~私は如何にして心配するのを止めてYUIMETALを愛するようになったか~第3章

BABYMETALの“メタルレジスタンス”を追う―今、会えないアイドルに今、会いに行く 

『イジメ、ダメ、ゼッタイ』でステージの端から端へ全速力で駆け走るYUIMETALとMOAMETAL。それに倣うように客席ではウォール・オブ・デスが幾つも発生し、人々が激しく身体をぶつけ合う。「とんでもないものを観た。」毎回、そんな気分にさせられてしまう。新木場駅から家族で夢の国に向かう人生もあっただろう。しかし、私は一人でかくれんぼとかけっことおしくらまんじゅうができるアミューズメントパークに向かう人生を選んだ。3人の少女の勇姿を目撃する人生も、それほど悪くないだろう。

 目立った演出はなく、全編が歌と踊りと演奏のみで構成されたステージ。ワールドツアーはすべてこのスタイルで正々堂々と勝負してきた。それがBABYMETALの現在を詰め込んでいるように思える。今まで演出としてライブで上映されていた紙芝居ムービー。その先のストーリーを3人自らが作っていくようだった。

 ドキュメンタリーがフィクションを超えた。現実が夢を飛び越えて、目の前に広がっている。この感動は計り知れない。

 それでも、1日目にYUIMETALは最後の最後に“BABYMETAL”と書かれたフラッグを掲げ忘れていた。完璧なステージでもきちんと人間味が感じられるシーンを見せてくれる。その慌てる仕草と、2日目は自信たっぷりに掲げている姿がかわいすぎて私の中で何かが壊れた。“今、会えない”という希少価値を見い出し、飢餓感を満たす。すぐに会うことができない。接触することがない。BABYMETALはある意味時代に逆行したカリスマ性を放ち、そしてYUIMETALの一挙一動に変な声が出る。

これだからBABYMETALは止められない。

■「大人はなかなか成長できないが、YUIMETALはすくすく成長していく」

ワールドツアーを終えた彼女たちが今何を考えて、何を想うのか。心境が気になる。

本来ならそれをMCから探るだろうが、この2日間でYUIMETALが発した全言葉を並べてみる。

「セイホーーオッ!」「幕張っ!」「イェーイ!」「もっともっとー!」「ベビーメターーール!」「シーユー!」
うん、全然分からない。

BABYMETALは相変わらずMCがない。彼女たちの言葉から得られる情報はなく、心境が掴めない。YUIMETALはステージで「レディー・ガガさんとのツアー頑張ったからトマトを食べます。でもメンバーみんなで食べられるご飯が一番のごちそうです」なんて言わない。だからといって、もしMCがあるとどうなってしまうのか。

SU-METAL「私たちBABYMETALはこの夏、スレイヤーさん、アンスラックスさん、メガデスさんと共演して、去年のメタリカさんを合わせるとこれで“BIG4”全員と出会いました~!」
YUIMETAL&MOAMETAL「イェ~~~イ!」
やっぱりなんか違う。

 BABYMETALは言葉がない。その分、観る者が言葉を思い浮かべてしまう。目の前に広がる壮大な光景を言葉で埋め尽くす。その多くは「かわいい」に代表される感嘆詞。それを言わせるYUIMETALが一体何を感じているか、何を想うのか。すべて想像に任せられている。

さくら学院2012年度~My Generation~

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