんとの出会いになる。それは諌山さんが19歳のことだった。

「絵から魂の叫びというか、『これを描かずにはいられない』というのが伝わってきた」と川窪さん。それに対して「自分のマンガを面白いと言ってくれた人は川窪さんが初めてなので、信じられなかった」と諌山さん。共に「マガジン」での連載を目指すべく歩み始めた(実際は「別冊少年マガジン」で連載開始)。

 学校の関係上、諌山さんは福岡で暮らしていたので、電話で打ち合わせ、それを元にネームやプロットを考えていた(20歳で上京)。「最初はおっかなびっくりだった。ちなみに今月号はどうですか?」と、諌山さんは11月8日発売の最新号掲載分の感想を川窪さんに訊ねる。「『最後がわかりにくいな』というのは打ち合わせで話したんですが、(諌山さんは)『これは単行本の1話目に当たるから、単行本で読めばわかるんじゃないか』と言うんです」という川窪さんの返答に、諌山さんは「ラストはコマを伸び伸び使いすぎちゃって、2ページくらい足りなかった」と反省していた。

『進撃の巨人』は連載が始まって5年だが、最初の打ち合わせから数えると8年にもなる。川窪さんは、徐々に「マンガに関する言語が一緒になってくるというか、思ってることを言葉にすると諌山さんもわかってくれるし、諌山さんの言いたいこともわかってくる」感触を掴んでいったという。「昔は諌山さんが何を考えてるかわからないし、僕がどういうことを伝えたいのかも、諌山さんがわからない」ことに加え、「しかも、それが正しい方向なのかもわからない。デビューしてない当時(諌山さん)は新人で、僕も結果を出してない」ことから「手探りで打ち合わせをしていた記憶がある」と振り返る川窪さん。

 一方で、諌山さんは「川窪さんの直しに反抗していた」という。しかし「『ネーム、これ違うんじゃない?』と言われても、1日経つと川窪さんの言う通りだと思うことがあって、それを繰り返していくうちに自分の思考が客観的になっていった」と心境の変化を語った。それに対して、川窪さんは「次の日に僕が言ったのと違う直しをしてきて『よく考えたらこっちのほうが面白い』っていうのもある」と応じ、諌山さんを“世渡り上手な一面もある”と評す。続けて「僕はアイデアなんて出せないんで、気になったこととか、こうなったら嬉しいなとか、こんなことをみんな望んでるんじゃないかとかって、そのまま言うだけなんですけど、諌山さんが10倍にして返してくれるから気楽」とのこと。

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